黒幕道atcktさんのレビュー

ゲームマーケット2017神戸で売られていたそうなんですが、周りの知り合い、誰に聞いても「知らない」と言われた、隠れた同人の名作です。（いわゆるHidden Gemです）

基本はドミニオンに代表されるデッキ構築ですが、ゲームの目的が得点ではなく、「自分の市場（購入可能なカードがある山札）」をすべて買うことを目的にしています。

パッケージからは想像がつかない中身の展開です。

▼ゲームの概要

最初に時間カード7枚、お金3枚から初めて、手番では5枚の手札から好きなだけカードを使ってアクションを行い、カードを1枚だけ買い、手札を全部捨て、山札から5枚引きます。

そう、ここだけ切り取ればドミニオンそのままです。お金が少ない気がしますが。

さて、各プレイヤーは自分の山札以外に市場と座を持っています。楽市楽座、の座です。

まず市場です。
これはアクションカードをすべて混ぜて、プレイヤー人数で割った分だけあります。
手番ではここからカードを購入できます。が、プレイヤーを問わず購入できます。つまり他のプレイヤーの市場からカードを購入できます。

また、市場は自動で補充されません。山札からアクションカード「時間」を使ってめくっていく必要があります。

座は、ゲームの勝利には関係のないカードです。
これは、手番で使ったカード、購入したカードから特定のセットを作れば、自分の前に設置できます。
どういうことかというと、この「座」は購入制限がかなり厳しいのですが、一度セットできるとデッキ圧縮に加えて、常に能力を発揮します。

カードの能力は、お金を増やす、購入回数を増やすことはもちろん、山札から直接カードを無くしたり、人物カードがあると特殊な能力を追加で発揮するもの、1度きりだけれど、たくさんカードが引けるものと、バランスよく仕上がっています。

最終的に市場のカードすべてがなくなったプレイヤーが勝ちます。

▼プレイの感想

体感としてですが、ドミニオンよりプレイ時間が短く、購入にフォーカスしたゲームと思います。
そして、バランスが全く違います。大きな違いが、2金以上のカードがありません。これはアクションカードで2金以上を作っていくことになり、コンボ優先となります。

山札が勢いよくなくなっていく爽快感、アクションの意外な使い方、状況によっては上手く働かせることのできる座。

そして、1－2手番差で終わるゲームバランスが取れていることからも、よくできていると思いました。

冒頭に書いた通り、動きはほぼドミニオンながら、やってることが全く異なり、ドミニオンを持っていても、お、これは、と思える内容です。

この手のゲームにある、引き運というのは少なからず作用します。が、これは遊びやすい気がしました。