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  • 2人~5人
  • 40分~100分
  • 14歳~
  • 2015年~

浪費家倶楽部荏原町将棋センターさんのレビュー

199名
3名
0
2年以上前

「おかしな遺言」の、「お金を全部無くす」という目標から、「財産を捨て、選挙支持率を下げ、好感度を下げる」という目標に変わりました。

これにより、メカニクスが増え、難易度が上がっただけでなく、カードゲームみたいだったプレイ感が薄まりました。

戦略面でも、単調な(マイナスの)拡大生産ではなく、複数のマイナス生産をバランスよく収斂させていく方法が問われます。

フレーバーの見地でも、湯水のように散財するだけでなく、拡声器で大声で演説し、選挙支持率を下げなければいけないし、現在の確固たる人望を自ら貶め、人から嫌われなければならないという、バカらしさが豪快になりました。


散財は、「遺言」と同様、不動産等の財産の減却がメインですが、ボロい不動産財産に買い替えるという「交換」もできます。

選挙は、数的マジョリティとタイル配置の新しいメカニクスが入りました。マジョリティは、演説に使う拡声器の数です。各ラウンド、集めた拡声器の数1位のプレイヤーが、支持率をガクンと下げることができます。逆にビリだったプレイヤーは、「常識的な人」ということで、支持率が上がります笑

好感度は、双六です。社交界では、代表的な4人の紳士淑女から嫌われなければなりません。しかしここはイギリス。ミスマープルのようなゴシップ好きのおばあちゃんが、毎ラウンド、あなたの噂話を(美談として)ペチャクチャ喋っています。あなたの好感度はアップされ、どんどん上がっていきます笑


実はこのゲーム、「通常ゲーム」としては、財産、選挙、社交界3つのうち、2つを使うことになっています。

もちろん、3種全部使って遊べますが、まあ、難しい。単純にワーカースペースが増え、貰えるカードも増えるので、煩雑になりすぎます。やはり、お手玉と同じで、2個なら出来るものが、3個になると、人間はすぐ対応できないのでしょう。

説明書では、選挙と社交界のセットを推奨していますが、私的には、財産と社交界のセットがオススメです。やはり、放蕩や散財は楽しいもので、体験したいですし、好感度を下げるという目標もレアな体験です。


ゲームの流れは、まずワーカープレイス、次にカードアクションとなります。

散財のワーカースペースは、金を使う、財産を売る、財産を買い替えるの3つと、カード獲得スペース。


↑ 一方、社交界のワーカースペースは、好感度を1〜2AP下げるスペースがいくつかとカード獲得スペース。それと、おばあちゃんのゴシップを拒否するというスペース。例えば、真ん中の黒カードは、毎ラウンド、所有する食事関係の「ルネサンス的教養シンボル」(後述)の数だけ好感度が下がる、食事マナーの悪いカードだ。


好感度を表す双六は個人ボードで、縦3列のあみだくじ型になっており、スタート時、上の方に4つのコマがあります。好感度を下げる時は、真下に下がるだけでなく、斜め下にも下がれるので、4つのコマのコース取りが大事。ゲーム終了時、4つの位置にある数字を足し合わせたものが、他プレイヤーと比べ合う数字となります。AP方式なので、2APの場合、一つのコマを2下げてもいいし、2つのコマを1ずつ下げてもいいです。

↑ 2人プレイスタート時。財産タイル6枚と10金、それと好感度ボード。正三角形の中央ボードには、中央カード、スタピー(順位)取り、「ルネサンス的教養人タイル」のワーカースペースがある。6枚の財産タイルは、処分しないと一枚につき終了時+3金のキャピタルゲインになってしまう笑


「遺言」と同じで、カードは、ラウンド一回の永続効果の黒カードと、使い捨て一回限りの白カードに分かれています。黒カードだけを計6枚まで置ける個人ボードもあります。また、カードアクション中、カードは何枚でも使えますが、手札はラウンド終了時に4枚(以下)にされます。

これも「遺言」と同じですが、カードの中には、ワーカースペースと同じ内容のアクションがあります。ワーカーを置くよりも強化されたカードもあるので、ワーカープレイスでアクションするのを敢えて控え、カードの方でアクションするという技も必要です。

また、「遺言」にもあったシンボルは、種類が多いため不評でしたが、「浪費家倶楽部」では、8種類の財産シンボルをまとめて「ルネサンス的教養」と呼び、これらを起動するカードを入手しなければ、基本無視できます。これは視認性として大きな改変です。

このシンボルを集めたくなった場合、(本当は選挙ボードを含めて遊べば、タイル配置によってシンボルが狙えるのですが)、中央ボードに「ルネサンス的教養人タイル」というワーカースペースがあります。ここにワーカーを置けば、どのシンボルでも、指定すれば、そのラウンド中+2になります。(社交界の双六のマスの中にもルネサンス的教養があります)

また、「遺言」のエンジンビルドとなっていた友人などの「同伴者」の役割も、浪費家倶楽部では一つにまとめ、「時間」カードとなりました。例えば、下の写真の「舞踏会(ball)」のような浪費的カードを単独で出すのではなく、時間カードを3枚付随して出せば、1金に+2金、+2金、+4金となり、計9金、高級シャンパンで呑み潰れることができます。

↑ 財産のボード。左のカードセットに時間カードが1枚ある。このボードだけで言えば、ラウンド初手は、左のカードセットが第一希望で、真ん中のカードセットが第二希望という感じか。第三希望としては、3金分価格が下落する財産交換。例えば、手元の6金不動産を、2金の貧弱な馬に交換すれば、お釣りとして1金現金が入ってくるが、財産の一つが6→2となる。


ポイントとしては、

■勝敗は、終了時、一番高い度数同士を他プレイヤーと比べて一番小さい人が勝ち。ということは、財産、好感度ともにバランス良く減らしていかなければならない。不動産等財産が1枚でも売れ残らないように、好感度はおばあちゃんのゴシップを喰らわないように。

■ワーカープレイスでは、基本、カードを取って行く。しかし、場に公開の4つの財産に、2金などの安い財産がある場合、手元の6金不動産との買い替えを優先する手もある。

■スタート時、各プレイヤーは財産を5〜6個持っている。現金化しないと浪費できないので早く売りたいのだが、安く売る前にできるだけ「交換」でボロくしておきたい。

■当然ながら永続効果のある黒カードはさっさとプレイした方がお得。白カードは、終盤に大きな効果を期待できるものが多い。

■浪費家としては、浪費的カードと時間カードによる、お金の大量消費を1回はやっておきたい。手札制限の4枚以内でなんとか、時間カードを終盤までキープしたい。

■社交界では、双六の4つのコマを上手くコントロールすれば、一手で8AP程下げられるカードもある。しかし、自分の駒が邪魔をし、動かすことができなければ下げられない。また、逆に、おばあちゃんのゴシップに対しても、コマを「上げることができない状態」にしておけば、被害が少なくて済む。


↑ 上は、選挙ボード。拡声器の数的マジョリティ戦略だけでなく、タイル配置によってルネサンス的教養を増やす戦略も生まれる。下は、財産モードのカードの一部。左の「高級テーラー」では、時間カードが青天井に使えるので、究極の贅沢ができそうだ!


「おかしな遺言」は、カードを強化することがメインのカードゲームでした。「浪費家倶楽部」は、より複雑になって私の好みにはなりましたが、案の定、散財、選挙支持率、社交界3種の「上級プレイ」で遊ぶと、手が見えず方針が立てにくいので、一手一手どれでもいいやと、手なりに減らしてしまう可能性もあります。慣れるまでは2種で遊びたいです。

何しろ、浪費が豪快になったことが、このゲームの強みです。

浪費家になりきって、この豪快な浪費を体感することが、一番の楽しみです。

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つっちー
Sato39
Bluebear
荏原町将棋センター
荏原町将棋センター
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