- 1人~4人
- 90分~120分
- 14歳~
- 2017年~
ダークソウル ボードゲームhiroさんのレビュー
言わずと知れた不朽の名作、日本が誇るゲームメーカー「フロムソフトウェア」が生み出した難攻不落の金字塔「ダークソウルシリーズ」。
そのミームを受け継いで「Steamforged Games」の元に発売されたのが、この「ダークソウル:ボードゲーム」。
原作を踏襲すべく高難易度&中毒性の高い、ダンジョン探索型のRPGボードゲームです。
現在日本語版は発売されていませんがアレコレ調べていると、ルールは至極シンプル。
敵モンスターの動きも流行のオートマのおかげでソロで遊ぶことも可能です。
王道RPGの如く「敵を倒し、主人公を強くして、ボスに挑む」という流れがうまくルール化されていると思いました。
ミニチュアゲームは沼(しかも大沼)なので絶対に手を出さないよう気を付けていましたが、リアルタイムで遊んでいたダークソウルがボードゲームになっていると知って、ジャブ程度で購入しました。遊ぶ内に数ある拡張にも手を出してしまい現在収拾つかなくなっています。
我が家では10歳の娘と、12歳の息子とで遊んでいますが、アイテムカード以外に関してはさほど言語依存しないので全然問題なく遊べました。
とはいえ一部の英語のテキストには翻訳シールを自作して貼り付けることで、より遊びやすくなっています。
ルールブックに関していえば、翻訳サイトでの翻訳だけだと(独特の言い回しのせいで)若干分かりにくい部分があったので、そちらもBGGを参考にして日本語版ルールブックを作りました。
とにかく、ダークソウルシリーズを知らない人でも「強くなってボスを倒す」「剣と魔法の世界」が好きな人には楽しく遊べるゲームだと思います。
ダークソウル好きにはシリーズを通したアイテム(特にダークソウル3がメイン)やボス、モンスターを身をもって体験できる素晴らしいゲームです。
ミニチュアも精巧に作られており(私はしませんが)塗装するのも一つの楽しみになります。
現在はダークソウルシリーズ(1,2,3)を基にした多くの拡張が発売されています。
ボスやモンスターに合わせた戦い方、クラス(素性)毎の特徴、装備の組み合わせ等、無限に遊べる要素満載です。
子供もお気に入りで休みの日になっては一緒になって遊んでいます。
「YOU DIED 」
個人的評価 9.5/10
追記
ここではルールブック上で分かりにくい表現を地味に載せていこうと思います。また、遊びやすくするためのハウスルールをいくつも見つけたのでそちらも併せて載せていきます。
ルール
1.初期ソウル
ルールブックを読む限りでは厳密に決められてはいないみたいです。「1人で遊ぶときは16ソウル持ってね」とは書いていますが、人数ごとのソウルの定義はルールブックを読む限りでは書いていませんでした。おそらくは「16ソウルを人数で割る」か「プレイヤーが勝手に決めて難易度調整してね」ってことだと思います。
2.ボスの行動パターンの星みたいなマーク
ルールブックには「複数のノードに対して攻撃する」とありますが、これもいまいちピンときません。この星マークの攻撃には必ずボスの台座のマーク(Xで区切られて緑とか黒で分けられているマーク)がついています。この台座のマークの緑色の区域が攻撃範囲です。
もし攻撃範囲が「1」で、台座の「前面だけが緑色」の場合、全面90度のにある3か所ノード。
「前面と右側面が緑色」の場合、180度にあたる5か所のノードに攻撃することになります。
攻撃範囲が「2」の時はさらにその隣のノード、という事ですね。
3、敵側から見た攻撃対象
攻撃アイコン(剣が交差しているマーク)にドクロマークがついている場合は、近くに他のプレイヤーがいても、アグロトークンを持っているプレイヤーに攻撃します。
輪っかのマークがある場合で近くに複数のプレイヤーがいる場合は「アグロトークン持ち>キャラクターボードの脅威度」の順番で優先順位を決めます。
移動アイコン(十字キーのマーク)の場合は「近くのプレイヤー>アグロトークン持ち>脅威度」で順位を決めます。
4、エスト瓶を使うタイミング
ルールブックを見渡す限りエスト瓶による回復をいつ出来るか書いてないように思えました。なので「好きなタイミング」でいいと思います。でも、ダメージを受けている最中に使うのはちょっと現実的にイメージ出来ないので「敵に攻撃される直前(敵が向かってくるタイミングでエスト瓶を飲む)」で使用してもいい気がします。そもそも1回こっきりのギリギリの救済措置アイテムなので。
5、両手の武器で攻撃
これに関してはルールブックを読む限りでは「装備している武器1つにつき1回」と書いてあるので「左手で攻撃」→「右手で攻撃」で問題ないと思います。
「左手の盾でノックバックした相手に、0距離攻撃不可の武器で追い打ち」とかいうかっこいい攻撃を今思いつきました。
ハウスルール
1、スタミナとダメージ
このゲーム、基本ルール上ではスタミナとHPが共有なのですぐ死にます。でも「限界まで走り回ったら死ぬ」というのは少し無理がある気がするので、プレイヤーが死ぬのは「赤いキューブが埋まった時のみ」としたらバランスがとれる気がします。もし、スタミナを使いすぎて黒いキューブで埋まった時(もしくはダメージを受けてスタミナラインまで到達した時)は「回避、防御判定が出来ずにダメージ全受け」という、原作でいう「スタミナ回復までの疲労状態」が再現できるのでいい感じだと思いました。
→確かに死ににくくはなりました。ただ、スタミナを使って全力攻撃すると疲労状態で敵に瞬殺されます。そのせいでダメージキューブで埋まっている置いてある状態が多々あり、そのせいで行動に制限が出てくる辺りも緊張感があって楽しめました。
2、敵のHP
亡者兵士や銀騎士は種類問わず「HP=1」です。ちょっと強い武器を装備すると急に弱くなります。サイコロの期待値を考えるに「黒:約1.1」「青:1.8」「オレンジ:2.5」なので、よっぽどのことが無い限りは青ダイス1個振れば倒せます。これはヌルい。
なので、亡者兵士のHPを2、銀騎士のHPを3程度に合わせれば緊張感が出ていい感じで戦えます。
→初期装備だとうまく立ち回らないと長丁場になりますが、装備を整えていくと逆にキャラクターが強くなっていくのが実感するのでいいルールだと思います。
3、プレイヤーのターン
基本ルールだと戦闘順は「全敵→味方一人→全敵、、、」になり、下手すると手も足も出ずに全滅するか、自分のターンになった時は既に瀕死の場合が多々あります。
上記のHPの底上げルールに伴って「全敵→全プレイヤー→全敵→、、、」でバランスがとれると思います。
それと、行動開始の順番(基本は敵が先)を、回避ダイスを振って成功したらプレイヤー側から始まるとすれば、待ち伏せか先制かうまく再現できると思います。回避ダイスはちょうど五分五分なのでこれもいいルールだと思いました。
→何度かこのルール(味方全員が動く)を使用してみた感想です。まず、アグロトークンをどう回すがが不明瞭になる点と、各々バラバラに各個撃破していくので緊張感が薄れる感じがしました。
行動順を回避ダイスで決めるのは強い敵と対峙した時にまずどう動くかがが面白かったのと、先手必勝で勝てると思いきや、ダイスロール次第でスタミナ切れの状態で敵の真っただ中に孤立する場合があるので即死コースもありうることも考えるといいルールですた。
4、回避の失敗
回避の失敗時はダメージ全受けになるデメリットがあります。そのせいで「物理防御力、魔法防御力」をガン上げして、そもそも「ダメージを受けないキャラ」を作ると、ボス含め途端にヌルゲー化します。結果、防具の取り合いになって不穏な空気が流れ始めます。
それの打開策として「回避失敗しても、防具による防御判定はアリ」にすることで「防御キャラ」と「回避キャラ」のすみ分けができる上に「防具装備してるのにダメージ減少が無いのは現実的におかしい」という違和感も払拭できます。
回避を上手く使って敵の攻撃をかいくぐりながらの位置取り、原作のテレビゲームでも常套手段ですから、これもアリだと思います。
→回避失敗時の防御判定に関しては、回避装備がそもそも防御力が弱いのでちょうどバランスが取れていると思います。
5、ヒロイックアクション
戦闘中のヒロイックアクションは「ラストエリクサー症候群」に見て取れるように、下手したら一度も使わないことが多々あります。せっかくクラス(素性)別にキャラクターがいるので、もうちょっと特徴を活かした戦闘が出来れば立ち回りも面白いと思います。
そこで、ヒロイックアクションはヒロイックトークン裏返しで1度使った後は「スパークを消費して使う」事で残り共有リソースであるスパークのマネージメントにつながります。
ある程度強くなってしまうとスパークが空気化してしまうので「全滅と勝利」をうまく天秤にかけたいいルールだと思いました。
→本ゲームがギリギリの戦闘を再現されているので「スパークを消費してでもなんとかしたい」という状況が何度かあり、これも戦闘に緊張感がでてきていいルールでした。
6、魔法や奇跡
魔法や奇跡も普通の装備と同じように右手か左手に装備しますが、原作を考えるとちょっとおかしい。そもそも「魔法使い」なのに「使える魔法が(最大)3つ」なのはパンチが弱い気がします。これに関しては我が家でも調整中なのですが「能力値を元に使える魔法を何個かストック出来る」と現実的な気がします。例えば理力(インテリジェンス)を1段階上げる毎に一つ魔法をストック出来る、ストックされた魔法は好きに選んで発動できる、という事です。
さらに原作に合わせるなら「触媒(杖、タリスマイン、聖鈴)を装備している場合のみ」にすると数ある魔法を状況に応じて使用できるのでより原作っぽくなります。
ちょうどクラスによって能力値に差分があるので「10区切りで1つ」などにしておけば、前衛職が魔法をたくさん使うのにはレベルアップが必要、後衛職は比較的初期から複数の魔法を使える、という感じになります。
7、回避判定
回避値の低い装備が多い初期の段階では「とりあえず回避ダイス2個(75%)揃うまでは防御力優先で戦うか…」という状況になります。回避が成功しまくるのも問題ですが(3個で約87%)、回避の最大のデメリットである「ダメージ全受け(上のルールを適用すると防御判定アリですが)と、スタミナを1消費」があります。そこで、疲労ルールを踏まえたものとして「回避判定の際にスタミナを追加で2消費してダイスを1つ増やす」事で「回避のデメリット=疲労」が明確になりますし、原作でいう低レベル時の「回避へたくそだからとりあえず回避ボタン連打」とうイメージにつながると思います。
→上記の「スタミナとダメージ」のルールを踏まえると、回避後にダメージを受けて疲労状態で敵に瞬殺されました。防御主体のパーティだと、全体的な動きがあまり見られず、同じ場所にとどまっての戦闘が多いので、回避を上方修正することでより大人数での戦闘に動きが出てきて面白くなりました。回避キャラはスタミナのマネージメントがうまくないと機能しませんが、より能動的な戦闘が出来たのでいいルールだと思います。
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