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  • 20分~60分
  • 9歳~
  • 2026年~

霧の郵便屋lynn👾👾👾さんのレビュー

7名
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16分前

アートワークや世界観はとても魅力的です。 ルールブックも基本的には読みやすく、コンポーネントの雰囲気も良好でした。

ただ、実際に遊んでみると「ルールを読んだ時の期待値」を超えてくる作品ではなかった、というのが率直な感想です。


正直なところ、かなり過大評価されている作品だと感じました。

みさき工房がインディーズ系ボードゲームデザイナーを積極的に支援している点は素直に評価しています。ただ、工房杯での評価が実プレイではなくルールブック読了ベースだと知り、少し見方が変わりました。

工房杯最優秀賞受賞作ということで期待していましたが、個人的には「実際に遊ぶよりも、ルールブックを読んでいる時の方が面白かった作品」でした。

通常ルールを1回、上級ルールを2回プレイ。 結論から言うと、上級ルールはおすすめしません。

良かった点

まず褒めるべき部分から。

色使いや世界観は魅力的で、ルールブックも基本的には読みやすいです。

盤面UIも概ね分かりやすく、ゲーム本編のルール説明には大きな不満はありません。 ただし上級ルールだけは別です。

① 上級ルールの説明が分かりづらい

ボーナスアクションやスターアクションについて、

「ゲーム中、開拓、集荷、配達に加え、〇〇アクションを追加します。」

と記載されています。

しかし「ボーナスアクション」という名称自体が追加行動を連想させるため、この説明だと非常に紛らわしいです。

幸いプレイヤーボード側の補足で意図は理解できますが、正直ルールブック単体では誤解の余地があります。

例えば、

アクションステップ中、3種のアクション(開拓・集荷・配達)に加え、〇〇アクションを追加します。

と書けば済む話です。

なぜ上級ルールだけ読解力テストのようになっているのか疑問でした。

② ボーナスアクションはゲームを面白くしていない

むしろ悪化させています。

スター三つを使った単純な得点変換は効率が悪く、損な行動です。

カード分布を見ると最善手が見えます。

72枚中49枚が8点未満。 さらに1~7点のカード34枚にスターが付いています。

つまり序盤からスターを集めることが圧倒的に容易です。

結果として、

「スター付きカードを高速回収してスターを得る」 ↓ 「ボーナスアクションで行動数を増やす」 ↓ 「さらにスターを集める」

という流れが極めて強力になります。

長距離配達を狙う理由が薄くなり、ゲーム全体がスター回収競争へと収束してしまいます。

2回目のプレイでは、

ボーナスアクションまたはスターアクションは1ラウンドに1回まで

というハウスルールを導入しましたが、面白さの改善には至りませんでした。

③ 成長感があるようで、実際はほとんどない

このゲームがルール読み勢から高く評価される理由は理解できます。

開拓によって行動回数が増えるため、一見するとエンジンビルドのような成長感があるからです。

しかし実際に遊ぶと、

「見た目ほどゲームが広がらない」

という印象でした。

複数ルートが存在するため先行して道を確保する重要性が低く、ルート計画もそれほど要求されません。

特にコスト8の唯一橋は象徴的です。

少なくとも8回配達してようやく元が取れる計算ですが、実際には他プレイヤーの長距離輸送を助ける場面の方が多く感じました。

長距離ルート構築に十分な見返りがないのです。

④ 上級ルールの最適解が見えすぎている

上級ルール込みで見ると、

まず星2個を確保する ↓ 開拓ボーナスを連打する ↓ 行動数で先行する

という流れがあまりにも強力です。

いったん先行すると他プレイヤーも追従せざるを得ません。

しかし先に行動数で差が付いているため、追いつくのは簡単ではありません。

プレイ中盤以降の選択が広がるどころか、逆に狭くなっているように感じました。

⑤ カードUIにも疑問が残る

フォーチュンカード

カード名より先に本文へ目が行く配置になっています。

重要情報と補足情報の優先順位が逆転しているように感じました。

郵便物カード

郵便物カードのUIは、近年のボードゲーム界で語られるいくつかのUI論を積極的に取り入れたように見えます。正直なところ、かなり「デザインしたい人の都合」が見えるUIです。

片手で扇状に広げやすいという思想は理解できます。

ただ、本作のプレイスタイルとの相性はあまり良いとは感じませんでした。実際のプレイでは配送ルート確認のためカードを大きく重ねることが少なく、同じ情報を3か所も配置する意味を感じませんでした。「なぜこうなっているのか」が最後まで腑に落ちませんでした。

何度かのテストプレイで気付けそうな問題にも思えます。

また、行き先情報を残している以上、結局プレイヤーはその情報を必要としているわけで、

「全部盛りにしようとして、結果的にどれも中途半端になった」

ような印象を受けました。

⑥ 爽快感や「もう一回遊びたい」が弱い

個人的には、本作で一番気になったのはここかもしれません。

開拓によって行動回数が増えていくため、一見すると成長しているように見えます。

ただ、その増えた行動回数を何に使うのかという部分があまり広がっておらず、結局は効率良く路線を伸ばして配達する競争になりがちです。

そのためプレイ感としては、

「競争はしているけれど争いはない」

穏やかな鉄道レースゲームに近い印象でした。

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。

しかしゲーム中に大きな逆転劇が起きるわけでもなく、驚くようなコンボが生まれるわけでもなく、思わず唸るような駆け引きがあるわけでもありません。

遊び終わった後も、

「このゲームならではだった」

と思える部分があまり残りませんでした。

自分は多少バランスが荒くても、強烈な個性や面白い発想があるゲームならまた遊びたいと思うタイプです。

その意味では本作はよくまとまっている反面、尖った魅力に欠けるように感じます。

決して出来が悪いわけではありません。

ただ、優等生ではあるものの、何かひとつでも突出した長所があったかと言われると答えに困ります。

例えるなら、真面目に努力していて成績も悪くないけれど、クラスの話題の中心になることはない生徒。

そんな印象のゲームでした。


その他

村名そのものは雰囲気重視で問題ありません。

ただし地図上のアルファベット表記は視認性が高いとは言えず、目的地探しに余計な時間を使う場面がありました。

また、フレーバーテキストは読む前までは非常に力が入っていると感じましたが、実プレイ中に読んだ人は誰もいませんでした。

プレイヤーが見ているのは最短ルートと村の位置です。

テーマを大切にしようとした努力は伝わるだけに、実際のプレイ導線とかみ合っていないのが残念でした。

一言でまとめるなら

ルールを読むと期待する。遊ぶと「そこまででもない」となる。上級ルールはその傾向をさらに強めてしまっている。

美術や世界観には魅力があるが、ゲーム性については高評価ほどの説得力を感じられなかった。

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勇者
lynn👾👾👾
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