タイトルを翻訳すると「枢軸国と連合国 太平洋 1940年」です。
日本を軸に第二次世界大戦を題材とした戦略ボードゲームです。
日本対周辺国すべてという構図で、タイトルでは太平洋と言っていますが、正確には大東亜戦争と呼ぶ方が近く、当時の日本軍が手を伸ばしていたインドやオーストラリアまで含みます。
プレイヤーはまず日本か連合国側かを選び、3人以上でプレイするなら、一人が1国または複数国を担当して国ごとにプレイします。
テレビゲームの戦略SLGをそのまま盤面に落とし込んだような実に緻密なゲームとなっており、各種兵器、当時の世界情勢などを盤面に再現しています。
兵站の概念はありませんが、資源獲得、兵器開発、製造などの内政分野もあります。
また、ゲーム開始時はアメリカとロシアが静観していたり、植民地や資源獲得などの歴史的背景も反映させた作りになっています。
第二次世界大戦を忠実に再現した対戦型戦略SLGならテレビゲームで名作が多く出ていますが、やはりアナログにはアナログの良さがあるもので、実際に盤面で兵を、駒を進めて行く楽しさはまた別物だと思います。戦闘結果はサイコロが左右しますので、戦車5部隊が歩兵1部隊に全滅させられるなど、コンピュータ処理では絶対にあり得ない戦果が出たりするのも、またアナログゲームの妙だったりします。
姉妹作の「アクシス & アライズ ヨーロッパ 1940」と合体させて、全世界を舞台にした第二次世界大戦を忠実に再現させることができます。合わせて畳一畳分にもなるボードを広げて枢軸国と連合国が世界の覇権を賭けて争うスケールの大きさは、やりごたえがあるどころではありません。プレイが2〜3日がかりになるのは難点ですが、勝っても負けても、それを超える充実感があります。
もしプレイするなら、是非両作を合わせてプレイしてみてください。
最大の問題点は、日本語の説明書がないことです。プレイヤー全員が英語に堪能ならばいいのですが、A4版で挿絵もほとんどない50ページ近い英語の説明書を読み込み、さらに他のプレイヤーに教えなければならないというのは敷居が高すぎるというレベルではありません。
ルールブックなしに口頭で説明しながらプレイすると、その説明プレイだけで数時間はかかりますし、一度の説明で覚えられる量ではありません。ルールが緻密であればあるほど、全員がルールを熟知していなければ面白みが半減します。
私の初回プレイ時は一ヶ月がかりで翻訳して事前に手製の日本語ルールブックを仲間に配り、丸一日がかりでルール確認のプレイをしてからのスタートとなりました。
その労力に見合うほど面白いかと言われると困るのですが、完全日本語版が出たなら、自信を持って面白いとオススメできるゲームです。