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  • 2人~4人
  • 60分~120分
  • 12歳~
  • 2019年~

クーパー・アイランドじむやさんのレビュー

314名
5名
0
約1年前

1手激重リソースマネジメント&ワーカープレイスメント。今までやったゲームの中で体感一番重かったゲーム。私的にはテラミ初見より重かった。
テーマとしては愛犬クーパーが発見した未開の島の探索。開拓者となって2隻の船で島の外周を調べたり、労働者の力を借りて島の内部を調査・発展させていきます。
日本語版にはデフォでソロ拡張が同梱されてますので、ソロプレイのみですがご紹介です。概要なんかはすごくざっくり紹介なので、気になった方はルールブック他を参照ください。


概 要

ジャンル:リソースマネジメント&ワーカープレスメント。
ワーカー数:初期ワーカーは2。増やせるけど食料も増える。特別マーカーはおまけアクションもある。
ラウンド:5ラウンド。
勝利条件:最も得点を取る
ソロ:別途ソロ用デッキを使用。なぜか愛犬クーパーとの対戦。ランク認定はなく、得点を上回ることで勝利。

【オートマデッキ。アクション用・難易度調整・クーパーの戦略全てカードに。スタPマーカーもクーパー】


セットアップ(ソロ)

ソロ用に24枚のカードがついています。
・個人ボードの設定は多人数と同じ。地図製作者マーカーは3。
・半島ボードのセットが図解されているのでそのとおりに。
・王の勅命カードを1~7のみ準備
・クーパー用で使うのはカッター船(小さい方)、一般ワーカー4個と特別ワーカー2個。目標トークン4枚。
・中立用一般ワーカー4個と特別ワーカー2個も準備。
・クーパー用戦略カード4枚から1枚を選び、それに描かれたデッキを作る。
・難易度1~4を選び、それに描かれた資源をクーパーに追加。

大まかにはこんな感じです。

【上からクーパーの場とプレイヤーの場】


ラウンドの流れ(ソロ)

ものすごいざっくりです。詳細は取説等参照。

①収入フェイズ
小島タイル1枚配置してかかれたボーナス獲得
(持ってれば)連結タイル1枚を自分の半島ボードに配置。リソースを発生させる。このフェイズ中1回だけ地図製作者アクションを行っていい。

②ワーカーフェイズ

クーパーが先。かつプレイヤー+1手番(クーパーの手番で終わる)
ワーカーを中央島ボード上のワーカーマスに置いて各種アクション。
被ったら任意のリソース1つ払うと使用可能。地図製作者アクションは自分の手番に1回ずつ挟んでもいい。

③クリーンナップフェイズ
ワーカーの維持コスト支払い(食料)や各種ボーナス(彫像1つにつき1操舵ポイントとか)の獲得等を行う。
※8つのアクションのうち4つについて、プレイヤーが使ってたら中立駒を置いて次のラウンド使用時コストがかかる。
地図製作アクションはこのフェイズ中1回のみ挟んでもいい。


これを5ラウンドやって得点計算。クーパーの得点を超えれば勝ち。クーパーは難易度に応じた初期得点+航海日誌+操舵ポイント端数(1~4歩=1~4点)。こっちは航海日誌+端数+建物点+残り資源変換分の合計です。


リソースの確保について

何をするにもリソースは必要。リソースは半島ボードに配置したタイルから生まれます。タイル種類によって違うものが生産されます。木材・石材・食料・金・布の5種で、金のみちょっと特殊。

タイル1枚の上に乗っているリソースの価値は1ですが、2枚重ねると2、3枚重ねると3になります。

山から石材が取れますが、山が3枚重なると、石と金どっちにするか選択可能。
森林は木材。建物・彫像・船全部に必要。
ワーカーの維持コストに必要な食料は「平原」タイルから生成。大事。
居住地は布。お金に換わる。場も彫像置き場として高いとこに作りたい。これだけはどの種類の地形の上にも重ねることができます。他のは同じ地形じゃないと×。


ワーカーアクション

全部で8種類(A~H)。一般ワーカー(〇)と特別ワーカーの枠(□)が1つずつ。特別ワーカーだとかかれたアクションも追加。なお、クリーンナップフェイズ時に、自分がA・C・E・Gを使っていた場合、第3者マーカーを置いてから自分のコマを回収。

A:タイルを引くか配置・資源算出+地図製作者マーカー1
B:コストを払ってボートを1つ獲得
C:タイルを1枚引いて配置
D:コストを払って建築物の建設(小建築物・大建築物・砦の3種)
E:地図製作者マーカー+3と、1金か任意の資源1つ獲得
F:廃墟トークンの除去またはコストを払って彫像トークンの建設
G:タイルを引く・1枚配置のアクションを計2回行う
H:コストを払いラウンドカード上にある木箱を獲得する


地図製作者(フリーアクション)

地図マーカー(MAX6)を1~4使う。新規に1枚分のタイルを置くものや、タイル配置時の高さ調整や1枚分のタイルでダイレクトに高さをあげて資源算出したりする。これがものすごい悩ましいポイント。


船で外周を回る=航海日誌の獲得

建物建てたりボート獲得したり色々ありますが、「操舵ポイント」が貰えるものがあり、1ポイントごとに船を1つ(白州2マス)進めることができます。
小島タイルがあったら飛び越えてかかれたアクション実施。
錨トークン(資源が払えなかったとき等のペナルティで船が進めなくなる)解除も1枚=1ポイント。
5歩で着く入り江・入り江から5歩で1周して港に戻ると航海日誌(終了時得点&即時ボーナス)が貰えます。貴重な得点源かつ小島タイル飛び越えで追加アクションなんで、方針に沿った小島タイル配置を。


資源管理

場で生成したリソースは高さに応じた価値ですが、建物や彫像建てるのに退けたいというときがあり、自分のボードの倉庫に移せます。ただ、価値はすべて1になってしまいます。
ついでに倉庫は有限。小建物(2つ)建てたら拡張・小舟や建物カードに倉庫マスがあったりも。
【島内にあれば高さに応じての数量となりますが、ここに入ると全部「1」】


行動指針(ワーカー増員)と勅命カード

初期ワーカー2なんで増やさないと5ラウンド10手番で終わってしまいます。ワーカーを増やすには次の4つのどれかを達成するごとに1つ増やせます。基本的にはこれを達成しつつ操舵ポイント稼いで船進めて航海日誌獲得が大きな得点源。目標となるのは次の4つ。

【達成すると下のタイルを右にスライドして、ワーカー獲得か操舵ポイントに】


①船を2つ獲得
お金がかかるけど船タイルにかかれたボーナス獲得&操舵ポイント。収入フェイズ時ボーナスもある。

②建物を2つ建築
払う資源多めだけど建物駒が退くことで倉庫が広くなったりボーナスがあったり。2種の建物カードは倉庫拡張だったり条件付き得点だったり。操舵ポイントも大きい。建てられるのは「もっとも価値が高い空きエリア」。そこが居住地だったら操舵ポイント+1。
【どこかで見た形の建物コマたち…】

③彫像を2つ建築
除去してボードに確保→資源払って配置という2アクション必要(小島タイルのアクション+ボードアクションで1ラウンド中に建築は可能)
クリーンナップフェイズで建てた彫像1つにつき1操舵ポイントなんで大きい。特殊ワーカーだと2連続いけるので、除去&建築が1ラウンドでいけるのも強い。建てられる条件は建物と一緒。(居住地だと+1も)


④木箱を2つ獲得
ラウンドカードの木箱をコスト払って獲得。ラウンドマーカー代わりの船長駒が立ってる状態ならコスト1減(クーパーのアクションで寝かしてくる)。箱は使うと色んなボーナスに。1回使いきり。クリーンナップフェイズでお金を払うと未使用に戻せる。


これらを達成するとワーカーを獲得できる。一般ワーカーなら手コマが増えるだけだけど、特別ワーカーを獲得するなら使ってる一般マーカーの1つを「勅命カード」に配置する。こうすることで、達成したら勝利点がもらえる。4条件に重なるように派遣したいし、派遣した条件は3段階あるんで最高値を目指したい。
【最高値とると8点が確保できる】


ソロゲーム

4つある戦略カードと4つの難易度で調整。基本的には「勅命カードの振り分け」と「プレイヤーが実施したら操舵ポイントがもらえるアクションの決定」。デッキの順番も戦略カードで並び順を指定される。
アクションの選択はカードをめくって出たとこ&振り分けられたクーパーの勅命カード番号に合致してたら操舵ポイントも加算されたり錨抹消だったり。

自分が置いたアクションマスにクーパーが置くと、資源を1つゲット(あれば)+クーパーが錨トークン獲得。まあ下手したらその手番で消してくるけど。

捨て札のデッキへの戻し方も、3つの条件が描かれているが、こちらがワーカー増員条件を達成するたびに消されることになって、使ったカードがそのままデッキの上に重なってくる。

収入フェイズはないし資源を獲得することもなく、ひたすら操舵ポイントで船を進め倒してきます。これと最初に設定した難易度の持ち点(最弱の難易度1で20点)に航海日誌の得点+端数分(1~4歩分)が加算された総得点との勝負になります。


感  想

良かったところ

○美しいボードによる没入感

島の外周から内地へ開拓してゲームを通して全容が明らかになっていくのが良い。
平坦なボードが終了時には起伏に富んだ地形で彫像やら建物やら色々できてるのでちょい箱庭感もある。
【彫像建てまくりの図。これで勅命カードにワーカー送り込んでたら8点獲得】


○1手の重さと少しのランダム性

ワーカーアクション自体は最大4(だいたい1つは勅命に送るんで3かな)なのでそこまでないんですが、合間に地図製作者アクションが加わることで悩ましさ爆上げに。
先に取られたアクションもお支払+クーパーに操舵ポイントいくだけなんで使えるんですが、相手の得点は操舵ポイントによるものなんでできる限り進ませたくない。

クーパーの動きはカードの並び+使用済みを戻すときにちょっとだけいじれる。最初の設定も選択した戦略で決まるんで、先に押さえて狙って錨食らわすこともできたり。
ランダム性は航海日誌と建物カードの捲り。思わぬところでボーナス入るのでちょっと担保にできる。


〇リプレイ性

テラミでいう個別能力はないけど小島タイルの配置の順番とか方針とか、少なくとも4つのワーカー獲得条件それぞれ軸にした戦略で満足いくまでプレイするといいし、難易度MAXに各戦略で勝てるまでは遊べる。


気になったところ

○難解ルール

良いところで書いた一手の重さの裏返し。基本ワーカー使ってアクションして間にアクションするだけなんですけど、最初すごい難しく感じました。
加えてソロルールも独立デッキ使用。覚えることは多いです。ルルブ読みこむのもですが、プレイ動画とか見た方が流れはつかめると思う。あとは簡単でいいのでサマリー作るとか。アクションがアルファベット順じゃないのも原因と思う。
※ソロは拡張扱いなんで未掲載。カード参照。字がちいさい。まあソロルールは分かりやすいんでいいけど。
通常ルールで回して少なくとも地図アクションの能力やタイミングなんかは把握したうえでやった方がいいと思います。

〇経験値の差は大きい

他の重量級ゲームにも言えることですが、特にこのゲームみたいなのは手なりで何とかなるルールじゃないんで、1回でもプレイしたことある人じゃないと対戦はやめておいた方がいいと思います。少なくとも1ラウンドお試し回し推奨。

○個人ボードがペラい

この手のゲームだとダブルレイヤーまでいわないけどせめてボードであってほしい。シートなんだよなあ。


そのくらいです。

ということで、すごく人を選ぶゲームだと思います。1手も重ければ1点も重い。初プレイでは20点いかなかった。
分かればワーカー増やすための2ルートを決めてそれに向かって上手くやりくりする感じになるかと。体感彫像ルートが強いですね。もう1つで船か建物を勅命に寄せていく感じ。
資源捏ねるというかタイル配置&高さで上手く必要経費絞り出して、いくつかのルートに向けてああでもないこうでもないと試行錯誤。スルメゲーの類。
独特なリソース生成&管理でがっつり長考するんでソロで重ゲー好きな方におすすめ。何故か値崩れも激しいので、機会があればプレイしてみてください。

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