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  • 1人~4人
  • 60分~75分
  • 14歳~
  • 2020年~

メルフ山本 右近さんのレビュー

964名
5名
0
3年以上前

ラグーザでおなじみファビオ・ロピアーノの2020年新作ゲーム。かつてシルクロードの中心地として栄えた街メルブをテーマとした戦略ゲームだ。

メルブは13世紀初頭にモンゴル軍に破壊されるまで100万人が住んでいたとされる非常に栄えた街だった。その特徴として高い建築技術と多くの図書館の存在があり、その特徴がこのゲームのフレーバーとしてシステムに落とし込まれている。

ゲームは4ラウンドを1年とし、3年間計12ラウンドで構成されていて、以下のような流れで進められていく。

プレイヤーは都市を囲む四辺の周りを1ラウンド毎に1辺ずつ移動し、移動先のマスから都市内に向かって延長線上にある5つのタイルから1つを選ぶ。そのタイル上にまだ建物がなければ自分の建物を配置しなければならない。建物は1つ毎に年度の終わりに1勝利点となる。

次に選んだタイルから資源を得るのだが、同じライン上にあり尚且つ選んだタイルと同じ色の建物が建っているタイル全てからも資源を得ることができる。自分の手番でない時でも、他のプレイヤーにより自分の建物が建っているタイルを選ばれた場合には資源を得ることができる点も重要だ。より魅力的な立地に自分の建物を建てることで入手できる資源の量を増やすことができるだろう。

また、中央にはラクダ市場なるものが存在する。これはラクダを消費することにより様々な特典を得ることができる非常に重要なアクションだ。ラクダはまた消費することにより手番順を有利にできるという用途など他にも有利にゲームを進めるために使う機会があり、ゲーム内で大きな役割を担っている。

このゲームの良いところは、主軸となる得点源が複数存在し、プレイヤーごとにどれを主軸とするかをアクションにより(実質早いもの勝ちで)宣言し合うことができる点だ。

建物によるアクションは6種類あるが、そのうち建築と王宮はその得点効率を高めるアクションとなり、市場、キャラバン、図書館、モスクの4つが主な得点行動となる。王宮は廷臣を配置するアクションだが、この4種の得点行動に対応する廷臣ミープルの配置スペースがあり、配置した場所によってどの要素から得点することができるのかが決まるという仕組みなのだ。

4種の配置スペースはそれぞれ3箇所ずつしかない。1人が同じ種類の複数のスペースに廷臣を配置する事も可能で特化戦術も許容されているが、逆に言うと他者に独占されてしまうこともあり、取りたい戦術を取らせてくれるとは限らないとも言える。

また、廷臣により得点するには支持ポイントを得てそれを消費しなければならないが、配置された廷臣は必ず支持ポイントを消費してしまうので、序盤に廷臣を置きすぎると得点効率の上がる後半に十分な支持ポイントを貯めておくことが難しくなることもあり、どのタイミングで廷臣を複数配置するのかというのも悩ましいポイントとなる。

2年目と3年目の終わりにはモンゴル軍の襲撃イベントがある。自分の建物を破壊されないためには、賄賂を支払うか、兵士を配置するか、壁を建築して守るかの3つの方法がある。特に壁の建築は、影響力を上げることができる非常に重要なアクションだ。

できれば自分の建物を守りたいところだが、他人の建物を守るように壁を作ったり兵士を配置すると、飛躍的に影響力を上げることができる。影響力が上がるとより高いレベルの契約カードが達成できるようになったり、多くの種類の香辛料が集められるようになる。契約は早取の得点源であり、香辛料はゲーム終了時にセットコレクションによる大量得点のチャンスとなるため影響力を上げておくことは重要だ。しかし自分の建物を守ることも同様に重要であるため、ここでもジレンマに悩まさせられることになるだろう。

モスクによる得点が強そうな印象はあるものの、見通しが良く悩ましさもあり、手頃なプレイ時間に対して密度の濃いゲーム体験が味わえるとても良いゲームだと感じた。戦術の幅は決して広くはないので、大局的に見ると割と似たようなゲーム展開が多くなりそうな懸念はあるものの、ランダム要素が多いため局所的な選択肢や行動に関してはリプレイ性がそこそこありそうに思う。

ルールは難しくはないものの意外に説明しづらいため、ルール説明をするためには多少練習をしておいた方が良さそうだ。個人的には2020年発売ゲームの中で5本の指には入るが、長く遊べる作品かどうかはあと数回プレイしてみないことには判断が難しいところだ。

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Nobuaki Katou
kamaji_G
ちゃい
山本 右近
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