キャメルアップ：カードゲームatcktさんのレビュー

ラクダのレース？　かわいくないラクダがパッケージ描かれていて、レースで賭け事、となった時点で興味をなくされることの多い名作のカードゲーム版です。見た目に騙されて遊ばれていない（？）傑作ちゃうかな。ほんと。

▼ゲームの概要

ラクダのレースですが、1レースをいくつかのレグ（ラウンド）で分割されています。

各レグではどのラクダが1番か、もしくは1位、最下位以外か、というのをかけてお金を儲けます。

さてさて、ここからがポイント。組み合わせでの面白さが住み込んでいるので、うまく融合して想像してください。

このレースゲームでは、手番が1つずつ回ります。手番では、「ラクダの移動」の山札をめくります。そこにはラクダの色と歩数が書かれています。この山札は「全員で」作ります。各レグの最初に配られたカードから、3枚ずつ、各プレイヤーが出し、混ぜたものです。

それ以外に「色」ごとに分かれた「賭けカード」を1枚取ることが「できます」。

もちろん、早めに取れば配当が高くなり、後ほど低くなります。

外すとマイナス点もあります。

全員の思惑が詰め込まれた山札で進み、そこに出てきたカードを元に推理して、順位を当てます。

さらにこのゲームが意地悪いのが、全員「1枚だけ」移動カードをこっそり持っていることです。

移動カードをめくる代わりに出してもいいのです。

これを繰り返して、山札が無くなったらそのレグが終了です。ゴールについてなかろうが、順位を決めて、その配当を受け取り、賭けカードは元に戻します。つまり、次のレグではまたどれがトップか同じように戻して推理するのです。

どれかのコマがゴールに入ったら終了です。

これ以外に、ゲーム終了時に先頭か最下位かを当てるカードもあります。

▼プレイの感想

書いただけでは本当に伝わらない、そんな未体験の面白さが詰まったゲームです。

おかげで、私の中では、パッケージで、ジャンルで、ルールの説明で、あまり好まれる反応を見ることの少ない、面白いゲームの筆頭です。

実は、ボードゲームの方を遊んだ時にそういう感覚を持っていました。やる前までは。

遊んでから、「なんだこれ？」みたいな感じで楽しかった記憶が強くあります。

こちらはそれのカードゲーム版です。

ボードゲーム版はギミックが多く、遊ぶならあっちの方がいいと思います。何人かのボドゲデザイナーと遊んだのですが、「このパッケージや見た目では買って遊ぶ人少ないよね。ボドゲあってこそだよね」みたいな話はしてました。

それくらい、見た目は地味、というかシステム的で魅力に乏しいこのカードゲームですが、面白さは折り紙付きです。

ただ、多分友人と遊ぶときに興味を持ってもらいたいときはボドゲ版をお勧めしたいかな。こちらもコンパクトでいいんですが、通が棚からこれを取り出して、「遊ぶか？」「にやり」みたいな人たちじゃないといまいちノリが悪いかもしれません。（笑）