シティ・オブ・ザ・ビッグ・ショルダーズ白州さんのレビュー

7/10

2024/10/15追記：まさかの日本語版が出るとのこと！おめでとうございます！

箱絵がめちゃ渋い重厚感を放つボードゲーム。一時期、かなり話題になっていた印象がある。

重ゲーの最高峰の１つ「18xx」シリーズ特有のゲームシステムで、18xxよりも軽く仕上げた（といっても、4~5時間かかるけどｗ）作品。

基本的には起業＆経営ゲームなのだが、このゲームの特徴としては、18xxシリーズではおなじみらしい、個人のお金と会社のお金を別にするシステム。

普通のゲームは、とにかく自分のお金を増やすことを目指すのだが、このゲームでは、会社を立ち上げ、株券を買って、稼ぐタイプになっており、さらにそれが個人のお金と会社のお金が別になっている。

つまり、個人の手元にあるお金は、株を買うためだけのもの（他のプレイヤーの株も買える）であり、会社の手元にあるお金は、事業を大きくするために、いろいろやるためのものと明確に分かれているのが面白い。

このゲームは最終的に個人のお金を増やすことが目的なのだが、会社のお金はそう簡単に個人のお金の方に移動できない。

移動するには、配当などのアクションをする必要があり、そこがかなりリアルな経済ゲームになっているところがユニーク。

基本的にはワーカーを使って、会社をつくる→商品をつくる→出荷するの王道パターンなのだが、それ以外にもやることがいろいろ多い。

多すぎて、ルール説明が長くなるのだが、いざ始めてみると、意外とわかりやすく、純粋に楽しめるゲームになっているのは素晴らしい。

重ゲーなのに、終わった後は、あまり疲れていないみたいな状況になっていて、驚いたほど遊びやすい。

18xxシリーズは、これに鉄道建設が入ってくるので、より複雑でハードルは高いだろうが、その一歩手前のゲームとしてなかなか良いと思う。

とはいっても、５時間かかるので、人は選ぶかな。逆にいえば、そこさえ乗り越える人なら、かなり楽しめるゲームだと思う。

ただ、他のレビューにもあるとおり、毎回配られるタイルの配り運は若干強めかも。といっても、その粗さが逆にちょうどよいバランス感な感じは自分はしたが、それは人それぞれなのかもしれない。

18xxシリーズは聞いたことあるけど、やったことのないゲーマーにおすすめの作品。

個人的に重ゲーはあんまり評価を高くしないのだけれども、このゲームはいろんな意味で感動した。

人気が出るのもうなずけるボードゲーム。

今だと、BGAにもあるので、興味ある人はやってみてはいかがだろうか。