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  • 1人~4人
  • 75分~150分
  • 12歳~
  • 2021年~
376名
9名
0
約1年前

厳しい荒野に立ち向かえ

舞台は19世紀テキサス。プレイヤーは牧場主となり、牛をカンザスシティまで運び汽車で出荷する。
メインのメカニクスはロンデル。プレイヤーはコマをカンザスシティへ進め、道中踏んだタイルによって様々な恩恵を得る。
だが良いことばかりではない。
災害により荒れた道や、立ちはだかるアウトロー。そして他プレイヤーのタイルを通過したいなら通行料が必要だ。
厳しい荒野の中で一番の牧場主になるのは誰なのか!?......というゲーム。


ゲームの概要

手番でやることはコマを進めるだけ。
道中のタイルに止まると書かれている効果が得られる。カンザスシティにたどり着いたら、労働者を労働市場に置いたり、牛を出荷したりする。
労働市場の列が埋まるごとに、労働市場トークンが下へずれていく。労働市場トークンがボード外に出るのがゲーム終了のトリガー。手番をならして、一番得点の高いプレイヤーが勝利だ。

カンザスシティを目指してコマを進める
止まったタイルの効果を得る
カンザスシティに辿り着くと労働市場に人が増える
労働市場の列が埋まるたびトークンが動き、盤外に出たらゲーム終了


ゲームの感想

総合評価...91/100点

まず、幅広い戦略が高いリプレイ性を担保しており、ゲームとしてのレベルが高い。やり込むほど面白さを感じるゲームだ。
同じメンバーで何度もじっくり遊んでもらいたい。


プレイ感...54/60点

幅広い戦略

特筆するのは戦略の豊富さ。
初版はカウボーイ戦略1強だったが、2版は違う。技師戦略など重い部類の戦略も、現実的な選択になっているところが面白い。
それを可能にしているのは主に手札交換トークンだろう。

手札交換トークン。好きなタイミングで支払うことで手札を2枚捨てて、新しく2枚補充する。

これにより今まで必須だったカウボーイをたくさん雇わずとも、カンザスシティでの牛の出荷で苦しまずに済む。

高いリプレイ性

これは先述した幅広い戦略に通じるのだが、毎回同じ戦略が取れないという点が高いリプレイ性を生み出している。
初期セットアップによる労働市場の様子、共有タイルの配置、自分の出番順など様々な要素によって採用する戦略が変わってくる。
また、私有建物タイルはA面とB面があり組み合わせは100を超える。それ以外にも駅長タイルや目的カードなどが豊富で、同じ戦略でも細かいプランニングが違ってくる。

私有建物タイル。12枚A,B面
駅長タイルと目的カード

ゲームを繰り返すごとにより上手く、より楽しくなる真のリプレイ性を持っている。

シンメンタールというスパイス

2版に選択ルールとして追加されたシンメンタール種の牛カード。
カンザスシティにたどり着いたときに手札にあれば仔牛から若雄牛、大人の雄牛と成長していく。これにより得点が上がったり収入が増えたりする。

シンメンタール牛カード

単純だがこれは素晴らしいゲームチェンジャーとして機能している。手札を圧縮する戦術と相性がよく、ゲーム終盤の追い込みで得点を稼げる。
必須ではないが、通常ルールに飽きたら遊ぶことをおすすめする。


テーマ・アートワーク...19/20点

美麗なアートワーク

初版を初めて見たときは、恥ずかしながらガンマンのゲームだと勘違いしていた。灰色でむさ苦しい髭が並ぶ初版とは打って変わって、カラフルでカンザスを目指すカウボーイの姿がクール。

素晴らしいテーマ、合致するアクション

テーマが大好き。カウボーイ映画や西部劇などが元から好きなのもあるけど。
『荒野の用心棒』とか『11人のカウボーイ』とか......。マカロニウエスタンでもアウトロー系でもなんでも格好良いよね。
荒れ狂う牛をロープで引っ張り、立ちはだかるアウトローを薙ぎ倒し、荒野に道を切り開く。その全てがボードに詰め込まれ、とても楽しい。ありがとう、フィスター。

気になる点

コンポーネントは全体的にしっかりしてるし、個人ボードはダブルレイヤーでコマが動かないから快適。
プレイヤーコマにはカウボーイハットを被せるのだが、これが被せにくい。だがこれはテンションが上がるので許せる。
ちょっと不満なのが3人プレイ用の補助タイル。せっかくのダブルレイヤーなのに個人ボードの上に補助タイルを乗せて、その上にコマを乗せなければならない。私のグループでは補助タイルを個人ボードの外に置いてプレイしている。

タイルは乗せずに使っている


遊びやすさ...18/20点

分かりやすいルールブック

とても丁寧に作り込まれたルールブック。初めての人でも時間はかかるかも知れないが理解しやすい構成になっていると思う。
ルール説明の後には例が書かれており、実際のプレイを想像しながら読める。

習熟度とプレイ時間

75〜150分と書かれている。最初は150分かかるだろうが、2回目には90分前後で終わるだろう。
また、習熟するにつれカンザスシティを踏むまでのサイクルが短くなるため(短い方が有利なことが多いから)75分という表記も現実的。

インサートはちょっと......

元からインサートがあるのだが、カードをスリーブに入れると入らなくなる。好みになるかも知れないが、私はいらないと感じた。


まとめ

人気ゲームの新版。元からの面白さはそのまま、選択肢は豊富になった。固定グループでじっくり何度も遊んで欲しい。

また昨日、拡張(日本語版)の発売が発表された。
その嬉しさのあまりこのレビューを書いているので、拡張を遊んだらまたレビューを投稿したいと思う。

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