ツィフ・ツォフ白州さんのレビュー

7/10

ごきぶりポーカーのデザイナーの超シンプルな２人用心理戦ゲーム。

まるでギャンブラー「カ◯ジ」の何かをやらせれているような感覚に陥る、ひりひりとした心理戦を味わえる。

やることはとってもシンプルで、手札には１〜６と☓カードが２枚あって、好きなカードを選び、２人とも伏せたら同時にオープン。数字が大きい方が少ない方との差分、進むことができて、２０マス先に進んだ方が勝ちというもの。もちろん、１回使ったカードは使えない。

そんなのゲームになるの？と思うかもしれないが、そこに３つのスパイスがうまく組み合わさっていて、面白くしている。

まず１つめがタイトルにもなっている「ツィフツォフ」を宣言できること。

これは２人とも伏せた後、カードがオープンする前に宣言できるのだが、もし、宣言した方が数字が大きかった場合、＋１歩進めることができるというもの。

これがあるおかげで、言うべきか言わないべきかみたいな選択を毎回迫られることになる笑

そしてもう１つが☓カードの存在。

このカードは相手がどんなカードを出しても帳消しにしてしまう。だから６とか合わせたい。

それに加えて、相手がツィフツォフを宣言した場合、自分だけ＋１歩進めさせる効果も持っている。

☓カードは８枚中２枚あるから、いつどこで相手が使ってくるのか？というヒリヒリとした駆け引きを味わうことができるだろう。

そして最後にこのゲームのゴール条件である20マス。

これが意外と効いていて、なぜかというと、当然のことながら、８枚のカード全てを使うだけでは、ゴールすることができない。

そして８枚のカードを全て使うとどうなるかというと、それが全て手札に戻ってくるのだ！

また、あのキツイ心理戦を１からやり直し！しかも、１回目があるからそれに引っ張られる！

超シンプルなゲームなのに、ここまでの心理戦を生み出すか！と久々に感動したゲーム。

もともと、web上では、あまり評価のよくないゲームだったので、そこまで期待していたわけでもなかったのも、少しはきいていると思うが、それをふまえても、とても面白いゲームだと思う。

ただ、ハゲタカやガイスター、ごきぶりポーカーなど、これって他の人の出したカード次第で戦略もあったもんじゃないよねと考えている人は全く向いていない。

むしろ、それらのような心理戦王道ゲームが大好きで、ゲームシステムよりかは、人との心理戦の駆け引きに面白さを感じる人にはオススメできる。

本当にカ◯ジで勝負しているような感覚だったので、カ◯ジファンにもオススメできるかな。

ただ、今となってはあまり流通していないのが残念。

これを持っているほどのゲーマーの方は、多分、このゲームあまり好きじゃない可能性が高そうだから、そういう意味で、見かけることはかなり難しいと思うが、もし「カ◯ジ」くらいのとってもシンプルだけど奥深い心理戦ゲームが好きな人は機会があったら、ぜひ一度体験してみて欲しいカードゲーム。