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  • 1人~4人
  • 60分~120分
  • 14歳~
  • 2021年~

フロストヘイヴンねぎとろまつりさんのレビュー

161名
2名
0
20日前

人生の幾分かを使用するボードゲーム

(2026/09/03時点)

本レビューはフロストヘイヴンを2名で遊んでいて気になった点、面白い点、長く続けるために工夫すべき点などを紹介します。従ってルール説明やキャラクターの紹介は行いません。内容については発売元のHobbyJapanに特設ページがありますのでそちらをご確認ください。


4Gamer.net ゲームレポ

こちらもプレイ感が伝わりやすく記載されています。


私自身、購入するかどうかの判断でレビューを見たかったのですが、日本語版のレビューはあまりありませんでした。ですので、実際どんなところが面白いのか、大変なのかなどを記載して、今後購入を検討される方が後悔しないようにできればと思います。公平を期したレビューを意識しますが、少しおすすめ寄りになるかもしれませんがご了承ください。

願わくば本レビューのおかげでフロストヘイブン人口が増え、3人以上でのプレイができることを夢見ています。

果たしてどれほどの人が完走まで辿り着くのでしょうか...


■レビュー時点の進捗

1年ほど前に購入し、友人1名と1〜2回/月(1回8〜10時間)のペースで進めています。シナリオ約140のうち約20クリア。このままのペースだと完走まで5年以上は掛かりそうです。

シリーズは初プレイでグルームヘイヴン、獅子のアギトは遊んでいません。他のボードゲームもちょくちょく遊ぶくらいの経験はあります。

先に気になった点を書いて、後半に面白い点を書きます。既に興味のある方は販売元公式サイトなどは見ていると思いますので、この順番となります。気になった点を許容できるのならば、長く続けることができるのではないでしょうか。


■気になった点

ボードゲームの特性上どうしようもない点もありますが、いくつかの点は運用で改善できる点もあるので、そちらは後述の工夫できる点に記載します。


・準備に時間がかかる

遊ぶハードルを最も上げている点です。とにかく色々と準備に時間がかかります。初めて箱を開くと内容物の確認とパンチボードからコマ類をくり抜く作業に追われます。下手をすると半日かかりますがこれはまだ一回しかないのでデザインを見ながら楽しめます。

問題は毎回の準備です。シナリオを始める場合、自分のキャラクターのセット、敵キャラクターのセット、盤面の準備などとにかく物が多いです。慣れてくれば30分かからずにできますが、最初は何が必要かわからずに説明書を見ながら準備を行わなければならず、1時間弱かかるかもしれません。また、シナリオ毎に特殊ルールがある場合が多く、内容を理解するのにも時間がかかります。数をこなして慣れるしかないことも多いと感じます。毎回遊ぶ際は時間を確保しましょう。


・基本ルールが複雑すぎる

ルールブックが80ページほどあります。必ず読まないといけないページはざっくり50ページだとしても、非常に重いです。1回だけ読んで理解できる人はまずいないでしょう。私自身、ルールブックは10回ぐらい読み直していると思います。いままで何かしらRPG(ボードゲームかデジタルゲームか問わず)をやったことがある人はなんとなくわかる部分は多いと思います(毒の状態異常が"全攻撃に+1ダメージ"など変則的な部分も多々ありますが)。

ですが、そのような人でも細かいルールが多すぎて「この場面はどう判断(解釈)するか?」を問われる場面は必ず来ます。ルールブックを読んでも自分たちが知りたい部分まで記載がないことが多々あります。どこまで自分たちの判断で許容するかは決めておくことが重要です。


・1シナリオが長い

シナリオは複雑度が1〜3まで設定されており、特殊ルールが多く存在します。複雑度によって1シナリオの長さが決まります。慣れにもよりますが複雑度1でも1時間、複雑度3にいたっては2時間かかることもザラにあります。(これは2人プレイでの長さです。人数が増えるごとに時間は増していくでしょう。)

さらに後述しますが難易度が高いです。シナリオ終盤で失敗すると2時間の道程が水の泡となり、虚しさに襲われます。(今までで1番大変だったシナリオは、複雑度2で3回失敗し4回目でクリアしたときで、1日8時間遊んで1シナリオしかクリアできませんでした。。)

それでも試行錯誤して、運にも恵まれて逆境からクリアできた時はそれなりにやりがいはあります。


・難易度が高い

今までゲームは数多く遊んできた自負はありましたが、とにかく難しいです。運の要素もありますが、ほぼ自力が試されます。自分が使うキャラクターの役割は何か?という理解が結果に直結するため、最初は失敗も多いでしょう。キャラクターのレベルがあがるとできることが増え、どんどん面白くなります。自分が使いたいキャラクターと操作難易度は必ずしも一致しないので、何度か操作してうまくいかない場合は別のキャラクターの使用をおすすめします。(私自身、デスウォーカーを使いましたがうまくいかなかったため、ブリンクブレードにキャラクター変更を行いました。)ルール上、キャラクター変更はOKと明示されているためご安心ください。


・シナリオの文章が難しい/長い

これは苦痛にならない人は多いと思います。ただシナリオのクリアに3時間かかったあとにA4 1ページにびっしり書かれた文章を読む気力はなかなかありません。

あと、言い回しが難しい言葉が多く普段使わない単語が多く出てくるので意味がわからない人は多い気がします(これは私の知識不足もありますが)。


・遊ぶ場所を選ぶ

一式で10キロを超えるため、気軽に持ち運びできません。つまり、購入した人の家で基本的には遊ぶことになります。集合場所が限られるため、他のボードゲームのように持ち運んで別の場所で遊ぶことが難しいです。これが進みを遅くする要因の一つです。対策として、キャリーできる台車を購入することが挙げられますが、注意点として天地無用ではないことです。箱が斜めになったり逆さになったりすると、内容物が混ざります。特に、武器/防具/アイテムカードの山は開封後に縛るものが存在しないため、何もしないと完全に混ざります。300枚弱あるので、ソート作業が1時間弱かかります。これを2回程してしまい心が折れかけました。こちらの対策としては、アイテムカード1式を輪ゴムで縛ったり、収納しておくプラスチックトレイに自作の蓋をつけるなどが有効です。

ダンボールを切り取り、蓋をしました。


■面白い点

ここまで気になった点を読んできてもまだ耐えられる人は楽しめると思います。1番面白いのはシナリオプレイだと思います。複雑なルールは戦略の幅をもたらしてくれるので、刺さる人には刺さります。何度失敗してもチャレンジしようと思うのはやはりシナリオプレイが面白いからです。フロストヘイブンの再建も楽しいですが、やっぱりキャラクターを操作しているときが一番楽しいです。


・非常に戦略的なゲーム

初めに解放されている6クラスだけでも個性がバラエティに富んでいます。どんどんとクラス解放がされていきますが、解放された時点で内容物を見ていいので、ワクワクが止まりません。キャラクターの能力カードを眺めながら、どのようなカードの出し方で最大の成果を上げられるかを考えるのも一つの楽しみです。また、複数人でプレイする場合は、他のキャラクターとのシナジーを考えてキャラクター選択を行うことで、協力プレイの醍醐味を味わえます。間違いなくこの部分については他のゲームよりも優れている点です。4人で遊んだらどれほど面白いでしょうか(時間は今までの倍掛かりそうな気がしますが、、)。


能力カードの写真を撮っていつでも確認できるようにしています。


・経験値の獲得が敵の撃破ではない

キャラクターレベルを上げるには経験値が必要ですが、経験値を得るにはシナリオ中のカードプレイが主になります。その方法もキャラクターの個性に合わせてプレイするとより得られる仕組みになっているため、ただ攻撃が高く敵を倒せるキャラクターがより育つ、ということがありません。自分は味方の支援や敵の妨害に専念したい、という方でもしっかりと活躍でき、専念できるところは秀逸です(例えば初期キャラクターのドリフターは継続ボーナスの行動を行うと経験値が得られる、など)。


移動能力を向上させる能力を使用し続けると経験値が得られます。


・戦略的だが運要素もある

攻撃時の攻撃修正によって運要素が補完されている点は絶妙です。ただ上手い人だけが活躍するのではなく、誰でも成功/失敗の可能性がある点は楽しさを高めてくれます。ただ、このシステムによりシナリオクリア直前に泣くこともあるので、運命を受け入れられる度量は必要です。

また、敵の行動も自分たちの行動の開示と同時に開示されるため、攻撃してくるのか?妨害してくるのか?が分からず、上手くいくこともあれば、自分の行動が敵の行動と全く噛み合わないこともあります。

両方ともキャラクターレベルが上がることで多少は改善されるので、そこもちょうどいいです。


・「完全」協力ゲームではない

各シナリオではそれぞれのプレイヤーに戦闘任務が与えられます。この戦闘任務は仲間に見せることが禁じららているため、味方が戦闘任務をクリアしようと動くと自分の戦略が崩れることがあります。端からみると最善手ではないのですが、それがいい塩梅です。彼らは傭兵なので、利己的な行動を取るのは当たり前です。各人が戦闘任務をクリアしながらシナリオをクリアできると達成感が倍増します(戦闘任務達成を目指してシナリオ失敗も時には発生するかもしれませんが)。


・拡張要素

フロストヘイヴンの再建により施設が増えていきます。正直まだそんなに解放されていませんが、まだまだ拡張要素が多そうでワクワクできます。また、内容物を見ればわかりますが、他にもシナリオプレイにも影響を与える拡張要素もありそうなので、早く解放されないかと楽しみです。


・世界観/キャラクターが素晴らしい

シナリオやキャラクターごとの背景などがかっこいいです。世界観の統一がなされており、物語に引き込まれます。また、各キャラクターの能力カードの名前がかっこいいです。カード能力名でそのキャラクターがどのような行動を取っているかを空想するのも楽しみ方の一つです。キャラクターになりきってゲームを楽しむ、ロールプレイングの醍醐味が味わえます。



・デザイン/小物がかっこいい

キャラクターボード、敵キャラクターのデザイン、状態異常の表示コマ、ワールドマップなどが世界観にあっており、気持ちを高めてくれます。ただ、残念な点が2つあります。1つ目はキャラクターコマの着色がないことです。これは金額的にしょうがないのでしょうが、シナリオプレイ中に置かれたキャラクターコマがすべて同じ色になので、せめてキャラクターカラーの単色などであったほうが良かったな、と思いました。2点目はダメージトークンが1、3、10、20、100となっている点です。敵の残HPの管理に主に使いますが、5ではなく3の為管理が煩雑になっている印象です。特に敵のHPが上がってくる高難易度のシナリオは置けるスペースも限られているため、視認性が悪いです。次回作が出るなら1、5、10にしてほしいです。


■工夫すべき点

ここからは実際に購入して遊ぶ際、長く続けるためのヒントを書いていければと思います。何度も書いていますがとにかく何でも時間がかかります。どこまでいらない部分に時間をかけないようにできるか、シナリオプレイに時間をかけられるかが重要です。(シナリオプレイ中は1手のミスが命取りになります。時には熟考する必要も出てくるため、この部分の時短はしないほうがよいと思います。)


・箱にすべて入れない

私はシナリオで使用するボード、敵キャラクターのコマ/能力カードはファイリングして保存しています。理由は最初に入っている箱にすべて入れようとすると入らないからです。最初に梱包されている状態から開封すると間違いなく嵩が増します。隙間なく入れようとすると時間がかかります。ですので下記の画像のように別で管理することをおすすめします。

シナリオボードは市販のファイルを改造して保管


・敵キャラクターのコマをごちゃまぜで管理しない。

敵キャラクターは数が多くおり、シナリオではその中から4体ほどを使用します。一体毎に8枚の能力カードとコマ(6〜10枚)を準備する必要があります。残念なことにこれらを管理するBOXなどは付属していません。適当に管理していると毎回のシナリオで宝探しをしなければならなくなります。端からみると似ている敵も多いので時間がかかります。最初はジッパーで保管してみましたが時間がかかりすぎるのでファイリングに変えたところ、大きく時間短縮となりました。

100円均一で購入したファイルを使用。敵キャラコマ/能力カードを小枠で保管。上は空いている為、逆さにしたり倒れないように細心の注意をはらいます。

100円均一や雑貨屋でお気に入りのファイルを購入し、時短を図りましょう。


・役割分担をする

ルールが複雑な点以外にもダメージ計算のためにトークンを置いたり、コマを追加で引いたりゲーム進行では多くの作業を行わなければなりません。一人だけがルールを覚えていても負担が重いです。メインでルールを理解している人以外の動きが重要です。追加のコマを配置する人、ダメージトークンを置く人、戦利品カードを管理する人など、役割分担をすることでスムーズに進行することができます。

シナリオ終盤のテーブルの上


・誰かのせいにしない

シナリオ失敗はよく発生します。特にシナリオ内で次の扉が開かれるまで何が起こるかわからないことが多く、開扉時点で詰みに近い盤面になることもあります。その際は誰かのせいにするのは控えましょう。結局このボードゲームを(複数名で)長く続けるには一緒に遊んでくれる友人を確保することが一番大切です。友人がいなければ成立しません。「次はこうしよう」「こうすればクリアできるか?」といった建設的な話をして進んでいきましょう。

■最後に

フロストヘイブンはそれ相応に人生の幾分の時間を消費することが前提とされているボードゲームです。フロストヘイブンをやらないだけでどれほど他のボードゲームが遊べるでしょうか。そのような考えがよぎることもありますが、それでも尚続けているのはやる価値があると思っているからです。

途中で辞めることも選択肢ですが、一度購入したら是非やり遂げてほしいです(私も道半ばですが)。誰かと長い年月を経てこのボードゲームを完遂した際には、きっと何かしら得るものがあるでしょう。

非常に高額なゲームですが、それ相応の体験ができることは間違いありません。是非一緒に乗り越える"友"を待っています。

※フロストヘイヴンでは、自身と味方を指す際は"友"、自身を含まず味方だけを指す際は"仲間"と表記します。

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