ロシアンゾンビルーレットサークルごじのみさんのレビュー

「人狼は苦手だけど、これは楽しい」

　と、試遊の度に言っていただいています。製作者冥利に尽きます。

　実際、このゲームを作ろうと思った出発点は、私（サークルごじのみ：ゴッカー）が「先鋭化した人狼」に感じた参入ハードルを、自分ならどう低くするかというところからでした。

　面白さを損なわないよう、作っては直してを繰り返し、第1版のロシアンゾンビルーレットの形に至りました。

　このゲームに陣営はありますが、勝敗判定は個人ごとに行われます。プレイヤー個人が生き残りたいと願う心情とルールは何ら相反しません。

　このゲームでは、村の利益のために一方的に吊るされることはありません。ただ、失った信用を取り戻すための行動がリスキーなものに限られているだけです。

　このゲームでは、あらかじめ用意された行動を選択することで信用を積み上げていきます。議論の比重は軽く、確率がゲームを支配しているため、パッケージに反してプレイ時の口当たりは軽快です。

　このゲームでは、生き残ることが重要です。村人に当たる生存者が多数生き残り、互いを信用して手を取り合わなければ、ゾンビを倒せる確率はグンと下がります。

　このゲームでは最後まで希望が残ります。ゾンビと生存者の一騎打ちの場面でも、生存者が勝つ可能性が残されています。

　ルールとプレイヤーとキャラクターの心情が、できるだけシンクロするように、以上の要素を盛り込みました。

　論理で詰める人狼と比べて、ロシアンゾンビルーレットは議論を経ずに確たる証拠を突きつけやすく、ブラフも直球なので、騙し騙されの爽快な部分が手軽に体験できるでしょう。