パフューマリーぜろけーさんのレビュー

香水の開発をモチーフにした、オシャレで雰囲気のあるエンジンビルド。

【概要】

２種類のカード「レシピカード」と「香水カード」が主役のエンジンビルドです。

レシピカードにはたとえば「花の香り１を獲得」や「花の香り１ を 木の香り１ に変換」などがあり、これをプログラムのように連結することで自分のエンジンを構成します。完成したエンジンを起動して、香水カードで指定された素材が全て揃えば香水の完成です。素材に余裕があれば１ターンで複数の香水を完成することもできますが、余った素材は持ち越せません（揮発）。これを繰り返して、山札がなくなるまでにお高い（作るのが難しい）香水をたくさん開発できた人の勝ちです。

【良いところ：とにかく雰囲気がいい、コンポーネントの質が高い】

このゲームはなんといっても雰囲気がいいです。カードのデザインもとても綺麗ですし、各種トークンもいちいち可愛いです。「ただのキューブ」といった汎用のコンポーネントがいっさいなく、すべての部品が世界観に合っているのでゲームの世界に浸りやすいです。

また香水カード１枚１枚につけられた商品名やフレーバーテキストもかなりそれっぽくて、香りの想像が湧きます。

【良いところ：エンジン構築の過程が気持ち良い・楽しい】

手札はマーケットから獲得する形式ですが、１度のアクションで１列まるっと獲得できるので結構ザクザク増えます。増やした手札とにらめっこして、エンジンをどうプログラムすれば効率よく香水が作れそうか構想する、パズル的な楽しさがこのゲームのメインです。完成したエンジンを起動して可愛いトークンを手元にジャラジャラ集める時間は、単純作業ではあるもののワクワクします。

【良いところ：ボリュームのわりに箱がコンパクト】

このゲーム、各種コンポーネントを机に広げると結構なボリュームになるのですが、箱はわりとコンパクトです。箱自体のデザインも綺麗で、「すべてがこの箱に凝縮されている」満足感が高いです。

【惜しいところ：広いスペースが必要】

上の「良いところ」の裏返しですが、箱のサイズのわりに必要なスペースはなかなかです。広めの机を用意するか、あるいは床に広げるとかしないと余裕を持って並べるのは難しい気がします。

特に縦にずらっと並びやすいレシピカードなどは、もう少しコンパクトだと使いやすかったのに……と思います。が、デザイン性とのトレードオフなので仕方ないとも思います。

【惜しいところ：ソロゲー感は強め】

「エンジンをどう拡張すれば効率よく香水を作れるか」という、各々の手元で展開されるパズルがこのゲームのメインなので、ソロゲー感は若干あります。

ワーカープレイスメントとありますが、シビアな取り合いは発生しないです。一部のアクションは先着１人しか行えませんが、ほとんどのターンで人数制限のないアクション「カードを獲得」→「エンジンを拡張」を選ぶことになります。バチバチの妨害合戦は世界観に合わない、というのもあるかもしれません。

「相手がパズルを解くのを待っているだけの時間」みたいのはまま発生します。 PvP らしいドキドキ感や、サクサク進むテンポ感を重視する人には合わないかもしれないです。