- 2人~5人
- 45分~60分
- 8歳~
- 2014年~
パンデミック:迫りくる危機ときたまご[ソロゲームメイン]さんのレビュー
前回の『パンデミック 新たなる挑戦』を『ソロ用』に購入したところ、とても面白かったので、拡張版の本作も購入しました。結論から言えば購入は大正解です。
今作はPvPのバイオテロリストチャレンジというルールもありますが、それでもなおソロプレーが出来ない事もありません。詳しくは後述。
今回は、
☆概要
☆梱包物
☆新役職
☆︎共通ルールの変更
☆︎猛毒株
☆︎変異種
☆︎バイオテロリストチャレンジ
☆︎あると便利なもの
☆今回の困った事
☆︎総評
という視点から記載されて頂きたいと思います。
※なお、添付している画像データは色付きのスリーブを使用しているものもあります。
後述のカードの裏面の印刷の濃さの違いの問題を回避するためのものです。予めご了承ください。
☆★☆概要☆★☆
協力ゲームとして有名な名作『パンデミック 新たなる試練』の拡張第一弾です。
(拡張版の為、単体では遊べません、前作と併せてご用意ください)
新たなキャラクターの他、新ウィルスや、協力ゲームの要素とは違う切り口であるPvP(プレーヤーvsプレーヤー)の要素も加わり、新しい面白さを示してくれました。
純粋に難易度を向上させる「猛毒株」
今までと違う拡散方法でプレーヤーを苦しめる「第5のウィルス 変異種」
プレーヤー一人が悪役となるPvPを楽しむ「バイオテロリストチャレンジ」
さぁ、あなた(達)は全てのウィルスから人類を守ることが出来るでしょうか。
☆★☆梱包物☆★☆
左側の新しい仲間6人と、敵役プレーヤーとして使用するバイオテロリスト、そして紫の病原体コマが登場。
さらにウイルスコマを入れる為の5色分のペトリ皿が入っていて
雰囲気を盛り上げてくれます。
「新しい仲間と5色目の新種のウィルスと戦う」
私はそれだけでワクワクが止まりませんでした。
前作を楽しめた方はこの時点で手に入れたくなりませんか?
ペトリ皿は左上のロゴ部分の上に少しはみ出す程度で置けるので、プレースペースそのものを広げる必要はなさそうです。
5種類目の治療薬を置くスペースは2パターンから選べます。
4色の右側にシールを貼るパターンと、
左側にカードとして置くパターン。
私は先人の方々が公開してくださっている動画で見慣れたシールタイプにしました。シールでもカードでも下が少しはみ出るのはご愛敬。
治療薬を置くとこんな感じですね。
◎収納箱
もう一つ評価したいのは、前作『パンデミック 新たなる試練』を含めたセットを本作の『迫りくる危機』の箱に収めきることが出来る点。
意味深なスペースが空いてますが、パーツ不足では無く、この後の拡張も入る様になっているんですね。
それは機会があれば、今後の拡張のレビューでまた書きたいと思います。
残念なのは、カードサイズのスペースがピッタリ過ぎるので、カードスリーブを付けると入らなくなってしまう事でしょうか。今回は後述しますが、カードスリーブの使用がほぼ必須なので痛い点です。
☆★☆新役職☆★☆
癖が強いものの、面白いキャラが増えました、全体的に強い印象ですね
◯ゼネラリスト
アクション数5回とシンプルながら、それ故に色々な場面で活躍出来ます。
初手で4マス目の都市のウイルス除去が出来る数少ない職業ですね。
(他はチャーター便用のカードを必要とする、もしくは検疫官のブロック、後述の防疫の専門家による2コマ以上ウイルスコマがある場合のみとなる)
他の役職で「あと一手あれば」を経験すればするほど、彼女の強さが見えてきます。
移動に費やせる手数が増えるという事からか、バイオテロリストチャレンジの際に、彼女がいるとバイオテロリストの活動をかなり抑止できます。
◎トラブルシューター
行動前にアクションを使用する事なく今回の自分の行動後にめくる感染カードを事前に見ることができる為、エピデミックを引かない限り、自分のターンでアウトブレイクを引いてしまう事をかなりの確率で抑制出来ます。
直送便を使用する際にカードを使用しないで済む為、直送便へ移動→基地建設や待ち合わせてカードの交換が出来るのも強いですね。基地作成要因としても、小回りが効く印象です。
◎現地調査員
今回の面白&難解性能。
1アクション使い、ウイルスコマを1つ回収し、3つ集めると同色の都市カード2枚分として使用出来るという能力です。
一見便利そうな能力なのですが、能力を使用する為には最低でも3ターンは同じ色の地域に留まり続ける事になります。
2人プレーなど人数が少なく全体の手札が圧迫されターンが回ってきやすいゲームほど活躍の機会があるように感じ、4人以上の時はハズレ役職になりやすい印象。個人的に可能性は感じるものの、一番使いこなせていない職業です。
なお、回収したウィルスコマはいつでもインベントリに戻す事が可能です。
他の人が治療薬作成に成功した時や、ウィルスのコマ切れを起こしてしまいそうな時には大事なルールですね。
あとなぜか、ランダムにも関わらずやたらと出現率が高い印象を受けます。帽子のおじさんマジファンキー。
◎防疫の専門家
2コマ以上ウイルスコマがある都市を通過する場合、1コマ除去される能力。
前作の衛生兵とは違った安定っぷりを見せてくれます。
治療薬が見つかった後の衛生兵の根絶能力にこそ敵わないものの、序盤からとにかくアウトブレイクを防いでくれる印象。
入っていると安定性が一気に増しますね。条件付きとは言え、初手で除去したいのは3コマある都市の除去になるので4マス目の都市のウイルスコマ除去が出来る選択肢がある事は非常に心強いですね。
もちろん、通信指令員との相性も素晴らしく良いです。
◎疫学者
同じ都市にいる他のプレーヤーから好きな都市カードを1ターンに1枚アクション使用無しで貰えるという能力。
研究者の貰えるだけバージョンと見せかけて、貰う行動はアクションを使用しないで可能という、シンプルがゆえにカード集めには非常に強い役職です。
◎標本管理者
今回1番の化物性能だと感じています。「都市カードの捨て札」に干渉出来る唯一の職業です。
手札8枚所持可能もおまけ程度に便利ですが、
捨て札から今いる都市の都市カードを引き直せる能力が尋常では無いほどの使い勝手の良さです。
例えば、1ターン(4アクション)を丸ごと使う事になりますが、東京のカードを持っている場合、
どこに居たとしても東京のカードを使用して直送便で東京へ移動→能力を使用して東京のカードを回収→東京に基地を設置→(もう1アクション残ってます)
(※以前、1ターンに2度回収出来る書き方をしていましたが、都市カードの回収は1ターンに1度のみの様です。修正しました、申し訳ない)
もちろん、この応用でカードの交換を円滑にする方法もあります。
さらに、変異種やバイオテロリストチャレンジルールでは、
紫ウィルスがある都市のカードが治療薬作成に必要になる為、
すでに捨ててしまった都市カードばかりに蔓延してしまっている場合でも、このキャラクターが居れば難なく打開出来ます。
それ以外に対応出来るのはイベントカード「再調査」を引くのみです。
ですが、ルールの性質上、必ずそのカードがデッキに入っているとは限りません。
居るだけで攻略の可能性が大幅に上昇する、非常に心強い職業です。
☆★☆共通ルールの変更☆★☆
◎最大4人から5人に変更
後述のバイオテロリストチャレンジの場合は、さらに+1人の最大6人で遊ぶ事が可能です。
ソロでプレーしてますが、1人で使えるキャラクターの選択肢が増えるのは悪くないです。
後述のイベントカードのルール変更により、人数が多い方が総カード枚数が増えることから若干ですが総ターン数も増えるので、その部分において大人数プレーのメリットはあります。
でもテンポ的には2〜4人位がベストなのは変わらないと感じますので、私はいつも3キャラ使用で楽しんでいます。
◎7枚目のエピデミックカードが追加
今回追加されたキャラクターもイベントカードも強力なものが多いので、ゲームバランスが崩壊するような事はありませんのでご安心下さい。
何度かクリア出来ましたが、同じ都市にウィルスが出やすいというのは盤面の読みやすさに繋がるので必ずしもプレーヤー不利とはならないのかもしれません。
エピデックカードは少ない時と多い時で独自の攻略法が異なってくるのも面白い部分ですね。
ただし、後述の新ルールと組み合わせると凶悪さが跳ね上がります。
◎新たに8枚のイベントカードが追加
前回の5枚に新しく8枚のカードが追加になりました
それに伴い、ゲームに追加するイベントカードの枚数が、
前回の「一律5枚全てを都市カードに混ぜる」から、「13枚のうち、参加プレーヤー人数×2枚のイベントカードをランダムに選び都市カードに混ぜる」に変更になりました。
この枚数は敵役として登場するバイオテロリストも数に含まれますので、その場合は、最大で12枚のイベントカードが使用されます。
後述の猛毒株ルールはカードが8枚用意されており、ルール上はその中の最大7枚を使用する事から、どちらも必ず使用しない1枚が発生する事になります。制作サイドの意図としては、出てこないカードが発生する事で運の要素を楽しんで欲しいという事でしょうか。
実際、「もう少し待てばあのカードが来る」と「今回あのカードは入っていないかもしれない」は都市カードが減り盤面が煮詰まるほど、大きく意味が変わってきます。この部分の調整は好みが分かれるかもしれません。
☆★☆猛毒株☆★☆
いくつか追加された新ルールの中では、最も導入が簡単なので、購入されたら真っ先に楽しめます。
今まで使用していたエピデミックカードの代わりに、猛毒株のエピデミックカードを都市カードのデッキに入れるだけです。
新しいルールとして、そのゲームで初めてエピデミックカードを引いた時点で最もウィルスコマが多かった色が猛毒株として扱われるようになります。
8枚は全て違う効果になっていて、様々な悪影響を及ぼしてきます。永続効果をもたらすものもあり、猛毒株の治療薬が5枚ではなく6枚必要になったり、ターン終了時の感染カードを引く枚数が1枚増えたりと、難易度がかなり上がります。
4枚でもなかなかの手応えですので、自信のある方は枚数を増やしての挑戦も是非行ってください。
慣れないうちは、猛毒株がどの色だったかわからなくなる事があるのと、永続効果の処理漏れが発生しやすいので後述の「あると便利なアイテム」の項目もご参照下さい。
☆★☆変異種出現☆★☆
いよいよ、今回初登場の第5のウィルスと戦う新ルールです。個人的には今回一番好きなルールです。
感染カード側の捨て札置き場に2枚、
都市カード側に3枚追加してゲームを開始します。
つまり、感染カード側の変異種カードは一度エピデックが発生するまでめくられる事はありません。
紫ウィルスが増える要素は3つ。
・感染カード側で引かれた場合、感染カードデッキの1番下のカードを引きその都市に紫ウィルスコマを1つ置く
・都市カード側で引かれた場合、記載の処理の通りに増やす。3箇所に1つずつや、3個を1箇所など。
・通常の感染処理を行った際に、その都市に既に紫ウィルスのコマがある場合、追加でもう一つ紫コマを置く(東京に紫ウィルスコマが1つだけ置かれていた時に、感染カードを引く時に東京が出た場合、追加で赤のウィルスと紫のウィルスを1つずつ、つまり紫2赤1を置く事になります)
そして、紫ウィルスの治療薬の作り方は、
紫ウィルスのコマが置かれている都市のカードを含む、5枚のカードで作成する事が出来ます。
色は問わないし、5枚の内、紫ウィルスのコマが置かれている都市は1枚で構いません。
ですが、裏を返せば、紫ウィルスコマの治療を進めてしまうと、同時に紫コマが置いてある都市が減るため、治療薬として使用出来るカードの選択肢が減ります。
敢えて、ある程度ウィルスを残しながらカードを集める必要があります。ですが、先ほどの増加方法である、既に紫ウィルスが置かれている都市には増えていくリスクがあります。
都市カードの使用は色を問わないとは言え、当然、通常の4色の治療薬の作成も並行で進めなければいけない為、判断がなかなか難しいです。
逆に早期に治療薬を発見出来た色の都市カードがいわゆるハズレカードにならずに紫ウィルスの治療薬の為のカードとして有効活用出来るメリットもありますし、序盤に色が揃わない時は早々に紫コマを治療する作戦も選べ、いわゆる手札事故が減らせます。
最後まで死にカードが少ないというゲーム性が個人的に好きな要素の一つです。
さて、紫ウィルスに対して、大事な事がもう一つあります。
察しの良い方は今までの画像でお気づきかもしれませんが、
紫ウィルスコマは4色の24個ずつあるウィルスと異なり、12個しかありません。
増える条件こそさほど速くないものの、油断をすると一瞬でコマ切れ負けを誘発します。
ですが、減らしすぎると治療薬作成用の都市カードが減る。なんとも繊細なウィルスが登場してしまったものです。
うまく盤面をコントロールし、世界を守ってください。
◎補足
ゲームの準備で都市デッキを作るときのシャッフルが少し特殊です。
具体的には変異種カードを入れる際のシャッフル(下の作業で言う「2」)が増えます。
1、都市カードとイベントカードのみでシャッフルし、各プレーヤー毎に初期手札を配る。
2、変異種イベントカード3枚を入れてシャッフルする。
3、使用するエピデミックの枚数分だけ山を作り、山ごとにシャッフル
(通常通りの処理です。エピデミックが4枚なら、4つの山に各1枚ずつエピデミックカードが入っている状態になります。)
4、枚数が少ない山から下に重ねていく。
手順を間違えるとプレーヤーの初期手札に変異種カードが渡ってしまったり、エピデミックカードを入れてからシャッフルしてしまう事になるので、要注意ですね。
☆★☆バイオテロリストチャレンジ☆★☆
今回最も評価が難しいルールだと感じています。
PvPが前提のルールの為、ソロプレーヤーである自分が評価しづらいという点ももちろんありますが、協力ゲームであるパンデミックの枠を超えたルールであるのが個々でも評価の分かれる要因だと感じています。
面白かったかどうかという問いにまず答えるなら、「ゲーム性というよりは可能性を感じるという意味でとても面白い」でしょうか。あくまでもソロプレーで、かつ個人的な視点だと思って下さい。
まず、どんなルールかという部分からお話しします。
このゲームに必要な視点の持論も書いていますが、お付き合いください。
プレーヤー1人は敵役となり、世界を暗躍し新種のウィルス(紫ウィルス)をばら撒き、世界を崩壊に近づけます。
バイオテロリスト側の勝利条件としては他のプレーヤーが敗北した際に、マップ上に紫ウィルスが1つでも残っていれば勝利となります。
逆に、紫ウィルスが根絶された場合、その時点でバイオテロリストプレーヤーは敗北となりゲームから除外されます。
プレーヤー側の勝利条件は通常と同様、敗北条件を満たしてしまう前に、すべての色の治療薬、本ルールでは5色全ての治療薬を作成する事です。
ここで、面白いのが、このゲームルールの構図は、「プレーヤーチーム」vs「バイオテロリスト」ではなく、
「プレーヤーチーム」vs「バイオテロリスト」vs「4色のウィルスを蔓延させるゲームそのもの」であるという部分です。
その為、紫コマを根絶させバイオテロリストを敗北にさせても、プレーヤーチームも4色の治療薬作成が間に合わず、全員がゲームに敗北するということもあり得ます
つまり「三つ巴の戦い」です。
この視点も持つのはこのルールを行なう上でかなり大事です。
「プレーヤーチーム」vs「バイオテロリスト&4色ウィルス」
という視点の場合、そもそも通常ルールでの4色のウィルス自体が強い訳ですから、プレーヤーチームが敗北した時に、バイオテロリストに負けたのか、4色のウィルスであるゲームそのものに負けたのかわからなくなります。
これだとバイオテロリストプレーヤーが勝っても負けても称賛に繋がらないという、ただの憎まれ役になってしまいます。こうなるとこのルールそのものが忌み嫌われるものになってしまいますので、是非ともバイオテロリストプレーヤーが盤面を調整して勝利に辿り着いた時は称賛をしてあげて欲しいと思います。
称賛を受けられ、かつ勝ちやすいというなら、皆が順番にバイオテロリストをやれば良いわけですから。
と、自論を挟みましたが、ソロプレーヤーが複数人プレーを語るという矛盾に気づかれない内に、本題に戻しましょう。
勝利条件は先ほどの通り、
最初の準備は通常のルール通りなのですが、
最初の準備の感染カード9枚をめくってウィルスコマを配置した後、
バイオテロリストプレーヤーは、「感染カード」を2枚受け取ります。間違いやすいのですが、「都市カード」ではなく、「感染カード」です。
このバイオテロリストの手札が感染カードであるというのが、また面白い。
その後、バイオテロリストは自分がスタートする好きな都市を選びます。
ですが、その都市に自分の駒を置くことはしません。
バイオテロリストロケーションボードという用紙にスタート地点を書き込むというのが、スタートの準備です。何枚も束で入っていますが、消費が気になる人は事前にコピーを取っておくと良いでしょう、通常のA4サイズです。他のプレーヤーに見えない様に行動するための物なので、蓋が出来るタイプの折りたたみバインダーがあるとより便利かもしれませんね。
さて、各ターンの進め方ですが、もし、A、B、バイオテロリスト役の3人で行なう場合、
Aさん→バイオテロリスト→Bさん→バイオテロリスト→Aさん→……
という順番が正式な様です
カードの記載通りに読むと、
Aさん→Bさん→バイオテロリスト→Aさん→……
となっても良さそうなのですが、有志の方のサイトによる情報や海外のサイトの情報によるものと、
個人的にも両方のルールで各10回以上プレーした結果、前者の方がバランスが良いと感じましたので、私は前者のプレーヤーとバイオテロリストが交互に動くルールを支持しています。プレー人数が多い時の事を考えると、前者のルールでないとバイオテロリスト側があまりにもやれる事がありませんしね。
手番が回って来たバイオテロリスト側が出来る行動は、2アクション+徒歩、船による移動を1回の合計3つ
1アクション使用して出来る事は、
・徒歩、船による移動(隣のマスに移動する通常の移動)
・カードを使っての移動(他のプレーヤー同様に直行便なども使えます。)
・今いる都市への紫ウィルスコマの設置
・所持している感染カードの都市に紫ウィルスコマを置く(もちろん該当カードは捨てます)
・感染カードを手札に引く(手札上限は7枚)
・都市と同じ色の感染カードを1枚捨てる事で、自分が居る都市の基地を破壊
と、バイオテロリスト側が出来る事はかなり多いです。戦法も強い弱いは別にして色々と出来ると思います。基地を壊して治療薬の製作を阻害するも良し、カードを使って離れた世界中の都市にウィルスをばら撒くもの良し、みながいない都市にこっそり移動し、ウィルスコマを設置しアウトブレイクを起こすも良し、他にも色々ありそうです。
ちなみに「カードを引く」ですが、先述の通り、引くカードは感染カードなので、「バイオテロリストが感染カードを引いてくれたお陰で、放っておいたら発生したアウトブレイクを阻止できた。バイオテロリストさんあざーっす!」という現象が発生するのも面白いところです。感染カード引く行動にデメリットを発生させる良いバランスだと思います。
なお、本ルールはアウトブレイクの処理が少し特殊で、連続でアウトブレイクを起こせるとあまりにも強すぎる為、このルールに限り、紫コマのアウトブレイクが発生した際は、「発生した都市のウィルスコマを3つから1つに減らす」というルールが適応されます。それでもめちゃくちゃ強いんですけどね。
バイオテロリスト側が勝つ時は、4枚エピデミック時に2枚目のエピデミックカードが出る前に終わるとかもざらです。
一応、プレーヤー側にもバイオテロリストに対抗する手段はあり、
バイオテロリストと同じ都市に居る場合、
バイオテロリストを発見(例えばバイオテロリストが東京にいる場合に、プレーヤーの1人が東京に移動してきた時、バイオテロリストは「見つかった」事になります)した際に、1アクション使用して、「拘束」する方が出来ます。
「拘束」されたバイオテロリストは手札を全て捨て、世界地図上から消え、
出来る行動が、
・カードを引く
・引いたカードを使用して直送便で脱出
(感染カードを捨てての移動なので、脱出先の都市はバレます)
のみになります。
カードを引かないと脱出出来ないし、脱出した都市も近くにプレーヤーが居るとまたすぐに捕まってしまいます。
とは言え、拘束ばかりに手数を掛けると、治療薬作成やウィルス除去が遅れますから、
その辺りの駆け引きも面白い所です。
このゲームの大きな問題は、プレーヤー側とバイオテロリスト側が、
お互いのターンにやれる事が少なく、待ち時間が発生するタイミングが多く、
テンポが悪くなってしまう事。特にバイオテロリストは自分の行動を記載していく必要がある為、かなり忙しく、自分のターンが回ってきてもすぐに動けないこともあります。
◎ソロプレーとしてのバイオテロリストチャレンジ
人間関係に溝が入る事もないので、後腐れなく好き勝手出来るのがソロバイオテロリストチャレンジの良い所。先述の待ち時間問題が発生しないのもソロの良いところです。
結論から言いましょう、想像以上に楽しめましたし、現在進行形で楽しんでいます。
PvPでしたので、度外視していましたが、やってみたら良い意味で裏切られました。相手の思考の裏をかくという多人数戦心理戦の醍醐味こそないものの、変異種ルールとは明らかに違う形で広がるウィルスと戦うのが良い刺激になります。
現在進行形で楽しんでいる、というのは自分なりのルールが定まっていない、手探りでやっているという意味なのですが、
いくつかの前提として、
・プレーヤーサイドに手心は加えない
仮想敵を用意する時のソロプレーの極意ですね。
将棋や囲碁なんかをやってる方だと伝わるかと思いますが、双方の最善手を指す(打つ)っていく遊び方というか練習、研究があります。どちらかというとそちらに近い発想でやっていると思います。
勝った負けたというよりも、このバイオテロリストの戦法は強いのかな?プレーヤー側はどう対処したら良いんだろう、このチーム編成だとさっきの戦法には対応しやすかったけど、今回の戦法には厳しいな、という事はバイオテロリスト側プレーする時、相手がこの組み合わせならこの戦法は効果的なのか。って、このタイミングでエピデミック!?あー……もう一回やってみよう……
みたいな事を楽しんでいます。
・ダイスロールをうまく使う
1番難しい部分が、知ってしまっている位置情報をどう「知らない事にするか」です
最初はもう見えてても難易度変わらない?
むしろ見えていても大丈夫な位バイオテロリスト側は容赦無いぞ?と感じていたのですが、
TRPGなどで使われる様なダイスロールを導入する事で、「自分達がバイオテロリスト側の作戦の意図に気付けるかどうか」や、「状況から移動先はこの◯箇所の都市のどこかでしかない。見つけられるか」などをダイスロールで判定するルールの導入を探っています。
今のところは結局、拘束に手が回らない事も多いため、見えたままでやっていますが、今後はその辺りも詰めて楽しんでいければと思っています。
そういう意味では、ソロなのに1番長く楽しめそうなのが、PvPであるはずのこのルールであるというのが
今拡張の1番の嬉しい誤算です。
問題は、あまり人気の無いルールなのか、情報がほとんど入手出来ない部分ですね。
例えば、変異種ルールとバイオテロリストチャレンジルールの併用はどうなるかとか、
そういった情報はなかなか手に入りません
もっともそんなルールでやる機会はまずないかと思いますので、困る事もありませんが。
バイオテロリストが強すぎるという方は、冒頭の、プレーヤー全員が終わってからバイオテロリストのターンのルールで遊んでみるのも良いと思います。
☆★☆あると便利なアイテム☆★☆
【注意】公式ではない別売りのアイテムです。
猛毒株のルールの際に、「どのウイルスが猛毒株だったか」というのを示すアイテムが無い為、
わからなくならないように何かしらの工夫が必要になります。
最初は、該当のウイルスの色の治療薬の上に、おはじきや使っていないコマを乗せたりしていたのですが、
このサイコロを感染率コマの代わりに使う事で、猛毒株処理の見落としが無くなりました。
※画像は猛毒株が青ウィルスだった場合の例
6面中5色がウイルスのコマの色という、『パンデミック』にもってこいのアイテムなので重宝しています。
これを使ったオリジナルルールなんかも出来そうですね。
こちらは、おはじきを使った猛毒株表示の活用方法の例
透けて見える感染マークが禍々しくなってこちらも好きな表示方法です。
5色準備しておく必要がありますが、ボードゲーム好きな人は既にお持ちの方も多いと思いますしお勧めです(紫が猛毒株になるのは併用した場合のみなので実際には基本4色で大丈夫です)
☆★☆今回の困った事☆★☆
◎カードの裏面の印刷が薄い問題
上が今回以降の拡張版の背面
下段が前作『パンデミック 新たなる挑戦』の裏面です。
明らかに薄いですよね。
ただ、前作のレビューでも書きましたが、こちらは仕様ですので、交換出来ません。
私は画像の様にそれぞれ青と緑のスリーブを使用する事でゲームには支障無く楽しめています。
元々スリーブを付ける派の自分としては、さほど減点要素としては捉えていません。
キャラクターカードも若干濃さが異なりますが、これは殆どゲーム性に影響が無い為、透明で問題無くプレーしています。
なお、必要なスリーブの枚数は、今後の拡張も含めて、
前作の『パンデミック 新たなる試練』のレビューに記載させて頂いていますので、
興味のある方はそちらもご参照ください。
◎コマの色似過ぎてる問題
今でも苦労しているのは、キャラクターコマの色が似過ぎている事。
疫学者、防疫の専門家、研究員はカードの色とコマの色がかなり違い、最初探すのに手間取りました。
一応、前作のキャラは左側の様に顔がまんまるで、
今作に追加されたキャラは右の様に少し縦長なんですが、
熱中してたら普通に見逃します……
何か良い解決策が無いものか
☆★☆︎総評☆★☆
9/10
マイナス1の理由は、
先述のコンポーネントの不備(カード裏面の薄さ、猛毒株の表示の工夫、キャラクターコマの色など)
あとは、前回と同様に正確なルールの把握が困難なところでしょうか
特にキャラクターの特殊能力とイベントカード、猛毒株の効果などが組み合わさると判断に迷うことがあります。
それ以外のゲーム性に関しては、不満が無く楽しめています。
猛毒株、変異種はそれぞれ違う難易度の変化を感じさせてくれましたし、「ソロ用」として買った時には度外視していたバイオテロリストチャレンジがソロでも予想以上に楽しめたのは嬉しい誤算でした。
前作を楽しめた方なら、まず間違いなく買って損はないと思う拡張です。
まだまだ楽しめそうではありますが、
なにやら、新しい治療薬の作り方が見つかった様で、「科学がまた一歩先に進んでいる様子」ですので、そちらに出向かねばなりません。
そちらの話もまた、機会があればお話し出来ればと考えています。
協力ゲームとして有名な『パンデミック』ですが、
本拡張で本来の魅力以外にも可能性を可能性を感じさせてくれます。
この面白さ、一人でも多くの方に『感染』しますように!
- 196興味あり
- 501経験あり
- 144お気に入り
- 830持ってる
3年前の当時ですが、楽天市場で購入したものです
購入履歴から商品を確認しましたが、あいにく今は売り切れになってしまっている様です
https://item.rakuten.co.jp/headwear/8888207/?scid=s_kwa_pla
商品のリンク先の画像を使って、画像検索をしたところ、
海外のサイトではまだ入手出来そうなところは見つかりましたが、国内では見つけられませんでした
お力になれず申し訳ないです
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