アクロン神楽坂あんのんさんのレビュー

アブストラクトゲームを多く出版されているNestorgamesさんの代表作の一つともいえるゲームです（作者はNestorさんじゃないのだけれど）。

ボールを積み上げていって対辺をボールで繋げれば勝ちという、Hexやツイクストと似たコンセプトのゲームではあるのですが、ボールの置き方に特徴があり戦略性が大きく異なります。

まず、「ボールを繋げる」の考え方が「盤面を上から見て色がつながっているか」というものなので、Hexなどで発生する「もうこれほとんどつながってて自分はもうどうしようもできない」という状況が起きにくくなっています。相手がつながっているところの上にボールが置けるのです。

また、ボールの置き方にも特徴があり、ボールを積み上げるには一段目(盤面と接触しているボール)を取り出して上に置くことしかできません。条件が合えば、上にボールが積み上がっていても一段目のボールを取って別の場所に置くことができます。そして上にあるボールたちは下の段へと落ちていき、ボールの繋がりがガラッと変わってしまいます！

相手はここに置くだろう、という読みは効きやすいものの、積み上げる時のボールはどこから持ってくるのか、そこからどう積み方が変わるのか、最後まで気が抜けないドキドキするゲームです。

廉価版とデラックス版がありますが、遊び方は変わりません。Nestorgamesさんのコマは3Dプリンタ出力したようなプラスチックが多いのですが、これはツルツルした重量感のあるボールなので、思わず手の中でコロコロさせながら手を考えてしまいます。見た目にもわかりやすいゲームなので、アブストラクトゲーム初心者にもおすすめです。