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  • 2人~4人
  • 45分前後
  • 10歳~
  • 2013年~

マウナケアBluebearさんのレビュー

177名
4名
0
5年弱前

ハワイ島のマウナケア山(すばる望遠鏡で有名)の噴火と、そこから遺跡を回収して脱出するのがテーマ。

火山島があって、脱出用ボートを目指す、というと有名どころでは『サバイブ!(アイランド)』が有名ですが、あちらは崩壊する島からサメやドラゴンをかいくぐって隣の島を目指すゲームだったのに対し、こちらは流れ出る灼熱の溶岩(楯状火山のため、粘度の低い溶岩が広く流れるのです。)を避けて、いかに島の貴重な遺跡物を回収できるかがテーマです。


『サバイブ!』では、サメやドラゴンのアクションも、島のどこが崩壊するかも、すべて相手プレイヤーのアクションで決まるため、エゲツない展開が売りでしたが、今作の溶岩はあくまでも大自然の驚異としての再現性を目指しているのか、基本的に人の意思が介在しません。逆に、島の地形が決まっておらず、タイルの配置によって島の状況が決まってくる中を、点在する遺跡を回収するため、また迫りくる溶岩を避け脱出ボートのある海岸まで逃げ延びるため、探検隊コマを動かしていきます。

プレイヤーが置いた地形タイル上を移動するということは…、もうおわかりですね(笑)。そうです、いかに相手の進行方向に厄介なタイルを押し付けるかが勝負になるのですね。

とは言っても肝心の溶岩流が完全に『運』なので、あまり殺伐とした展開にはならず、運が悪いとどんなに頑張ってもあっという間に溶岩に飲み込まれるので、「しかたない」感の境地になります。そのため『サバイブ!』とはだいぶプレイ感が異なります。


この地形タイルと溶岩のシステムが良くできていて、このゲーム独特の雰囲気を出しています。

初期地形を除いて、空白になっている場所に置く地形タイルを、一定数手札にして持っておき、自分の手番にそれを選んで好きなだけ置きます。

地形タイルはその地形内容を見て好きなところに置いてもいいですが、それだけでは自分の探検隊コマを動かすことはできません。タイルの表面には地形の他に「足跡マーク」がいくつか描いてあって、これを捨てる(袋に戻す)ことで、そのポイントぶんだけ好きな探検隊コマを移動させるのです。

これが結構悩みます。

自分のルートにはできるだけ通りやすいタイルを置きたい、でもそういうタイルほど足跡ポイントが多いので、できれば捨ててたくさん進みたい。相手の進む方向にはできるだけ水辺や山岳のタイルを置きたいけど、そればっかりだと、自分の探検隊が進めない。というわけです。


手番最後にそれを補充するため袋からランダムに引くのですが、ここがミソ!


このとき「溶岩タイル」が出ると、そのマークがつながるように溶岩流を伸ばしていきます。これが出ないときは全く出ず(噴火の休止期ですね)、出る時は続けて出まくる(活動期)ですね。これが全くままならないのが逆に面白いところなんですね。(こういうボードゲームって、キモとなるテーマを、どうシステムに落とし込むかでセンスが問われるじゃないですか。ここを失敗すると、らしくないと言うか、しっくり来ないと言うか、そんなゲームになっちゃいますよね。)

ふつうのジャングル地形を引いた場合は、これは手札として保持できますが、その数が「5個以上」になるまでタイルを引かなければなりません。「溶岩タイル」には当然「足跡マーク」はありませんので、これが出るとタイルをさらに引き続けなければならない事になります。このルールによって、溶岩の流れ方に予測がつかず、戦々恐々としながら逃げ惑うことになるのです。(これに対抗することは一切できません。)

また、これまた予想できることですが、だんだん溶岩タイルを引く確率は少しづつ上がっていくので、ここもうまくできているなぁ~という印象です。

最後に、海岸へたどり着きボートで脱出した探検隊と、持ち出した遺跡によって勝利ポイントを数えて勝者が決まる、というわけです。


このゲーム、運悪くまとめて一気に溶岩に飲み込まれると、あっという間に探検隊が死亡します。早い時はゲーム開始後10分くらいで一人が一気に全滅し、爆笑とともにゲーム終了となりました。(誰か一人でも探検隊が全滅するか、全員脱出すると、あと1回転だけやって終了してしまうのです。)

この「ままならない溶岩」のおかげで、ダメなときはあきらめて笑うしかないゲームなので、このへんで好みが分かれるゲームだと思います。(少なくともガチで勝負するゲームではないです。)

まともにやれば、1ゲーム30分かからないくらいなので、先日は初心者チームで連続で5ゲームやってしまいました。ルールも比較的簡単だし、初心者を混ぜて気軽にやるのにおススメです。


補足:イベントカードを導入する上級ルールでやっても、特に複雑化する事もなく、逆にこれがないとちょっと変化に乏しいので、できれば最初から導入することをお勧めします。

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