暗黒の金曜日白州さんのレビュー

4/10

最近リメイクされたので、レビューしてみる。

プレイヤーのプレイスタイルによって、場の流れが非常に大きく変わり、その流れが面白さに直結するゲーム。それゆえ、評価が「面白い・面白くない」で二極化する株ゲー。結構珍しいタイプだと思う。

株ゲーは自分の中でも、それなりの数やってきて、面白さに差はありつつも、基本は好きな株買って、それが上がったり下がったりして、ワーキャーしたり、いつ売るか考えたりするのを考えるものが大半なので、好きな部類なのだが、株ゲーで唯一、「何だこれ？よくわからん？」という記憶が残っているゲーム。

このゲーム、株ゲーによくある「金を稼ぐ」ことが目的ではなく、「銀を集める」ことが目的なのが特徴なのだが、このゲームが初のプレイヤーに容赦がない。

ネタバレになってしまうので、詳細は省くが、特定の行動を大半のプレイヤーがとってしまうと、株ゲーなのに、株が高すぎて全然買えず、借金もできるくせに借金しても株が高すぎて買えず、そのまま、たんたんとゲームの終了トリガーを引くだけの作業ゲーになってしまうパターンが存在する。

まぁ、ボードゲームなんて、そういうことが起きるゲームもなくはないのだが、問題なのは、この作業ゲーになるパターンが普通に起こりうる（なんなら、日本人なら、むしろこっちの方が多いんじゃね？と思うくらい）可能性が高いということ。フリーゼとはいえ、正直、これはキツイ（フリーゼは全く悪くないし、むしろそれが彼の魅力と理解していても、当時は、かなりショックだった・・・）。

自分はノンリプレイヤーなこともあるが、値段も安くない株ゲー（たしか5000~6000円とかしたと思う）を買って、起こる可能性が割と高い作業ゲーのショックは、今でも鮮明に覚えている（ルールはほとんど忘れたけど）。

まさか、こいつがリメイクされたというのは正直、驚きだが、当時はツイッターや個人ブログなどで情報も収集してるほどではなく、今みてみると、面白いという人もわりといるようだ。だが、古参の中でも「危ういゲーム」「ゲーム的な面白さがないゲーム」など、わりと地雷を指摘するレビューも多い。

プレイヤーにバランスを丸投げするゲームは、個人的にはむしろ好きな方だが、作業ゲーになりうる可能性を秘めているし、なんせ株ゲーにしては地味（というか展開がゆっくり）で、盛り上がらないのが、もう１度遊んでみようかと思わなかった記憶もある。

また、キツイゲームは個人的に好きな方だと思うが、このゲームは、例のパターンに入ると「きついんじゃなくて、何もできない」ので、正直、ストレスしかたまらないのも、ショックだった原因だったかな。

世の中のだいたいのボードゲームは「大半の人が面白い！」というか「大半の人がクソゲー！」というものが多いので、さらっと調べて買うのは全然あり（自分もそうするし）なのだが、このゲームは「フリーゼ」と「株ゲー」というブランドをもちながら「めっちゃ面白い！」と「めっちゃつまらない！」の評価が極端にあるゲームなので、本当によく調べてから買うことをおすすめする。そうしないと、自分みたいになる可能性あるから・・・。

一番理想なのは、このゲームが大好きという人に遊ばせてもらうことだが、もし、身内でこのゲームを検討しているなら、本当に注意してほしい。展開によっては「え？？？」となる可能性がある。フリーゼも好きだし、株ゲーも好きな自分がショッキングな経験をしたからこそ、強調しておきたい。

ボードゲームには、こういう「このゲームを絶賛する人と遊べば神ゲー」だが、「普通にいつもの面子と遊ぶと、場合によってはつまらないゲーム（そしてこのゲームはそうなる可能性が高い）」になってしまうゲームが数少ないが、存在する。

このゲームは、その珍しいタイプなので「フリーゼだから」「株ゲーだから」「ツイッターであの人が面白いといってたから」と、いつものノリで買うと、地雷を踏む可能性が十分にあるゲームなので、それを理解して、購入することを推奨したい。

追記:旧版から遊びやすくなったルール修正があるらしい。それがどんな感じになったのかは気になるところではある。10年前のつまらないと思ったゲームを久々に遊ぶと新しい発見があったりするので、機会があったら遊んでみようかな。