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  • 30分~60分
  • 10歳~
  • 2022年~

ヒート白州さんのレビュー

1638名
16名
0
2年弱前
レーティングが非公開に設定されたユーザー

7/10(BGAでのプレイは、6/10 ※最後に追記)

日本語版が出るということでレビューしてみる。

最近話題のレースゲームで、2016年のレースゲーム「フラムルージュ」と同じデザイナーの作品。

デッキマネジメントやスリップストリームなど、フラムルージュと似たシステムは多いが、フラムルージュを経てからの進化版ともいえる完成度になっている。

基本的には1〜4の数字が書かれたカードを1〜4枚プレイして、その合計数だけ進み、コースを2〜3周(マップによって違う)してゴールすることを目指すシンプルなルール。

ただし、コーナーを曲がるときに一定の速度を超えると、最初に6枚配られているヒートカードが制限速度を超えた分だけ、デッキに入り込んできて、お邪魔カードとなる。

なので、ヒートカードをできる限りデッキに入れないようにプレイしようと最初は思うのだが、実はヒートカードを手に入れないようにプレイするのではなく、ヒートカードを手に入れてしまうリスクをふまえて、スピードをコントロールして、他のプレイヤーと差をつけるところがこのゲームの面白いところである。

普通のレースゲームであれば、このヒートカードはHPみたいなもので、なくなると脱落するルールのものが多く、結果的にいかに速度オーバーしないように他プレイヤーとのポジションを確保するかのゲームになるのだが、このゲームでは、ヒートカードがなくなっても、脱落することはなく、そこまで大きなペナルティはない(といっても、スピンという処理扱いでコーナー手前まで戻されるし、ランダム数字のカードが追加されるので、全くペナルティがないわけではないが)ため、いかにヒートカードをコントロールできるかがポイントとなっているのが、他のレースゲームと大きく違う点で面白い。

ここらへんが今の時代のレースゲームといった感じで、昔の名作レースゲームでいえば、アベカエサルとかがあげられるだろうが、あちらはレーンが埋まっていると進めなかったり、進めないと脱落するなど、他のプレイヤーとの場所取りのインタラクションが重要だったが、こちらは2レーンしかなく、同じマスに止まれないものの、通過はできるし、ペナルティのスピンになっても脱落せず、お邪魔カード1〜2枚追加くらいだけだし(といってもそれなりに邪魔ではあるが)、むしろスピンしたって1位でゴールできる可能性すら残っているゲーム設計になっているので、個人のデッキマネジメントに焦点が当てられているのはまさに今風といえるだろう。

さらにこのゲームがいいのは、前作の似たシステムのゲーム「フラムルージュ」の基本セットのみだと、他のプレイヤーとのデッキ構成の差がないため、単調になりがちだったのが、4種類のマップに、カスタムカードや天候カードなどの拡張が最初から入っており、他のプレイヤーとの差がある状態でスタートできるようにしてあることだろう。※ちなみにフラムルージュの拡張で、これらの元となるものがあるが、拡張単体が高いし、国内流通もあまりなかったので、最初からフルで入っているのは、この下地があったからだと思われる。

なので、最初からカスタムカード入れると、プレイヤーそれぞれの特性が出るので、結構おすすめ。だが、アイコンがかなりの種類あるので、そこのインストが少し増えるのはネックと言えばネックではあるが。

全体的に褒めているが、気になる点もいくつかある。

まず、前作、フラムルージュに比べ、かなり長い。理由として、前作はすすめるコマが2つあるものの、それぞれカード1枚だけでしか進めなかったのに対し、こちらは最大4枚まで出せるので処理が単純に多いのと、個人が処理するフェイズが結構多い(9フェイズのうち、7フェイズが個人で処理)。

さらにこちらはGeekのベスト人数が5~6人となっているため、単純に人数に比例してダウンタイムが長くなっている。たしかに5〜6位にボーナスが入ることやスリップストリームが起こりやすいという意味で必要なのもわかるし、実質6人で遊んで面白かったが、正直レースゲームで、5〜6人プレイで3〜4時間かかるし、それの半分近くが個人プレイ中のダウンタイムなのが気にはなった(とはいえ、待っている間、暇すぎというわけではないが、さすがに6人プレイでは気になる)。※ちなみにフラムルージュは最大4人までだった(拡張入れれば増えたけど)

今、こうして振り返りながら思うと、個人的には、2〜3周せずに1周減らして、1〜2周でやっても、そこまでプレイ感は変わらない気はする(アベカエサルみたいにピットインとかないし、2周目以降で何か追加されるわけでもないため)ので、フラムルージュのように1周(というかゴールして終わり)とかにして短時間でスパッと終わる方がプレイ時間と満足度的にちょうどよいのではないかと思った。

2022/2/25追記:未プレイだが、NPCとして追加するルールもあるらしく、これを入れるのであれば、4人プレイでも6台ある状態でプレイできるので、よさそうだと感じた。さすがに人間6人でやったほうが読み合いとかドラマとかありそうではあるが、ダウンタイム短縮につながるということをふまえれば、十分なありなルールだと思う。

そして、もう1つが、アイコンがいろんな場所に点在していること。

個人の手番で処理するアイコンが、メインボード、デッキマネジメントする個人ボード、特殊カードに点在して描かれているため、それらを全てチェックして処理しなければならず、これが意外と漏れて忘れやすい。

コンポーネント的に仕方ないのだが、いろいろ見なければならないところは、基本的なこのゲームの完成度の高さゆえ、気にはなった。とはいえ、そんなに大きい欠点ではないのだが。

とまぁ、いろいろ書いたが、総評としてよくできた、今の時代を代表するレースゲームになる可能性のあるゲームだと思う。

大人数プレイの方が面白いのだが、ダウンタイムが比例して長くなり、3時間以上のレースゲームでも許容範囲であれば、おすすめかな。

余談だが、最大6人プレイなのだが、箱の中のスペースやボードに7〜8人目がプレイする前提の空きや記載がされており、拡張出す気満々なのは笑った。

BGAにも登場したのでプレイ。

デジタルでサクサク進んでくれるので、ダウンタイムはアナログでやるよりかは減ったが、それでもプレイ人数が5〜6人だとダウンタイムが長く感じるところは変わらないかな。

一応、ベータ版でなくなったようだが、ブーストが「対応」と訳されていたり、天気の拡張ルールが何回やっても「晴れ」になったりするので、まだベータ版で遊んでるような印象。

あとは普通のボードゲームなら全くやらないソロプレイもやってみたが、NPCはブーストもスリップストリームもしないので、なんだかなぁといった感じ。

悪くはないが、まだベータ版って感じがするので、評価6としておく。

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