- 1人~5人
- 90分~120分
- 12歳~
- 2020年~
ディテクティヴ:シーズン1パーティ太郎さんのレビュー
ディテクティブ:シーズン1【没入感の高い捜査を楽しめる】★★★★☆
プレイ時間:1つの事件につき120分程度
プレイ人数:1~5人(オススメ1~3人)
【ジャンル】協力・謎解き・ストーリーテリング
【概要】
ディテクティブ:シーズン1は2021年に発売された推理ゲーム。
プレイヤーは捜査官となり協力して事件の解決に挑む。
【ゲームの流れ】
まず初めにプレイするシナリオを選ぶ。
これには3つのシナリオが入っているがそれぞれが独立しているため、どれからでも遊ぶことが出来る。
シナリオを選んだのなら事件の概要を読み込み捜査パートが始まる。
プレイヤー達はチームとなって事件の解決に挑む。
ゲーム中は全員がバラバラの場所に言って捜査する事は出来ないので皆で同じ情報を得ながら進んでいく。
情報を手に入れるとそれに応じて捜査時間が減少する。
これを一定まで使い切ると捜査は終了し、事件の犯人や真実を推理するパートに移行する。
チームで出した結論がある程度正しければゲームクリアとなる。
【魅力】
ディテクティブの一番の魅力は捜査パートの没入感の高さにある。
このゲームの捜査パートは本当に自分が捜査官になったかのような気分が味わえる。
こういった文言はよく使われるが、このゲームは没入感を高めるための工夫が存分にあるのだ。
没入感が高いというのがどういうことかを伝えるために脇道に反れて解説を入れる。
ボードゲーム(広い意味でゲームでもいい)はプレイヤーが自分とは違う何かになることが出来るものだ。
例えばそれは農家でもいいし、国を率いるリーダーでもいい。
プレイヤーはゲームを通して別の人間になることが出来る。
ゲームの中に登場するアクションはその別の人間となった自分の行動を簡略したものと言えよう。
例えばカタンにおいて開拓地を作るというアクションは島の中に新しく住める場所を作ったというイメージ。
ドミニオンにおいて得点カードを買うというのは自分の王国の領域を広げることを意味している。
このようにゲームに登場するアクションは何か現実の行動をゲームとして表現したものだと言える。
しかしゲームの中には本当にその架空の人間であるかのように思えるゲームとそうでもないゲームがある。
例えばカードの数字を揃えることで敵を攻撃できるなどと言われても頭の中でその光景をイメージしにくい。
没入感の高さとはゲーム中の架空の人物とゲームをプレイする自分がどれだけ近しい位置にいれるかだと思う。
これを踏まえて謎解きやストーリーテリングタイプのゲームを見ていく。
基本的にこれらのゲームはプレイヤーにストーリーを体験させることを目指しているゲームが多く、他のジャンルと比べて没入感は高いゲームが多い。
プレイヤーは登場人物の一人となって新しい情報やストーリーに触れる。
その結果ゲームのキャラクターが体験する驚きや悲しみをプレイヤーも体感できる。
しかしそれでも完璧にプレイヤーとキャラクターのズレを埋めることは不可能だ。
例えばこの手のゲームでよく見られるカードをめくり文章を読んで情報を得るというもの。
これはゲーム中のキャラクターは実際にイベントを映像として見ている。
それに対してプレイヤーは文字といういわば無機質なもので情報を得る。ここにはズレが生じている。
他にも謎解きゲームでありがちな情報を得るためにパズル要素の強い謎解きをやらされること。
こういう場合ストーリーと謎解きが切り離されている場合がほとんどだと感じてしまう。
マーダーミステリーでカードによって情報を集めたり交換したりするというシステムはよく見られるが没入感という点で見るならあまり良いシステムではないと思う。カードを入手するという行為は調査というかカード集めになりがちで、誰かが隠しているはずのものを簡単に漁れてしまうとは考えにくいからだ。
しかし上にあげたものは正直どれもイチャモンのようなものだ。
これらはあくまでゲームであって現実ではない。
ゲームとは面白くなくてはいけないし、没入感を高めるためにゲームとしてつまらなくなっては本末転倒である。
それに現実に即したゲームが必ず面白くなるわけではないだろう。
ただストーリーテリングのゲームにおいてどれだけ登場人物の立場になれるかというのはやはり重要な点だ。
そのために新しいシステムを採用したゲームが日々作られている。
それを踏まえた上でディテクティブを見る。
ディテクティブも他のゲームと同じようにカードに書かれている文章を読み、情報を集めるゲームではある。
このゲームで特筆すべき点はデーターベースのシステムにある。
プレイヤーは公式のWEBサイトにアクセスすることでゲームの進行に必要な情報を得るのだが、この情報の提供の仕方が面白い。データベースを通じてプレイヤーに提供される情報は人物の経歴だったり昔の事件の捜査資料だったりと様々で、どれも本物を出来るだけ模した形式で書かれている。
言わばデータベースの情報はまとまりがなく乱雑であるのだ。
無駄な情報も多く、自分達で必要な情報をその中から抜き出さなくてはならない。
この乱雑な情報を繋いでいくという行為は正しく捜査官そのもので非常に面白い。
本当に自分が捜査官になっているような気分になる。
データーベースを通してゲームを現実に近づけた点、これこそディテクティブの最も評価したい点だ。
ボードゲームに体験を重視している人は是非とも遊んでみて欲しい。
【補足】
ディテクティブ:シーズン1はこれより前に発売された
Detective: A Modern Crime Board Game (日本語版未発売)のライト版のような立ち位置になる。
前作は捜査官ごとによって別々の能力を持っていたり、システムも今作より複雑なようだ。
実際今作は先にデータベースを活用するシーンはそこまで多くなく、どの事件も入門編のような印象を受けた。
もしより複雑な事件やもっと深い体験をしたいなら前作の日本語化を待つのが良いかもしれない。
【事件の難易度】
高い。というかこれは作りとして完全に情報が与えられるゲームではないからだ。
プレイヤーは数ある情報の中から限られたものしか見ることが出来ず、推理もその中で行うしかない。
捜査パートでうまく情報を集められなければ推理の時点で詰んでいるという状態もよく発生しうる。
これはあくまでこのゲームは情報を集めていく過程や捜査の悩ましさを楽しむものだからだろう。
もちろん犯人や真相を推理するという楽しさも間違いなくある。
しかし推理小説のような情報が完全に与えられる、言わばフェアな推理ものとして期待すると残念な印象を受けてしまうかもしれない。
【プレイ人数】
今作はプレイヤーごとの役割の違いなどは無いので少ない人数でも十分に楽しめる。
むしろ人数が多くなりすぎると全員一緒に行動するという性質上ゲームに関与する時間が減る。
テキストも多く情報を共有するのに時間もかかる。3人くらいが限度かなという印象を受けた。
【プレイ環境】
ネット環境は必須である。
それに加えてスマホではなく全員が画面を見ることのできるくらいのものが望ましい。
また説明書にもあるがホワイトボードを用意しておくと事件を纏めやすくとても良い。
雰囲気も出る。100均などで手に入れることが出来るので非常にオススメだ。
【総評】
ディテクティブ:シーズン1は若干ライトな雰囲気はあるが捜査官として事件を捜査する面白さを与えてくれる。
特にデーターベースのシステムは素晴らしく、ゲームの世界へプレイヤーを引きずり込むだろう。
システムの拡張性も高く、続編が出ることに期待できるのも嬉しい。
前作が日本語化されるのを首を長くして待とう。
【こんな人にオススメ!】
・ゲームの世界に入り込みたい
・刑事ドラマなどで情報を少しづつ手に入れてく感じが好き
・マーダーミステリーなどを好む
【こんな人にはおススメできない!】
・推理小説の探偵のような体験をしてみたい
・ゲームで重要なのはシステムで、没入感などは重視していない
・出来るだけテキストは読みたくない
- 78興味あり
- 153経験あり
- 28お気に入り
- 170持ってる
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