ナイト・エクスプレスMIFFYBXさんのレビュー

ヨーロッパに路線を巡らせて夜行列車で乗客や貨物を運ぶゲーム

夜を表現した箱絵が渋く、ボードも夜のヨーロッパをきれいに描いていて気分が上がる。

このゲーム、路線カードと列車の情報量がそこそこ多く、読み解くには慣れが必要

最初に行うのは路線選択。基本的に3つの都市を結ぶ路線の乗客数と時間を見ながら選択して行くのだが、「路線を他プレイヤーと共有した場合の乗客の減り方」が重要（ゲーム後半になるとどんどん路線が重なるので乗客は減ってしまい、入って来る勝利点も減ってしまうため）。路線途中の都市には「サービスポイント」が建設でき、他プレイヤーがその駅を通ると施設使用料として勝利点を奪う事ができる（こちらもゲーム後半に向けて増えて行くので、+-の計算が結構厄介）。

乗客と路線が決まると次に行うのが列車調達の競り。列車は様々な仕様があり、乗客を沢山載せられるもの、貨車を追加できるもの、追加装備が後付けできるもの（いずれも勝利点に直結）とあるので自分の乗客の数を見ながら悩む。入札はカードで行うので相場を読む悩みは少ないが、車両価格も併せて所持金とのバランスが悩ましい。あまりお金をかけずに「リース」で購入する手もあるけど、毎ラウンド勝利点でリース料を払わされるのでこれまた悩ましい。列車は後から車両そのものをアップグレードできたり、自分の路線の中で入れ替えたりする事が出来るのでお金の使い方は考えどころ。

次はワーカープレイスメントで行うアクション。次ラウンドでスタートプレイヤーになる、貨車を買う、サービスポイントを強化する、乗客を増やす、車両の装備をアップグレードする、悪いイベントに備えて保険を掛ける、金をもらう等の中から選んで実行して行く。2巡あるのでカタンの初期配置と同様に順番が最後のプレイヤーは2回続けてアクション出来る仕組み。

続いてイベントカードが配られる。各自自分のイベントを消化するが、他プレイヤーも巻き込む場合が結構あるので油断ならないし、それなりに破壊的なイベントもあるので保険は結構重要。

ここまで来たら路線評価という事で各自の路線の勝利点をカウントする。ゲームに慣れると同時処理ができるようになると思うが、ラウンド毎に評価する路線が全員増えるので個別に評価して行くとなると結構大変。

最後に、勝利点の少ない順で専門家を雇うことができる。専門家はそれなりに協力で、下位プレイヤーが巻き返す為の一助になっていると推察する。

一連の流れを4ラウンド繰り返したら終了処理を行う。その時点での勝利点に加え、ゲーム開始時に配られる「個人目標（1枚につき２つ）」の達成、「最高路線（4ラウンド目に最も評価が高い路線」「最大客車（乗せる事の出来る乗客数の合計）」「最高所持金」で追加勝利点を加え、勝利点の高いプレイヤーが勝利する。

悩みどころも多く没入感がある鉄道ゲームではあるが、気になったのは「色調が微妙」「路線評価に時間ががかる（1人ずつカウントする場合）」「サービスポイントの計算や乗客の減少等途中でチェックすべき事が多いので注意が必要」というあたり。ちょっと毛色の変わった鉄道ゲームとして、このジャンルが好きな人はぜひプレイしてほしい作品