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  • 40分~60分
  • 10歳~
  • 2023年~

フォレストシャッフル白州さんのレビュー

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10ヶ月前
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6/10

(2024/10/11追記)2024年ドイツゲーム賞1位。2024年アラカルトカードゲーム賞1位。史上5個しか達成していないと言われる2冠達成おめでとうございます!

2023年スカウトアクション3位。軽ゲーと重ゲーで分ければ、軽ゲー部門2位。ちなみに重ゲー部門2位はダーウィンズ・ジャーニーで、1位はリバイブ。軽ゲー部門1位はファラウェイとなかなかのメンツ。

日本語版が出るアナウンスがあったので、レビューしてみる。BGAでプレイ。

やることはシンプルで、「カード2枚補充」か「コストの数だけ手札を捨ててカードを出す」のどちらか1つを選ぶだけ。

山札に「冬カード」が3枚入っていて、これが全て出た瞬間、即ゲーム終了。点数が一番高い人が勝ち。

遊ぶ前は、自分がそんなに好みでない箱庭系拡大再生産ゲーム(こういうのやるなら、デジタルでもっと面白い作品あるからそれやりゃいいじゃんと思ってしまうタイプ)なこともあって、あんまり期待していなかった(なので、宝石の煌めきとかウィングスパンとかそんなに好きではない)のだが、想像以上に面白かった。

その理由をいくつかあげていこうと思う。ちなみにGeekでベストとされている2人プレイでの見解です。

まず、箱庭系(要するにソロっぽい)といったが、ドラフトゲームのように相手に渡してはいけないカードを結構意識する必要がある点。

このゲーム、山札からカードを引く以外に、森林ボードと呼ばれるところからもカードが補充できるのだが、この森林ボードは各プレイヤーがカードをプレイするときに、コストとして支払ったカードが置かれる(厳密には、カードプレイのときに山札からも追加で1枚置かれる)。

このため、他のプレイヤーが何を集めているか、出してはいけないカードは何かを自然と考えるようになっている。

得点になるカードはいろいろあって、コンボ系も多く、重ねがけも有効なので、自分にとってはいらないカードでも相手にとっては、1枚捨てるだけで10点以上追加されてしまうカードもざらにあるので、いらないからといって、何も考えずに捨てると痛い目を見る(笑)

手札をコストとしても使うゲームの代表例として、サンファンがあるが、あちらはコストとして捨てたカードは相手に使われないので、いかにいいカードを引くか(よって手札補充の数や回数)が重要だったが、こちらは捨てたカードが回収できるし、しかも生物カードは1枚につき、2種類描かれているため、その影響がでかい。

個人的にインタラクションのあるゲームが好みだったので、ここらへんは「これ出したいけど、コストとしてこれ捨てると、相手のメリットがでかすぎる!」みたいなジレンマが面白かった。

そして、さらに良いのが、森林ボードに10枚貯まると、森林ボードのカードが全てなくなるという点。

当然、ゲームが進めば、森林ボードにたくさんカードが溜まっていき、山札からはあんまりカードが引かれず(結果、ゲームの間延びにつながる)、場が硬直するのだが、10枚になることで、強制排除なので、自分はいらないけど、相手に超重要なカードを捨てるタイミングが用意されている。

そんなタイミングがなくても、相手にとっては、選べるカードがランダムな山札しかなくなるので、とりあえず決めると気持ち良い(笑)してやったり感もあるし、やられた感もあって、ちょっとした盛り上がりになっている。

次にカードのボーナス効果。カードは基本、0〜3のコストになっているのだが、一部のカードには、出すときに特定のマークのカードだけを捨ててコストを払うと、特殊効果がついてくる。

効果には「もう1ターンできる」「カード2枚補充」「特定のマークのカードを0コスト召喚」など、強力なものが多めで、これも森林ボードから選べることや1枚の生物カードに必ず2種類の異なるマークがあることで、ほどよく達成できるようになっており、手軽に「この強力なカードを見ろ!」みたいなアメリカンな気分にさせてくれる(でも、ちゃんと特定のカードを集めないと発動しないから、ボーナス効果を狙うか狙わないかの塩梅がユーロっぽい)のも良い。

そして、あえて冬カードが3枚出て強制終了させるという、時代を逆行したような終了トリガーが個人的には好みである。

このシステムはアランムーン(乗車券つくった人)のボロ儲けカンパニーやらエアラインズやらの頃のシステムで、ぶっちゃけ今のトレンドからすれば、タイミングを読みきれないのに影響がでかすぎることもあって、2000年以降のゲームであまり見かけることはなかったと思うのだが、あえてこれを組み込んでくるゲームデザインに感動した。

サンファンしかり、ボロ儲けカンパニーしかり、今から20年前以上のゲームのバランスやシステムがこのデザイナーは好きなんだろうなぁと、なんかマニアながらの嬉しさを感じた(笑)

そして、ウィングスパンのように「ゲームの勝敗うんぬん関係なしに、自分の好きな森や生物を集める」といったプレイも可能で、かなり間口は広いと思う。実際、鳥を並べるだけのウィングスパンと違って、木のカードの上下左右に生物カードを差し込んで、すみかとして表現しているのは素晴らしいと思う。

と、ここまでべた褒めなのだが、いくつか気になる点もあるので、共有する。

まず、このゲーム、目標やマイルストーンが一切存在せず、自分の中で決めなければならない。

多分、意図的にこういうデザインにしたのだろうが、180枚のいろんなカード(そのうち、生物カードは1枚につき、全く違う能力やボーナス効果、得点が違う)が初期手札6枚、MAX10枚まで持てる状態に序盤はなるのだが、このゲームは、方向性を決めて、それにそってプレイしていかなければ、得点が伸びない。

得点のカードを集めると急速に得点が増えていくカード、特定の属性のカードが多いほど得点が伸びるカード、特定のたった1枚のカードがあると10点入るカードなどなど、たくさんの種類が存在し、初プレイでは混乱すると思う。

さらに、森林ボードにもたくさんのカードがずらりと並び、その中からどれを選ぶか?どれを捨てるかを考えると、頭がパンクしそうになってしまう。

ウィングスパンのときは、とりあえず、卵産ませれば得点とかわかりやすいのがあったが、このゲームでは全てがカードの得点に依存するので、初プレイはかなり大変だと思う。というか、初プレイ時は、あんまり深く考えず、好きなカード出せばいいんじゃね?みたいな、どんなカードがあるか把握してからもう1回考えてプレイしてみる方が良いんじゃないかと、ノンリプレイヤーな自分が思うくらい。

まぁ、どうせ、拡張が出て、目標カードの先取りっぽいものが出るだろうが、この目標カードをいれないという雑っぽいバランスをあえてデザインしたであろう感じがすごいと思う。自分の森なんだから自分の好きなように作りなよ。とデザイナーから語りかけられているような気さえする(笑)

次にプレイ人数。このゲーム、5人までプレイできるのだが、正直おすすめしない。

Geekでは2人ベストとあるが、納得で、カードが大量にあるせいで確認するのに時間がかかるし、自分の手番には置かれているカードの状況が変わっているから、都度、考えなければいけないタイプだし、そもそもボーナスにもう1ターン追加とかあるから、2人プレイでも、結構ダウンタイムは長く感じた。多くても3人がベストだろう。

あと、冬カードが3枚出たら強制終了なので、多人数だと、明らかに後手が不利な気もする。森林ボードからカードを選べるというメリットもあるにはあるが、序盤はどのカードを集めていこうか決まってないと思うので、たいしたメリットはなさそう。多分、多人数でも後手に有利なバランス調整もないし。

最後に値段。一応、ボードもあるが、メインは180枚のカードのゲームなのに、5000円は高い気はする。

同じ値段でいえば、500枚入っているドミニオンとかがあるので、どうしても比較してしまう。

好きな人はどうせ買うでしょみたいな算段はあるかもしれないが、せめて4000円以下とかだったらよかったかな。まぁ、これも時代なのだろうか。

といった感じで、自分の総合評価は6としたが、ウィングスパンとか、最近のトレンドが好きなライト層には抜群にウケの良いゲームだと思う。

また、そのゲームが好みでないノンリプレイヤーゲーマーでも、20年前のゲームシステムを今風にうまく組み込んでいるので、遊ぶ価値はあると思う。

個人的には最近プレイした箱庭系拡大再生産ゲームの中では、一番新鮮で面白かった作品。

2024/4/21追記:アナログで4人で初プレイ。アイコンの効果確認など、最初は手間取るが、相手の森の様子が見やすかったり、どんなコンボしているかがわかるのはBGAよりも良いところ。BGAの処理の速さも捨てがたいので、どっちもどっちでいいんじゃないかと思います。ただ、やっぱり4人はダウンタイムが少し気になったから、せめて3人以下がいいとは思う。あとは、他が見えやすい分、カットとかしやすくなった印象があったかな。

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白州
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