「カタンの開拓者たち」のライセンス契約を受けて作られたゲームです。ルールはほぼカタンと同じなので、主な異なる点だけを紹介します。
⚫勝利条件が違う。カタンでは10勝利点が必要ですが、このゲームでは12勝利点が必要です。また、後述のエルサレムマスが全て埋まったら終了という、特殊ルールもあります。ボード脇には得点レーンがあるので、すぐに全員の勝利点が分かります。
⚫地形や数字部分が固定化したボードになっている。おかげでガリラヤ湖や死海がほぼ地図帳通りの位置にあります。獲得資源の種類もカタンと同じですが、ボード上方(おそらくキリスト生誕の地)に「10・オレンジ色」の土地があり、10が出たら好きな資源が獲得できるようになってます。
⚫エルサレムの存在。ボードの下方にはエルサレムがあり、ここに隣接するような建物を持っていると、王に貢ぎ物ができます。土と鉄をセットで捨て札にすると、エルサレムマスに自分の色の王冠チップが置かれ、最大数の人が「王の恵み」という大きなタイルを獲得します。2勝利点になる上に、そのタイルの下に資源カードを敷き、丸い穴から見える資源が2:1交換できるようになります。自分の建物が接してない場合でも、エルサレムに隣接する建物を持つプレーヤーと道がつながっているなら、好きな資源カード1枚を通行料として支払うことで、貢ぎ物ができるようになります。
⚫「7」の出目がでると、疫病が発生する。効果はカタンの盗賊と同じです。ただエルサレムマスに黒の王冠チップが置かれ、他の王冠チップも合わせ、エルサレムマスが全部埋まると即座にゲームが終了し、その時点で得点の高い人が勝利します。なお、疫病は「騎士カード」でなく、「僧侶カード」で取り除かれます。
⚫発展カードがバラエティ豊か。本家のカタンより種類が豊富です。例えば「預言者。ダイスロール前なら好きな出目にできる」「ギベオン人の策略。誰かの発展カードを見て1枚奪う」「デボラの歌。全てのプレーヤーは好きな資源を1つもらう」などがあります。
本家のカタンは大体一時間プレーで、拡張になると90分程かかりますが、このゲームは、一時間で終了する手軽なゲームです。
旧約聖書を知らなくても、変わり種カタンとして楽しめると思います。「『カタンの開拓者たち』でなく、『カナンの開拓者』って、ダジャレなの?」って気になったら、いつもとちょっと違う不思議なカタンにチャレンジしてみませんか?
上記文章の執筆にご協力くださった方- たろう