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  • 2人~4人
  • 60分~120分
  • 14歳~
  • 2013年~
221名
2名
0
1年以上前

あの『カタン』の原型であるEON社製『ボーダーランド』(1982)が、ファンタジー大陸からスチームパンクにイメージを変えてリメイクされたものが、この『ギアワールド・ボーダーランド』(2013)です。

リメイク再販バンザーイ♪
(やっと入手できました!感動!)

作者のEberle、Kittredge、Olotkaの3人は、今までも『デューン(旧版)』や『コズミックエンカウンター』『クアークス』などの、個性的なゲームをデザインしており、リメイク、再販を繰り返しています。

ペラペラの紙製のボードが、しっかりした厚紙のフルカラーとなり、駒もプラスチック製の立体となり、見た目の豪華さが格段にアップしました。

このゲーム(元の『ボーダーランド』も含め)の特色を、最も簡単に言い表すなら、

『カタン』+『ディプロマシー』

です。

これで面白さが分かる人には分かってもらえるでしょう。

◾️テーマ性はだいぶ異なるが中味は同じ

オリジナル版は、フラゼッタのボックスアートでイメージされるファンタジー大陸での部族抗争でした。

今作はイメージを一新。
少し陰鬱なイメージのスチームパンクワールドになりました。

例えば、算出される資源は『鉄』『石炭』『金』『馬』までは変更ありませんが、なぜか『木材』が『スクラップヤード(屑鉄、廃品)』になっています。(ううむ…個人的には『木材』の方が良かったなあ…)

↑これが資源トークン。
馬だけは、資源であると同時に《戦力1》として計算できる利点があります。(しかし、もうちょっと馬っぽく描いてくれてもいいんじゃないか、と思いますよね、笑)

これらの資源を集めて加工して『武器』や『船』や『都市(今回はスカイワークという塔です)』を建設していきます。(ほぼ『カタン』を想像してもらえばイメージしやすいです。)

↑武器とか船とかのトークンです。
ここに描かれている数字が《戦力》に当たります。

↑これが建設コストです。
↑右側は移動力です。この数のエリアだけ移動する事で資源を輸送する事ができます。

例えば肝心な《スカイワーク》を建設するには、《鉄》《スクラップヤード》《石炭》《金》を集めるか、または《金》を4つ集めれば良いということがわかりますね。

◾️拡張セット入り

オリジナル版にも2つの拡張セットがあり、飛行船などの追加ルールの他、5人対応、6人対応駒や、追加の島マップなどがリリースされておりました。

今作は島はボードに最初から加わっています。(好みによっては使わないオプションも可能です。)
5人6人対応は残念ながら盛り込まれておりませんでした。(非常に残念!)

他にも少しずつ微妙なルール変更もありますが、概ねもとのままですね。

◾️完全情報公開

『カタン』では、各自の得た資源はカードの形で手札に持ち、『発展カード』も何を隠し持っているかが分かりません。

しかしこのゲームでは、資源は全てトークンの形で各エリアに置かれるので、誰がどこに何の資源を保有しているのかは一目瞭然です。(この『どこに』というのが超重要!)

だから「ああ、あそこにあれを建設されそうだな」というのが事前にある程度予想できたりもします。
自分の駒も全てボード上に置いてあるので、どのような状況にあるのかは、見れば全て分かります。

まさに完全情報公開です。
ガチンコ勝負です。
(テーマ性ははっきりしているので『Abstract』と呼ぶ事には反対です。)

◾️ 本気の叩き合いと交渉が熱い

土地エリアのセットアップの時点で気付きますが、このゲーム、そもそも空白地帯がありません。(交互に全エリアを埋めてからスタートします。)

たいていのエリア争奪戦ゲームは《緩衝地帯》《空白エリア》を作り、序盤は攻めても恨まれない場所が存在します。

しかしこの《ボーダーランド》にはありません。

どこにどう進出しようとしても、必ず誰かとぶつかるので、他国への侵攻が必須なのです。(つまり作者は他国土地が飽和した後の叩き合いから始めろ、と言っているという事ですね。)

重要な資源算出エリアだけでなく、輸送ルートの確保も考えなければならないのです。

戦闘はサイコロやカード運などが存在せず、侵攻エリアに隣接して使用できる国力の合計と、相手の国力を比べて《大きい方が必ず勝ち》という、ガチの判定です。なので基本的には勝てるかどうか、事前に分かります。(同数なら攻撃側の勝ち)

そこで重要になってくるのは《他国の支援》で、同様に隣接する他国が《攻撃側を支援する》か《防御側を支援する》か、《どちらにも干渉しない》かの選択を迫る事になります。

ここで足元を見たえげつない交渉が始まるのです。(まさに『ディプロマシー』ですね)

たまに油断していて、相手から支援を受けた連携攻撃を喰らい、自分の大事な土地を失うと、想定してなかったぶんすごい衝撃です。ガチの勝負だからその分負けるのが奥歯噛み締めるくらい悔しかったりしますが、そこがまた楽しい。


「う〜ん、ここを攻めたいけどこのままだと戦力はタメか…。ねえねえ、◯◯ちゃん、ここ《支援》しない?」
「えへへ、どうしようかなぁ〜❤︎」
「うえっ!やっぱりそこ来た?ううう…そこの《鉄》渡すから勘弁してくれない?」
「おお、それならそれも悪くないな」
「《支援》したら何くれるの?」
「ぐ…足元見やがって。この《金》1個を譲渡しようじゃないか」
「ううん、3つ全部なら考える♪」
「悪どい…(笑)」
「それでも長期的には悪くないわよ。ここのエリアがずっーっとつながるじゃない」
「…確かに。よし分かった。それで手を打とう!」
「やったー♪じゃあ《支援》しまーす!」
「ぐぐっ!くそお、テメーは敵性国家確定だな!こっちの半島で反撃してやるからな!」
「それなら私が支援してもいいかな〜♪」
「おお!ついに△△ちゃんが動くか!」
「支援したら、このエリアまで私がもらっていい?」
「うーん、仕方ないか…」
「なんと悪辣な外交だ(笑)でも、口約束だからねえ〜♪信じていいのかなあ(笑)」

…といった展開です。

↑ちょっと色が混ざりすぎて、逆に識別がしにくいのがちょっと難点かも…。

◾️勝利条件は《都市》の確保

勝利条件は、あくまで《都市(スカイワーク)》を3つ確保することなので、《領土拡大》が必ずしも必須条件ではなく、理論的には交渉等で必要な建設資源が全て確保出来るのならば、戦争をする必要はありません。

しかし、全てを自国で賄うのは不可能ですし、他国もそれは同じです。そのためどうやっても他国との衝突は避けられない事になるのです。(勝利条件の都市も、必ずしも自分が建設したものでなくても良い、というのがミソです。奪ってしまえば良いのです。)

そのため時には別の条件を引き出すために、領土を明け渡す必要も出てきます。

決して全面戦争をするゲームではなく、その時その時の条件次第で、どこまで争うのか、講和の条件をどうするのか考えなければなりません。

これらを大陸全土で入り乱れてやるわけですから、ものすごく頭を使わないと勝てないゲームとなっているのです。
まさに国際政治のPower politics balanceのゲームなのです。

◾️個人的にはトップクラスの傑作

資源の算出も、場合によっては交渉による多数決。

資源のトレードも交渉次第。

戦闘も勝てるかどうかはかなり交渉による。

これが全て各国の思惑で進むゲームなので、立ち回りと戦略と交渉力がものを言う作品です。
そのため苦手な人は苦手でしょうね。

ルールは簡単ですが、勝つのはなかなか難しいゲームです。(実は私は善戦するも最終的に負けてばっかり…。でもそこがいい♪)

そもそも複数の生身の人間相手にゲームをするのですから、これこそがまさに醍醐味だと思っています。
それがわかっている仲の良いメンツとやると、抜群に面白い!本当に面白い!まさにボードゲーム と言えます。(疲れますけどね、笑)

自分の国力から考えて、まず必要な資源は何か?

それを確保する手段は?

確保できたらどう輸送する?

その資源を集めて建設をする場所はどこにする?

そのためにどこと同盟する?

そのための条件はどこまで飲む?

どこを敵に回す?

開戦に踏み切るタイミングは?

その口実は?

敵対するとしてもどこで折り合いをつける?


このようにボードゲーム はまさに《人間相手の勝負》だという事を痛感します。(こういうゲームが最近は本当に減ったのが寂しい…)


基本的に古いゲームですし、世界最大のアナログゲームサイトBord Game Geekランキングも20,000台(リメイクは総じて低いので気にしない。)
元の『ボーダーランド』でも6,000台なので、一般的な人気作品とは言えないです。

しかしやはりゲームの価値は個人によって、またプレイする仲間によって大きく異なります。

少なくとも我々にとっては歴代トップクラスの人気ゲームの一つである事は断言しておきます。
(元の『ボーダーランド』がボロボロになって買い直し、さらにまたリメイクの今作まで買い直した事から、お気に入り度が分かって頂けるかと。)


今や新作含めて多数の作品がちまたに溢れている現在だからこそ、単なる《人気》《流行》《売れ行き》ではなく、本当に自分にとって面白いのかどうかをちゃんと自分で見定めて選んで欲しい。

誰かが《推した》《高評価した》という理由だけでしかプレイせず、自分の判断で冒険しようとしない。だから売れる作品とそうでない作品の二極化が極端になるんだなあ…。

と妙にため息が出る老害の独り言でした。

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