- 3人~5人
- 45分前後
- 17歳~
- 2023年~
デッドバイデイライト ボードゲーム白州さんのレビュー
6/10
日本語版が出たとのことで、レビューしてみる。限定版のコレクターズ・エディションをプレイ。
ちなみに自分は、本家のデッドバイデイライトは「殺人鬼vs生存者複数名で戦う」くらいしか知識はなく、プレイはもちろん、実況動画さえ見たことないです。
まず、ゲームとしては、1人の殺人鬼vs4人の生存者のチーム戦。スコットランドヤードみたいに勝利条件も違います。
殺人鬼は自分の手番終了時に、吊るした生存者の数だけもらえるチップを8枚集めれば勝ち、生存者は発電機を4個直した後に脱出ゲートも直すと勝ちです。
手番でやることはシンプルで、4種類の移動カードのうち、1枚を選んで伏せ、全員伏せたらオープンして、移動→アクションしていくだけです。ちなみに、殺人鬼は2枚伏せることができるので、実質2ターン移動します。まぁ、1vs4なので、妥当でしょう。
移動は必ず、生存者からで、殺人鬼は最後に移動します。こういうゲームって生存者側は自由に手番順決められそうですが、殺人鬼の左側にいるプレイヤーから時計回りで固定です。多分、手軽さやプレイしやすさを優先したと思われます。
ちなみに、殺人鬼は生存者に近づいて攻撃したいのですが、生存者がカードを伏せるときに一緒に伏せなければならず、ある程度、読み合いが必要になります。また、同じ移動カードは使えないので、生存者側も殺人鬼が2回の移動で移動できないルートがわかったりするので、ここらへんのバランスはいいですね。
他にも、移動には一方通行のルートもあれば、殺人鬼が破壊しないと通れないバリケード的なルートもあるので、いろいろ移動できそうに見えて、ほどよく選択肢が絞られており、遊びやすいです。
また、面白いのが、生存者側は自由に話し合って移動カードを決めたり、アクションの予定を話していいのですが、当然、殺人鬼も一緒にプレイしているので、話す内容が丸聞こえです(笑)※ノットアローンとかと同じタイプですね。
ここらへんは面白いのですが、カードを伏せるターンが「全員がカードを決めたら移動フェイズに移行」なので、「それって、話聞いて、カードを変えて、それを見てまたカードを変えて・・・みたいなことになるんじゃないの?」と始めたときは不安になりましたが、実際やってみると、わりと運の割合も多く、ガチゲーマーよりに調整されていないため、あんまり気になりませんでしたね。ここらへんの調整が、まさにデッドバイデイライトのファン向けって感じがします。
ちなみに、本家は生存者だけボイチャありでやると、難易度がぐっと下がる(そりゃそうだよね)みたいですが、殺人鬼も一緒に聞いてるってのがシュールですよね(笑)
さて、移動すると、移動場所にチップが複数枚置かれており、必ず、チップを1枚めくらなければなりません。
種類は4種類で、生存者のゴールに必要な発電機や脱出ゲートの黄色チップ(生存者に必須)、吊るすフックや呪いのトーテムが出る赤チップ(フックは殺人鬼に必須)、アイテムや隠れ場所のロッカーの青チップ(生存者有利)、1ターン増えたり殺人鬼の移動を妨害できる緑チップ(これも生存者有利)があり、それぞれ2種類ずつあります。
基本的に生存者側は黄色、殺人鬼側は赤をめくっていくのですが、狙ったやつが結構ほしかったやつと違うのが出てきたりするので、そこらへんも盛り上がります。
こういうタイプのゲームって、置いたチップに余りがあって、特定のチップが出ないみたいな調整にする場合が多いのですが、あえて、全部使って、カウンティングさせてくれるところも遊びやすくて好印象です。めくられればめくられるほど、あれはあそこにあると推理できるのがほどよいです。
さて、チップをめくったらアクションですが、基本的にめくられているチップのアクションができます。
当然、生存者側は発電機を見つけて、発電アクションをするのですが、サイコロを振って、1〜4が出たら1発電、5が出たら2発電、6が出たら失敗という、ほどよい運の割合になってます。
発電完了するためには3発電しないといけないので、失敗や大成功(2発電)したときは盛り上がりますね。
発電機を4個発電完了して、脱出ゲートも3回ダイス成功させたら、勝利なので、意外と早そうと思うのですが、実は、生存者側は同じ場所に居続けることができない(毎手番、必ず移動カードで別のエリアに移動しなければならない)ので、とどまって発電し続けることはできません。なので、自然にチームワークが必要になるところもよいです。ちなみに殺人鬼側は待機という同じ場所で再アクションできるので、ここもちょっとだけ殺人鬼の移動が有利なバランスもよいです。
さて、殺人鬼側ですが、チップのアクション以外に、基本的に生存者と同じ場所にいると、生存者を攻撃することができます。
生存者は攻撃されると負傷し、負傷した状態でさらにもう1度攻撃をうけると、フックに吊るされてしまいます。
なので、2ターン移動してくる殺人鬼に2発連続攻撃でフックに吊るされる(もちろん、移動カード+待機カードで、ちゃんとその場にいなければいけませんが)こともあるので、かなり緊張感があります。おまけに殺人鬼側は特殊能力チップ4枚消費でさらに1ターン追加で移動+アクションできるので、これまた怖いです。
吊るされるシステムも面白く、攻撃された場所と同じ場所にフックがあれば、すぐ吊るせますが、そこにない場合、運ばなければなりません。このとき、移動するスペースの数だけ、生存者はサイコロを振ることができ、5の目を出すと脱出できたりします(といっても1/6ですがw)。ここらへんの運の割合もほどよいですね。
あとは、各生存者や殺人鬼は固有の能力を3つずつ持っており、特殊能力チップを使うと(0のやつもある)、特殊能力を使えます。これに加え、殺人鬼はさらに強い能力を持ってます(ただ、特殊能力チップを使わない代わりにアクションとしてやらなければならない)。
ここらへんがリプレイ性をあげてますし、限定版ではびっくりするぐらいの特殊能力変更カードがありますw
あとは、プレイして思ったのが、バランス調整のテストプレイをしっかりやったんだろうなぁと感じましたね。
その理由として、本家は、生存者側は脱出ゲートから脱出しなければならないのに、ボードゲームでは、完成した瞬間に勝利する点や、本家は、殺人鬼側は制限時間以内に脱出させないではなく、いかに自分の手番の終わりに一定回数を吊るしたかを勝利の判定としている点です。
ここらへんは、デジタルゲームの人たちだけでつくったら、おそらく原作再現を重視して、微妙なゲームになっていた可能性があるのですが、あえて本家とルールを変えても優先させて、それがしっかりとしたバランスになっているので、さすがはLv99のデベロップだなぁとしみじみ感じました。
デジタルゲームのボードゲーム化って、もともと、ゲームが完成してるから、デジタルゲームの良さをそのままボードゲームに持ってきて、音楽なし、自動処理もなし、で面倒なだけの残念ゲームっていっぱいあるんですが、ボードゲームの良さを活かして、本家の再現性が高いのは、調整が素晴らしかったの一言に尽きるでしょう。
さて、ここまで良い面ばかり紹介してきましたが、悪い点もいくつか見受けられるので、そこも書いていきます。
まず1つ目、ルールがガバガバです。
明らかに特殊能力のオンパレードゲームなのに、そもそもルールブックが薄く(シンプルなルールなのは良いことなのだが)、こういうケースはどうするの?というのが、ゲームやってて4〜5回ありました。というか、ルールブックにない記述とか普通にカードに描かれてるので、終始、プレイヤー間で決めなければなりませんでした。
しかも、わりと1発の攻撃の成功失敗がでかいゲームなので、まぁいいやというレベルで見過ごせず、移動カードをオープンしてアクション決まってからそれがわかったりするので、やり直しもきかず、かなり微妙な空気が流れたりします。ここらへんは、もっとしっかりしてほしいというのが正直なところでしたね。
とはいえ、これは翻訳が悪いのではなく、多分、原文ルールが悪いんだろうと思います。
まぁ、KSのゲームって、とりあえず出してから、BGGのフォーラムとかでいろんな質問に答えていってまとめていく感じでやったりすることもあるし、それが普通みたいになってますが、それをふまえても、この人気タイトルでこのルールのガバガバさはひどいと思います。久々にこんなに穴だらけのルールのゲームを遊んだなぁと感じるレベルです。特殊カードがびっくりするぐらい、マジで多いので、いつQ&Aが完成するのかと思っちゃいますw
まぁ、ゲームが面白くなくなるわけではないので、ギリ許容範囲ですかね。せっかくなら、ここらへん、しっかり整理してほしかったところではありますが。
2つ目、本家の悪い部分がボードゲームで特に目立つ(1回休みがあったり、最後の盛り上がりが欠けたりする)
これは本家もそうだと思うので、しょうがないですが、吊るされている人は当然、助けてもらうまで、何もできません。暇です。
このゲーム、助けないで放置すると、殺人鬼の勝利に必要なチップが、吊るされ続けている人の分もカウントされてしまうので、基本、助けにいくようにつくられています(助けると、フリーアクションで移動もできるので、殺人鬼との読み合いになるようになってます)。
ただ、仮に助けてもらって、逃げられたとしても、最終手番が殺人鬼で、しかもすでに移動カードを伏せている状態なので、「逃げた人がかわいそうだから、見逃す」というのが、移動カードによって、無理だったりします。
なので、再び捕まって吊るされるケースも普通にありますし、遊んだときも実際そうなりました。なので、また捕まえるとまた暇になるので、そうなったプレイヤーはたまったものではありません。
本家もそうなので、忠実に再現できていると考えれば、見方はいいですが、ボードゲームとして見ると、2回連続で捕まったとすれば、実質、2回休みなので、きついですよね。殺人鬼側も2回休みはかわいそうだから見逃すとか、そんなことしてる余裕が全くないのが、またきついです(自分は3回くらいしか遊んでませんが、なれると殺人鬼側が不利みたいなので、なおさら)。
あと、1回休みとは別にもう1つ、途中の読み合いが重要すぎて、ゲーム後半はほぼ、どっちが勝つかわかりきってるため、流す感じになりやすい点も気になりました。
ぶっちゃけ、今回のゲーム、◯◯側がほぼ負けだからもうやんなくてよくねって、なんとなくみんな思ってしまって、流してしまい、全然盛り上がらなかったりします。ゲームのラストが盛り上がらないのは、個人的にネックでしたね。
一応、アイテムカードとかチップとか、サイコロの運とかで、100%勝利というわけではないのですが、それでも95%以上は勝利みたいな感じなので、そう思うのはしかたないです。なので、最後の方に盛り上がるのではなく、流しみたいになるのは、もったいないな〜と感じました。まぁ、これもしょうがないといえば、しょうがないですが。
そして、3つ目はフィギュア関連。
人型フィギュアがどれも、無着色で同じくらいの大きさなので、どれがどれだかわかりづらいです。
普通、人型フィギュアがつくゲームって、フィギュア全体が赤とか青とか色がついてて、それで見分けるか、土台にプレイヤーカラーのものをつけて、見分けることが多いのですが、このゲーム、全プレイヤーが無着色のフィギュアでプレイし、それがエリア内をがんがん移動するので、ぶっちゃけ、今までやったどのゲームよりも、どのフィギュアがどれなのか、わかりづらかったです。
こうなってしまったのには理由があって、たくさんいる生存者から4名を選ぶ必要があるので、キャラクターに色をつけられなかったこと(例えば、赤のキャラクターが2人いたら、その2人が同じゲームで使うと見分けがつかず、色をつける意味がなくなるので)、そしてもう1つが、土台が負傷の表現をしているためです。負傷が土台でなければ、プレイヤーカラーの土台をつけることで解決したと思いますが、1発のダメージを土台で表現したため、全キャラクターが無着色となり、それでプレイするという珍しいケースができあがったのだと思います。まぁ、マニアなら着色するのかもしれませんがw
それはさておき、フィギュアをそのまま遊ぶと、大きさや見た目が似たような形のコマが4人もいると、想像以上に遊びづらかったです。殺人鬼側からしても、あの能力持ってると強いからこいつ吊るそうと思っても、ひと目でわかりづらく、いちいち確認しなければならなかったのもテンポを悪くしてましたね。
また、個人的には、コレクターズ・エディション限定になりますが、脱出ゲートのフィギュアとか、一部のプレイヤーキャラのフィギュアがないなど、せっかく1億もクラファンで集めたのに、このフィギュアがないの!?ということに驚きました(笑)
限定版には、発電機フィギュアがついており、発電するたびに発電機にコマを指して、充電してる感の演出が素晴らしいのですが、肝心の最後の脱出ゲートのフィギュアがないので、初プレイのとき、よし!発電機の準備終わった!脱出ゲートはどこだ!?と世界観どっぷりで楽しんでたのに「いや、フィギュアないので、この脱出ゲートチップでやってください」と説明されたときは萎えました(笑)いや、クオリティ高くて、それなりにデカい発電機8個も入ってて、かなりスペースとるくらいがんばってるなら、脱出ゲートくらい用意しろよwと思ってしまいました・・・。
あと、限定版は人も殺人鬼の数も多いが、一部のプレイヤーキャラのシートはあるのにコマがないみたいです(自分はどれがどのコマかすらわからなかったのですが、持ち主が言ってました)。つまり、他のキャラで代用です。いいのかそれで(笑)→コメントで発電機の下側にフィギュアが入ってるそうでw。いや、普通わからないと思うw
とまぁ、いろいろ書きましたが、総評としては、ボードゲームとしての評価は6、フィギュアとかの豪華さや世界観で+1、ルールのガバガバさとかの欠点で−1といったところですかね。
とはいえ、デッドバイデイライトのファンがやれば、面白いのは間違いないし、多分欲しいと思うはず。
自分もこのゲームきっかけで、今までよりずっと興味持ちましたし。
そういう意味では、制作側としては成功だろうし、わりとシンプルにつくられてるのも素晴らしいと思います。
ただ、通常版は生存者や殺人鬼側は6体とかしか入ってないのに、限定版は倍以上いるし、発電機とかフックのフィギュアがない(フックは、プレイヤーキャラをリアルに吊るすことができるので、あるとないとでは、絶対世界観への没入が変わる!)ので、買うなら、そりゃ限定版だよなぁ・・・と思う気がする。でも、限定版はもう、多分でないんだよね(限定版だしw)。これが通常版遊ぶと、どんなギャップが来るのか逆に気になるレベル。
なので、今後、通常版と限定版がどのように展開されていくのか(限定版はしない可能性高いだろうが、こっち欲しい人が圧倒的多数のはず)、いろいろ気になるところではあります。
最後にまとめると、デッドバイデイライトファンならプレイして絶対ハズレなし、ボードゲーマーもそれなりに楽しめるって感じのゲームなので、興味ある人ならやってみる価値のあるゲームだと思います。
- 79興味あり
- 226経験あり
- 53お気に入り
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