ブレーメンレース白州さんのレビュー

6/10

ゴーストリフトで話題になった500円ゲームで有名なデザイナーの過去に話題になった作品の１つ。

普通の500円ゲームよりも明らかに豪華なのがわかるチップや木製コマが入っているのが印象的。

テーマ背景も悪い人たちをやっつけたブレーメンたちが、それで手に入れたお金を使い尽くして、「レース大会開いて、観客に楽しんでもらえば、お金稼げるんじゃね？」と言い出し、なぜかネズミと象も仲間に加わって予想レースが始まるというもので（童話の世界観台無しだが笑）、なかなか凝っているテーマ背景が個人的には好きだ。

さて、このゲーム、やることは動物の予想をあてることで、動物は全部で６種類で、大きさ順に数字がついている。

毎回、手番プレイヤーがサイコロを２個振って、出ためにそって動物たちが進む。

こういうゲームはプレイヤーが何かしらの思惑があって、カードを使って動かしたりするゲームが多いが、このゲームは運が強めになっており、手軽にギャンブルを楽しめる設計になっている。

面白いのが予想のやりかたで、レースなので、6匹の順位を決めるわけだが、１〜６の動物カードを自分の前に並べて予想する。

ゲームの最初は、好きなように動物カードを並べるのだが、当然、ゲーム中は、動物が動くので、最初の予想は、ほぼ当てにならない。

なので、レースの流れにそって、6枚の順位予想カードを変えていくのだが、予想カードは、隣あったカードしか交換することしかできない。つまり、自由に並べ替えることはできない。

しかも、最初はカードを非公開で予想しているのだが、非公開だと、あくまで「予想（仮）」のため、あたったとしてもお金にならず、「予想（仮）」を確定させるには、カードを公開しなければならない。

しかし、カードを公開すると、今度は、公開したカードの順位は変えることができなくなる点と、既に公開された動物と同じ順位を後から公開することができないという点が、なかなかユニークで面白く、この点が一部のマニアで話題にもなった。

終了条件も１匹でもゴールしたら終了なので、なかなかスリリングで、500円ゲームながら、一昔のゲーマーが好みそうなジレンマがたっぷりのゲーム。

個人的には他プレイヤーの流れにそって、結果が決まってしまうタイプのゲームがあまり好みでないので、このくらいの評価ではあるが、冷静にこうしてレビューしてみると、人気があるのも頷ける作品。