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  • 1人~4人
  • 30分前後
  • 8歳~
  • 2022年~

タクミ・ズー白州さんのレビュー

850名
6名
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9ヶ月前
レーティングが非公開に設定されたユーザー

4/10

動物園を経営するゲームで、小学生が開発したことで話題になったボードゲーム。

小学生がデザインしたこともあって、全体的に高評価なレビューが多いのだが、とある桃鉄に関する記事で、大手ゲーム会社の社員が小学生のプレゼンに対して「子供扱いしない」と明言していたので、あえて、このゲームをその観点でレビューしようと思う。

まず、やっていることがほぼ作業。戦略がありそうな雰囲気を醸し出しているが、ぶっちゃけ、ほとんどない。

理由として、まず、このゲームは最初に動物の住処となる地形タイルを引くのだが、この地形タイルの何を引いたかによって、置ける動物がほぼ固定になっているのに、最初に引いたタイルが、入口に隣接している1箇所のみにしか置けず、その後もカルカソンヌよろしく、隣接しているところしか置けないのに、4種類も地形の種類があるから、実質、運ゲーになっている。

さらに動物は、収入や得点が高い動物ほど、同じ地形のタイル複数枚や特定のタイル2枚ずつなどが必要になるため、これも運ゲーに拍車をかけている。

そのため、今回は森のタイルを引いたからオウムを置くみたいな一択しか存在しないので、選んでる風ではあるが、選択肢は1つなので、実質選べておらず、結果、作業ゲーとなっている。

基本的には、それを12回を繰り返すだけのゲーム。

とはいえ、何枚も引けば、そのうち同じ地形が隣接してきたり、同じ金額で動物を戻してお金増やしたりして、動物選ぶ選択肢があるように見えて、実質、最適解がほとんどの場合1つしかないので、やはり運ゲー&作業ゲーでしかない。これをごまかすようなタイルのイベントは、同人ゲームあるあるといえるだろう。

また、1手番で、収入計算して、動物戻してお金戻して、動物買ってという感じで、お金を払ったりもらったりするのが手番の中で、頻繁に起きるのだが、億劫すぎる。もっとスマートにできなかったのか。

とはいえ、この戦略ゲームやってる風で、実は運ゲー&作業ゲーになっている感じが、普段、人生ゲームしかやらない層がやると、多分、戦略的(地形タイルをどこに置くとか、揃ってきたら動物変えるとか)な部分がほんのわずかだけあるため、そういう層へのバリアフリー的な階段として考えれば、ポジション的にはあってるんだと思う。

むしろ、小学生がデザインしたゲームをちょっとボードゲームをかじった大人が変にバランス調整していないであろうルールや効果になっているのは、むしろ好印象といってもいいかもしれない。

それよりも気になったのが、UIだ。

このゲーム、動物を買うためのお金はコインの絵柄、収入の絵柄はりんごになっているのだが、1つの小さな動物タイルにその情報が両方入っているくせに、自分の手番で、収入が入ったり、動物買ったり戻したりするせいで、お金が頻繁に動くのに、買う金額はコイン、収入はりんごになっているから、めっちゃこんがらがる。

そもそも、なぜ、収入がりんごなのかもイメージしづらいから、頭に入ってこないし、1手番で普通にプレイしても3回もお金を出したり戻したりするから、プレイアビリティがすこぶる悪い。

100歩ゆずって、小学生がつくったゲームのバランスに口出ししないのは良いとして、せめてもっと遊びやすくするくらいサポートしてやってもよかったのではないだろうか(そもそも、それができる人がいなかった可能性の方が高いが)。

それと合わせて、気になったのがルールブック。

さすがに、これは小学生がデザインしたものではないと思うが、明らかに普段、全くボードゲームしていない大人がとりあえずつくってみましたようなものになっている。

まず、巷のルールブックとは違う構成で書かれており、最初はエラッタかと思ったほど。

ゲームマーケットとかに公開されているルールっぽい画像が、実は本家のルールブックなのだが、あれは、どちらかといえば、ちゃんとしたルールブックをわかりやすくしたレベルのものであり、勝利条件とかいろいろ説明して、やっと中盤あたりから準備の説明が出てくるという、めちゃくちゃな順番になっている。

この場合はどうするのか?みたいな記述も抜けてるし、正直、理解不能とまではいかないが、キッズクリエイター賞とか、小学生がデザインとかで、ライト層を増やすなら、もっとちゃんとしたルールブックにしたほうがいいだろ・・・と思ってしまったレベル。

これだと、普段ボードゲームやらない層は、ルールが理解できずに断念する人もいるだろうし(実際、アマゾンレビューでいた)、ボードゲーム初プレイの人たちに向けているゲームとするなら、本末転倒だと思う。

と、、、否定的な意見をだいぶ書き連ねてしまったが、小学生のゲームデザインに対してのレビューというより、それをデザインした大人に向けたレビューみたいになってしまった・・・。

こうやって、まとめてみると、小学生のゲームデザイン的な観点だけ見れば、このゲームのターゲット層にはあっているゲームだと思うので、作業ゲーとか運ゲーとか言ったが、その層が遊ぶのであれば、その要素は、むしろ良い点になるんじゃないかなと思った。

個人的総合評価は5。UIとかルールブックとかのイメージで-1としておく。

人生ゲームしか遊んだことのない層には、ちょっとした戦略ゲームとしてはアリ。

そうじゃない層には、運ゲーとか作業ゲーとかのイメージが、だいぶ強いんだけど、結局「小学生がつくったなら、まぁいいんじゃね?」となる可能性が高いゲームなので、それをふまえても遊ぼうと思うならアリなんじゃないでしょうか。

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ボードゲーム感想備忘録
白州
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