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  • 1人用
  • 5分~30分
  • 12歳~
  • 2024年~

デックローグ18toyaさんのレビュー

554名
9名
0
約2ヶ月前

「スレイ・ザ・スパイア」コンパクト化への飽くなき挑戦!ミニマムな構成で「スレスパ感」を再現した良作!

【評価8/10】

既に色々な方がおっしゃってる通り、本作はデジタルゲームの名作「Slay the Spire(以下、スレスパ)」を遊んだことがある人は「ああ、これの大元はスレスパだね!」ってすぐに気付くほど、スレスパの遊び感が表現されたソロ専用ゲームです。

スレスパのアナログ版と言えば、既に「スレイザスパイア:ザ・ボードゲーム」と言うビッグタイトルがリリースされています。そちらはデジタル版のスレスパを概ね忠実にボードゲーム化したもので、マニアが見ても「よくぞここまでやってくれた…!」と感涙するほどの再現度合いです。


しかし、本作「デックローグ」もタイプは全く異なりますが、「コンパクトなアナログ版スレスパ」と感じられました!色々削ぎ落としてコストを下げ、3,000円以下でアナログでスレスパを遊べるのは有り難いの一言です♪

そんな本作の特徴を以下で見ていきます。


◇本作の基本的な流れ

本作の内容物は90枚のカードと6枚のチップから構成されています。意味深な封筒も入っていますが、これは入手された方がご自身の目でお確かめください^^


ゲームの基本的な流れは「★ザコ敵4体を撃破→★ボス敵1体を撃破→★★ザコ敵4体を撃破→★★ボス敵1体を撃破」というもの。

戦闘は自分のデッキからカードを引いて使用することで攻撃したり防御したりします。ただ、最初から持っている基本カードたちはからっきし弱い!強い敵には太刀打ちできません。


幸い、ザコ敵を倒した時に基本カードより強力な報酬カードを入手できるチャンスがあります!戦いを重ねるごとに1枚1枚、少しずつデッキを強化していきましょう(ただし、報酬カード3枚の中から1枚も欲しいカードが無かった場合は受け取らないことも可能)。


また、ゲーム開始時と★ボスを倒した時には「オタカラ」というアイテムを得ることができます。オタカラはザコ敵を倒した時にゲットできる報酬カードとは違い、デッキを強化するためのものではありません。持っているだけで常時能力が発動したり、手に入れた瞬間に強力な効果を発動するたぐいのものです。


報酬カードとオタカラ。これらを駆使して迷宮に挑み、ボス敵を倒すことが本作の目的となります。

モンスターは8枚のうちから4枚を、ボスは3枚の中から1枚をランダムに選ぶ。この流れは★でも★★でも同じ。


◇スレスパの何を再現しようとしたか

デッキ構築×ローグライクの傑作、スレイ・ザ・スパイア

上記の要素はデジタル版スレスパの根幹、ゲームの背骨をなぞったモノである事は一見して分かります。作者である工藤さんの愛とリスペクトがしっかりと感じ取れる。

更にもう一点感じるのが「取り回しの良さ」。

始めるまでの準備や手間、プレイアビリティがとても良い。

スレスパの音楽もBGMにすると更に最高!


スレスパをさらに忠実になぞるだけなら、例えば「ランダムなマップを作るためのモジュラーボード、またはマップカードのランダム配置」「ランダム引きポーション」「お金と買い物」などの要素のうちどれか、または複数を載せるという方法はあった。

しかし、要素というのは増やせば増やすほど遊ぶための準備や片付けの手間も増えてしまう。遊ぶ際は煩雑になる。処理忘れの確率も上がる。


ゆえに本作では

「要素を加える方法」つまり足し算でスレスパを再現する道ではなく

「どこまでなら削ってもスレスパらしさを感じられるか」つまり引き算で、スレスパの根幹を剥き出しにしたのではないでしょうか。


スレスパの楽しさ。突き詰めればそれはデッキ構築の楽しさ。それをシンプルに、かつサクサクと、スピード感を持って遊べること

本作は、そんな工藤さんの思想の具現化のように、筆者には感じられました。


◇コンパクト化とリプレイ性の両立

さて、本作の醍醐味である「デッキ構築の楽しさ」について。

スレスパのデッキ構築の楽しさは、私の考えでは「ままならなさから来るもの」と思っています。

明らかにコンボになるカードがあるのに、報酬がランダム抽出のためコンボパーツを揃えられるかどうか分からない。だけど揃えようとワンチャンスに賭けるのか、堅実な選択を選ぶのか。

運の振れ幅、コントロールしようとしてしきれないからこそのリスク管理とリスクテイク。短期的な戦闘解決と長期的プランをどう天秤にかけるか。こうした事を考えながらカードを選択し、デッキに加える。そして、最後は運に賭け、神に祈る。


こうした楽しさを再現するにはカードプールもある程度大きい必要があるし、カード同士の間にコンボやシナジーがある事も前提となります。コンボやシナジーがあるからこそ、コンボパーツが「容易に引けない苦しさ」と「有り合わせで何とかできた時の嬉しさ」、そして「パーツが揃った時の喜び」が生まれる。

ここを再現するために、デックローグでも56枚のカードを用意して「ままならなさ」を演出してくれています。


「どこまでコンパクトに出来るか」と「リプレイ性の担保」。この両立に恐らく相当な調整を重ねたと推測します。そして一定の成功を収めたと言えるのではないでしょうか。


◇弱点

さて、公平を期すために本作の弱点も挙げなければなりません。

それは本作の長所であるルールの簡略化とスピード感の裏返しでもあるのですが、使用キャラクターの選択が出来ないという点。

本作は恐らくスレスパのアイアンクラッドをベースにしながら、筋力管理を入れるとルールの複雑化や処理忘れの増加が懸念されるため、こうした要素を削り落としたキャラクターなのではないかと想像しています。

しかし、サイレント、ディフェクト、ウォッチャー等まで再現しようとするとルールの複雑化は避けられない。

従って、「軽快なプレイ感」を信条とする本作は別キャラの導入がなかなか難しいのではないかと想像されるのです。


ただし、もし工藤さんがデッキ拡張などで、煩雑にならないのに遊び感が違うキャラクターを用意してくれたとしたら…

それはもはや神作です!光の速さで速攻購入させていただきます!笑


◇まとめ

以上です。本作はデッキ構築という、スレスパの一番核となる楽しさを残しながらも、それ以外の要素は大胆に切り落とす事でプレイ感をスッキリさせ、スレスパのようにサラサラ軽快に遊べる「遊び感」の再現にも挑んだ意欲作であり、スレスパへのラブレターのような作品でもある、と感じました!

ソロボドゲが苦手ではない方、スレスパを結構楽しめた方はぜひ一度本作をお試しいただければ、と思います♪


長文にも関わらず最後までお読みいただきありがとうございました!皆様の良きボドゲライフに貢献できれば幸いです^ ^

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