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  • 1人~4人
  • 90分前後
  • 14歳~
  • 2022年~

ラクリモーサウニカさんのレビュー

463名
7名
0
1年以上前

シンプルな選択。深い戦略。

モーツァルトの生涯と、未完の楽曲を完成させることをテーマとしたボードゲーム。
モーツァルトは『レクイエム ニ短調 ラクリモーサ』の8小節目を書いたところで、志半ばでこの世を去った。
プレイヤーはモーツァルトと深い親交を持っていたパトロンになり、音楽家たちに経済支援を行うことで楽曲の完成を目指す。

コアのメカニクスはデッキ構築とドラフト(リミテッド)、カードドリブン。そこにセットコレクションとエリアマジョリティを少々といった感じだ。
デッキ構築と言ってもデッキの総枚数が常に9枚なので、かなりダイナミックにデッキが改善されるのが、とても新鮮に感じる。
リソース管理が独特で、常に次のラウンドに使うリソースを考えながらカードをプレイしなければならない。


ゲームの概要

5ラウンドでゲームが終了。得点を決算して、得点トラックを一番進めた人が勝利という流れのゲーム。

ラウンドはメインフェイズと維持フェイズに分かれていて、プレイヤーがアクションを行うのはメインフェイズ。時計回りで各プレイヤー4ターン与えられる。
維持フェイズは次のラウンドの準備フェイズで、リソースやカードの調整をする。

プレイヤーは手札が4枚になるようにデッキ(各プレイヤー個別のデッキ。総数は9枚固定)からドローする。
手札から2枚を個人ボードの上下に差し込み、上のカードのアイコンに示されたアクションを処理してターン終了。
下に差し込んだカードは、次のラウンドに利用できるリソースを表している。

4枚の手札から2枚選択
上下にカードを差し込む
上のアイコンがアクションを表している
下のアイコンは次のラウンドで利用できるリソースを表している


アクションは以下5種類だけでとてもシンプル。

左から順に
・思い出カード(個人ボードに差し込むカード)の獲得
・作品カード(勝利点やリソース源になるカード)の獲得
・作品カードのプレイor売却
・メインボードの共通コマを動かしてタイル獲得
・自分のコマをメインボードに置いてタイル獲得

これらのアクションを繰り返すことで勝利を目指していく。

維持フェイズではリソーストラックがリセットされる。
しかしコインやリソースコマがリセットされないのがミソだ。
このゲームではリソースとして「コイン」と「物語点」があるが、「物語点」はトラックとコマで用意されている。
トラックは毎ラウンドリセットされ、コマは持ち越しとなる。

上が物語点トラック、下が物語点コマ


他にもラウンドごとに場札が強力なものに切り替わる、取得されなかったタイルが改良されるなど、ラウンドが進むごとにゲームが白熱してくるのが魅力だ。


ゲームの感想


総合評価...70点

3人プレイしかしてないが、4人ベストのゲームだと感じた。
というのも、エリアマジョリティやタイルの奪い合いの要素が過激になり、よりインタラクティブなゲームになると思ったからだ。

以下は3人プレイの感想になるが、4人でプレイする機会があれば追記するつもりである。


プレイ感...40/60点

サクサク進むプレイ感

手札4枚から2枚を選ぶだけなので、カードやコマの量の割にサクサクと進むのが意外だった。ダウンタイムが少なくプレイにストレスがない。それでいて、よく考えながらカードをプレイしないと次のラウンドに困るので、中々奥深いゲームだなと感じた。

例えば、個人ボード下部へ考えなしにカードを差し込むと、次のラウンドでリソースが枯渇する。
メインボードから取得した思い出カード(個人ボードに差し込むカード)は次のラウンドで使えるようになるなど、常に次のラウンドを考えさせられる仕組みになっている。


インタラクションについて

直接的なものはなく、プレイヤー間の相互作用は全てメインボードを介して行われていた。

例えばメインボード下部のエリアマジョリティ。
対応するマスにコマを置くとタイルが取れる。獲得したいタイルの種類によって、コマを表か裏に置くかを選択するという仕組み。

四分音符を表にして置くと青いタイルを獲得
八分音符を表にして置くと黒いタイルを獲得
決算時に四分音符か八分音符のどちらが多数かを競い得点を決める

得点決算時にコマ1つにつき得点を得ることができるのだが、表裏のどちらか多数派である方が得点が高いのだ。
これが上手くできていて、良いタイルが欲しいけどエリアマジョリティで負けるかも…といったジレンマを生み出している。


残念だったポイント1

追加アクションでリソース交換が無制限にできる点に関しては、少しぬるいと感じてしまった。


プレイヤーは任意のタイミングで、3コイン→任意の1物語点コマ、または任意の1物語点コマ→1コインに変換できるのだが、このルールでリソースがなんとかなってしまう事が多々あった。
序盤のリソースはカツカツで、どのアクションにもリソースが必要。枯渇した場合(特にコインが)何もできなくなってしまうので、救済システムが必要なことはもちろん理解できる。

だがこれは、次のラウンドで使用するリソースを決定するというゲームの良い点を潰してしまってる気がしなくもない。
特にメインボード上部のドラフトや、中部の共通コマの移動でのコストの変動に対して、特に困る場面がなかった。

リソースが枯渇した場合の大替アクションを豊富に用意するなど、対策は色々あったのでは?と思う。


残念だったポイント2

タイルの強弱がはっきりしすぎていると感じた。

例えば宮廷タイル。セットコレクション要素があり、ゲーム終了後の決算で得点化できる。
だが、楽曲カードを指定している宮廷タイルはコスパが悪すぎて誰も獲得しない。カードを揃えてタイルの目標を達成するよりも、売却して勝利点に変えた方が、得点が高いのだ。

宮廷タイルと楽曲カード


また、作曲家タイルは追加アクションをもたらすものがあるのだが、これがないと話にならないくらい強い。

追加アクションのある作曲家タイル

全体的にタイル周りはバランスの悪い印象だ。


テーマ・アートワーク...16/20

満点のアートワーク

いや、美しすぎない?
このゲームはモーツァルトが亡くなった後の話なのですが、ルールブックの表紙が、生気のない手と書きかけのレクイエムなのがなんか......いいね(語彙力)。

個人ボードはダブルレイヤーでトラックマーカーがズレないし、カードもすんなり差し込める。コンポーネントは全体的に品質が良く文句なし。


テーマとメカニクスの結びつき

メカニクスがテーマに沿ってるかと聞かれると微妙。
プレイヤーはモーツァルトとの思い出を文章化したり、公演の思い出を思い出したりする一方、未完の楽曲を完成させるという、過去と現在がごっちゃになってるテーマなので、アクションやリソースの支払いと結びついてないなと感じる。

まぁ、テーマ自体は面白いのでヨシッ!!


遊びやすさ...14/20点

時間ぴったり

2回目のプレイが90分で終わった。
箱に記載されている通りの時間で終わるのは好印象。

3人プレイだったこともあるかもしれないが、サクサク進むので4人でもそう変わらないのではないかと思う。


言語依存ゼロ

プレイヤーの一人がインドネシア人だったが何も問題なかった。
全てのボードやカード、タイルの効果はアイコンで表されていて、直感的。

アクションを示すアイコンが独特だが、5種類しかないので覚えるのが楽だった。


セットアップに難あり

セットアップがとにかく面倒。

例えば場札のデッキは、ラウンドごとに使うカードが分けられていて、ボーナスタイルを仕切りとしてまとめる。
ルールブックの表記も悪くて初見だと戸惑うと思う。

また作曲家タイルの山もコスト順に積む必要があり、それがまた小さいアイコンで書かれているため視認性が悪いなと思った。

個人ボードはカードを差し込む性質上、上下にスペースを確保しておくとプレイしやすいので、広いテーブルが必要だろう。


まとめ

箱絵のインパクトだけではない素晴らしいゲーム。多少の欠点はあるが、全体的によくまとまっていると感じた。

重量級の経験がないプレイヤーにもおすすめできる、軽快なプレイ感。その裏には先を見越した戦略的思考が必須だ。

楽しさの全てを伝えきれていないが、ぜひプレイして体験してみて欲しい。

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