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  • 1人~5人
  • 45分~60分
  • 8歳~
  • 2018年~

パンデミック:ローマの落日ぴよ坊さんのレビュー

381名
3名
0
1年以上前

ルールは本家パンデミックの流用で複数人プレイ時はもちろん協力プレイですが、内容は別物の感じがします。同じゲームシステムでここまで違うゲームが作れるもんだなあという感想です。

時間は準備・片付けを含めて1時間くらい。

ローマ帝国好き、パンデミック好き(もちろんゲームの)、戦略ゲーム好きなら間違いなく買いでしょう。

ローマ帝国、パンデミック、戦略ゲームのうち2つでも好きなら向いてると思いますし、1つでも当てはまれば検討して見て欲しいです。

個人的にはローマ帝国というテーマになじみがないもののゲーム性は本家より好きですが、戦闘がダイス目によるところや初期状態や序盤が本家よりも似通った状況になるのが気になる方は慎重に検討してもらいたいです。

本拠地ローマを目指してくる5種類の敵と同盟を結ぶ、もしくはせん滅することがクリア条件です。例えば3つの敵と同盟し、2つの敵を同時にマップ上からなくすことが必要です。5種類の敵全てを同時にせん滅することは限りなく不可能に近く、同盟を結んだ敵もクリアするまでは進軍を続けるという本家とは違う面もあり、軍事・外交的に攻略の必要があります。(楚漢の争いの項羽のような軍事ゴリ押しの戦い方は通用せず、劉邦のような調略も含めた戦い方が必要です)

ゲーム全体のイメージとしては三国時代の劉備の死後、五路から攻め込まれた蜀の諸葛孔明や信長包囲網にあった信長・家康のような防衛戦のイメージです。個人的には三国志演技の諸葛亮の侵攻を堅実に防ぎ切った大好きな司馬懿仲達率いた魏軍のイメージです。

戦闘力はキャラクターのスキルだけでなく、兵力と運(ダイス)できまります。イベントカードも通常の効果を得るか、国力を削ることでより強力な効果を得ることもでき、選択性が広がってます。

また、軍事・外交のバランスを深く考える必要があります。本家パンデミックはどのワクチンも都市カード5枚で、どの基地でも作れましたが、ローマの落日は部族によって同盟を結ぶのに必要なカード枚数が違う(もともとのカード数も違います)、同盟を結ぶには基本的に敵がいるところでないと結べないなど、この部族とは同盟で、この部族は力で抑え込もうなどの戦略性が必要です。

5種類いる敵の出現地点が限られるため、初期配置は毎回似通っており、最初は余裕かなと思っても、進軍速度が徐々に上がるため、なめていると収拾が付かなくなるため、序盤から先手先手で抑え込んでいく必要があります。パンデミックシステムの都合上、ある程度敵の進軍は読めますし、ローマの落日は進軍ルートも決まっているため、パンデミックよりも相手の行動を読んで行動できるため、作戦を練って進めていく楽しさがあります。

7種類いるキャラクターは、パンデミック以上に個人差があるように思えます。戦闘で無類の強さを発揮する者(項羽とか呂布とか韓信とか、日本だと上杉謙信、源義経)、戦闘力と調略を兼ね備えたもの者(三国志演技の諸葛孔明、羽柴秀吉)、港湾都市を神出鬼没に移動できる者(源義経の屋島の戦い、羽柴秀吉の中国大返し的な行動を彷彿とさせます)、守備力に優れた者(三国志の徐州を守った時の関羽、諸葛孔明を苦しめたカク昭。武田信玄の攻撃を防いだり、勝頼の猛攻にも粘った高天神城)、後方支援が得意な者(楚漢の蕭何、石田三成)、外交が得意な者(ゲーム内では商人ですが、個人的には外交官・論客のような交渉力に優れたイメージ。レキイキ、坂本龍馬、勝海舟あたり)あとは毎ターン引くことになる2枚のカードを3枚の中から選べる者。これにより突如敵が大量発生する「反乱」カード(本家でいうエピデミック)を1ターン遅くすることもできます(イメージしづらい。卑弥呼とか、左慈あたりかな。あとは諜報員のイメージで風魔小太郎とか服部半蔵かな?)

ルール設定でもソロプレイルールが公式であります。このルールを知った後、本家パンデミックで遊びました。また通常ルールではローマに敵が侵入してきてもローマに軍隊を置き、戦闘することもできますが、上級ルールとして史実通り「ローマに軍隊は入れない」ルールもあります。これにより難易度が格段に上がり、作戦を根本的に見直さないといけません。通常ルールでなれてしまったので、この上級ルールは苦手です。

個人的に特に気に入っている点は戦略上要害の地があることだと思います(ややネタバレにもなるので、都市名は伏せます)。中国の三国志好きの方なら街亭、日本の戦国時代好きなら天王山といえばわかりやすいでしょうか。ここを抑えれば戦いを有利に持っていける都市があります。もちろん展開次第(敵の進軍具合)では重要度が低くなる場合もありますが、ハマった時の達成感は格別です。本家でエピデミックが起きた都市や周辺の都市に検疫官がいるようなもので、今作では進軍ルートが読みやすい為、作戦がハマり易いと思います。

残念な点はテーマかな。古代ローマということで、都市名とかなじみがないし、個人的にボードゲームを通じて知識を深めたいと思っているが、今のところ調べる気はない(そのうち時間があったら調べてみるつもりですが) 。イベントカードにローマの故事成語、名言が載っているので興味が向けば勉強にもなりそうです。

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