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  • 2人~4人
  • 45分~55分
  • 10歳~
  • 2009年~

ハバナ荏原町将棋センターさんのレビュー

250名
4名
0
約3年前

「原則的に先手有利」というボードゲームの欠陥を、修正せずに、「それならばプレイ順を自分で作りなさい」と大胆にも開き直った驚きのゲーム。

主要メカニクスが「タイムトラック」(行動順変動)というのも珍しい。

トレーディングカードやデッキ構築が子ども達の間で流行っていたのは知っていますが、私には一枚一枚効果文が書いてあるカードゲームは別世界です。このハバナも、言語依存の英文なので、完全にスルーしていたゲームでした。

それが…友達に教えてもらい、最近、連続で遊んでいます。


13種類のカードアクションを覚えないといけません。いや、暗記する必要はないのですが、一通り知っておかねばなりません💦


0…昼寝。効果なし

1…回復。捨て札の1枚を手札に戻す

2…護衛。税務署、ペソ泥棒、資源泥棒から取られない

2…瓦礫業者。中央の瓦礫を全部貰う

3…税務署。ストックから1ペソ貰う。自分の後のプレイヤー全員の労働者1人か建築資材1個を捨てる

3…自然保護。4隅にある建物タイル1枚を除去する

4…労働者。ストックから労働者を貰う(最初のプレイヤーなら2人、以降は1人)

4…建築士。ストックから労働者を1人貰う。特定の建物の建設条件を満たす

5…ペソ泥棒。自分の後のプレイヤー(いなければ任意の)1人から、半分のペソを貰う

6…資源泥棒。自分の後のプレイヤー1人(いなければ任意の)から、建築資材1個(4個以上持ってたら2個)を貰う

7…闇市場。闇(布袋)から資材を貰う(最初のプレイヤーなら2個、以降は1個)

8…ペソ。中央のペソを半分貰う

9…ママ。中央の瓦礫の半分と建築資材の半分を貰う


中央とは、ストックとは別に毎ラウンド3ペソ3資材を補充する別ストックのことです。瓦礫と建築資材をまとめて資材と言いますが、建物タイルのコストとなるのは、色が付いている建築資材だけで、瓦礫は5つ集めて任意の色の建築資材1つ分の代わりとなります。(キューバ革命直後で、町は瓦礫だらけなのです)。また、5ペソで労働者1人と交換することもできます。

コストとなる建築資材や労働者やペソを集めて、建物タイルと交換し、その建物VPの合計が(例えば4人プレイだと)15VPに一番早く到達した人が勝ちです。収束感は「宝石の煌めき」と同じです。


この手のカードゲームは、きっと他にもあると思うのですが、このゲームのスゴイところは、カードを2枚出し、(第二ラウンド以降は1枚)、二桁の数字を作って、プレイ順を決めているところです。

その二桁の数字の小さいプレイヤーから順番にアクションをしていくわけですが、その2枚のカード両方のアクションを行ないます。

各自同じカードセットを13枚持っており、第二ラウンドは、残りの11枚から1枚を選び、今出ている十の位か一の位のカードの上に裏にして重ねます。重ねられたカードは捨て札となり使えなくなります。順に全員が置いたら公開して、新たな二桁の数字を見せます。この時、必ず、十の位は一の位より小さくなるように置き換えます。

このようにラウンドを繰り返していき、手番中、建設条件のコストを満たした建物タイルがあれば、即座に(複数枚でも)貰うことができます。

建物は6枚×2列、計12枚公開されていますが、各列両端、つまり取れる建物は4枚と決められています。(取られるたびに隣が端となるので常に4枚です)

↑ 取れる建物は4隅だけ。一列2枚になった時、4枚補充される。左上の建物は、コスト茶色資材2つの他に、4建築士をプレイしていなければならない。上にあるのが、中央ストック。

↑ 第四ラウンドスタート。今、上家が、一の位の8を隠してきた。どのカードを出すべきか。実は、瓦礫5つを茶色資材にすると茶色2個なので、4建築士を出せば、先程の左上の建物タイル5VPが取れる。とりあえず用がなくなった2瓦礫の上に置き、手番は「49」となる。しかしこんなことはバレバレだ。上家は、多分、3税務署あたりを置いているに違いない。そうなると上家の手番は「23」となるので、先に手元の茶色資材を捨てられ、左上の建物は手に入らない。しょうがない、ここは2護衛を出してママの上に置き「22」にしておくか?いや、それでは何も手に入らない。それに、下手したら上家は1回復を置いているかもしれない。その場合、上家は「12」だ。そもそも、ママを潰すのは勿体無い。(中央の色資材が欲しい……)。いや、ちょっと待て!上家は3税務署をさっきすでにプレイしていたではないか!!だったら「49」で勝負だ!


カードは明らかに、9の(マフィアの)ママを筆頭に、大きい数字のカードほどアクションが強くなっています。また、内容的にも、プレイ順が後のプレイヤーほど直接攻撃を受けるカードが多いです。直接でなくても、例えば8のカードで誰かとバッティングした場合、後のプレイヤーが貰えるペソは、半分の半分となります。

ただ、これで、先手有利をさらに強め、ゲームバランスを良くしているのです!


このゲームで、もう一つ感心するのが、バッティングメカニクスです。普通のバッティングは、カード一枚を出し、効果を上げたり下げたりフェイズオーダーにしたりするものですが、カードを二枚使うことで、自然とバッティングしやすくなっています。バッティングメカニクスであまりバッティングしなければ面白くありません。特に2人プレイ時にありがちですが、ハバナは2人プレイでもドキドキしながら楽しむことができます。

直接攻撃というメカニクスも誤解されやすいですが、ボードゲームに必要な楽しいメカニクスです。私が敬遠するとしたら、人生ゲームの「仕返し」マスみたいなものでしょうか。「誰かから10万ドル奪う」など、任意にしてしまったら仕返しでも何でもありませんし笑、トップ目の人から奪わなければ、キングメーカー問題にも繋がります。(まあ、そんなことどうでもいいゲームのはずですが笑)

任意のプレイヤーを選んで攻撃するゲームは(特に一昔前)沢山ありますが、まだ親密な関係になっていない友達と遊ぶ時は気が引けるものです。(そういう場合、人を選ばない2人プレイがオススメです)。3人以上の時は、やはりこのハバナのように、「プレイ順の後のプレイヤーが…」みたいに特定してある直接攻撃が現代的で良いと思います。


他プレイヤーの重ねられたカードや捨て札によって、残っている数字が分かるので、カードマネジメントに関しては戦略を練ることができます。運の要素といえば、7の闇市場ぐらいです。

強い大きな数字は一の位にずーっと固定しておくことも可能ですが、これがなかなか上手くいきません。

使えなくなったカードは、1の回復を使えば任意のカードを1枚戻せます。また、11ラウンドを経過すると、その捨てられた11枚が一気に戻ってきます。これは得だ!と思いますが、そんなに都合良く11ラウンドも切り盛りできませんし、その頃ゲームが終わっていることもあります。

難しい!

とにかく、「二桁の数字を作る」というのがナイスアイデアです。今まで味わったことの無い新鮮なプレイ感が楽しめます。

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荏原町将棋センター
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