『クワークル』と基本は同じ、だがゲーム性は全然違う!これぞ、クニツィア流『クワークル』
【ざっくり解説】
『クワークル』というゲームをベースに作られた本作はクニツィアの『クワークル』といっていいでしょう。一定のパターンを作るべくルールにのっとってカードを出して、最大で5枚のグループの4,5枚目を出すとボーナスがあるゲームです。
一番面白いのは本家と同じ点数方式ではなく、既定の枚数の個人デッキを消費し尽くせば勝ちという方式です。大胆なアレンジですが、大幅に得点計算の煩雑さを簡略化できているのは凄いと思います。
【長所】
本家で面倒だった得点計算の手間の簡略化に成功していることです。これはシンプルに嬉しいですね。プレイ中の手間が簡略化されるのはゲームプレイに集中できるということです。小さくない長所です。
あとはボーナスで不要なカードを使わずに消費できる(箱に戻せる)ルールが良いです。何を箱に戻すのかどのように残して受けるのかが、悩ましいです。殆どが公開情報でカウンティングも難しくなく、非常に考えどころのあるルールだと思います。
【短所】
場所食い虫なことです。とにかく広いスペースを必要とします。伸びる範囲も制御が効きにくく、テーブル上でプレイするのに工夫が必要になります。ある程度はカードを重ねてプレイしたほうが良いかもです。
あとは手番に噛み合うカードを持っているかが非常に大きいゲーム性だということです。人によっては運ゲーだと思う方もいるでしょう。運と実力のバランスは絶妙なので、運ゲーだと思うかは個人差の範囲だと思います。
【個人的な評価】
『クワークル』はスコア計算が煩雑で手続き上のミスを誘発しやすいゲーム性です。個人的には本作の方が仕組みとしてスコア計算ミスが起こりにくくなっております。仕組みの力で問題を解決しようとするデザイナーの手腕が光っていると考えて良いでしょう。
反面、『クワークル』と違って大量得点の快感は控えめです。とはいえ、4枚目、5枚目とセットで出せると3枚も箱に戻せるので十分ダイナミックさも損なわれていないと思います。甲乙つけがたいレベルには面白いと強く言い切れます。
推定プレイ回数は5回程度。ひさびさにテストプレイで回してみましたが、改めて良作であることを確認できました。なぜ、一度手放したのかわからないゲームかなと思いました。
海外では殆ど流通しておらず、おそらく日本の中古市場でしか出回らないんじゃないかと思うゲームの1つです。欲しい人は見つけたら多少高くても抑えておいた方がいいかもしれません。
何を残して、何を箱に戻すのかは常に悩ましい要素の1つだと思います。定番カードゲームのポジションを狙える作品だと思いました。是非、何度か遊んで検証していこうと思います。
【『クワークル』との違い】
本作はよくよく本家の『クワークル』と比較されます。ですが大きく違う個所が3か所あります。
- 個人のデッキ(山札)を完全消費が目的なこと
- スコアシステムが簡略化されている
- ボーナスの箱に戻すカードの選択肢が戦略的かつ悩ましい
この3点が大きく違うところではないかと思います。同じようなシステムを使っていても、ゲーム性は大きく違います。弾を避けて撃つだけの基本ルールは同じシューティングでも、2Dと3Dでは全然ゲーム性が違います。本作は『クワークル』ルールを使った別物だと考えた方が良いと個人的には思います。
- 投稿者:
マクベス大佐@ボドゲブロガー
- 21興味あり
- 72経験あり
- 6お気に入り
- 38持ってる
タイトル | ビッグ・ファイブ |
---|---|
原題・英題表記 | Big Five |
参加人数 | 1人~4人(20分前後) |
対象年齢 | 7歳から |
発売時期 | 2011年~ |
参考価格 | 未登録 |
ゲームデザイン | ライナー・クニツィア(Reiner Knizia) |
---|---|
アートワーク | オリバー・フロイデンライヒ(Oliver Freudenreich) |
関連企業/団体 | 999ゲームズ(999 Games)アミーゴ(AMIGO) |
レビュー 2件
- 27名に参考にされています投稿日:2020年11月30日 07時02分
「クゥワークル」とほとんど同じゲームなので、要注意です。絵柄の好みや携帯性で好きな方を遊ぶと良いと思います。
のむさん(くろのん)@chrono216さんの「ビッグ・ファイブ」のレビュー
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