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  • 2人~4人
  • 60分~120分
  • 10歳~
  • 2011年~

ヴィンテージchacoさんのレビュー

73名
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約1年前
 スペインに水源を持つ全長897kmのドゥエロ川は、ポルトガルに入ってドウロ川と名前を変え、ポルト港の南側で大西洋に注ぎます。ポルトガル国内での上流部分は葡萄の栽培に適した地形をしており、世界中のワイン生産地で、ここだけとも言える80種類以上の品種が認可されています(とは言っても、多国籍企業が進出して来た1970年代以降は、ゲームに登場するトゥーリガ・フランカ、ティント・カン、ティンタ・バロッカ、ティンタ・ロリス、トゥーリガ・ナショナルの5品種以外は古木と呼ばれる珍しい存在になりました)。『Vintage』はポートワインをテーマにした他人数ゲームですが、ポートワインを名乗るためには厳格な規定が存在します。まず、アルト・ドウロ地区で栽培された葡萄を使用すること。降水量や気温の違いで、より下流の方から順番にバイショ・コルゴ、シマ・コルゴ、ドウロスペリオールと言った3ヶ所のサブリージョンに区別されており、ゲームでもシマ・コルゴでしか栽培できない葡萄の古木が登場します。ポートワインは酒精強化ワインなので、発酵中の糖分が残っている内にブランデーを加えることで、酵母の働きを止め無ければなりません。ゲームでもプレイヤー自身でブランデーを生産する必要があります。そして、ドウロ川を挟んでポルト港の対岸に位置するヴィラ・デ・ノヴァ・ガイアまで運び、そこで熟成させなければなりませんが、ゲームにおいて意外と厄介なのが、この条件なのです。各プレイヤーはラベロ船駒を1個ずつ保有しており、下流に向かうのであれば一気に河口まで移動できるのですが、最も上流のドウロスペリオールまで戻すためには3ターンを必要とします。なにしろ、ラベロ船を移動させるには、アクションマーカーが必須(=他のアクションであれば使用できる監督者ミープルの使用が禁止)となっており、万が一にも当該ターンにおける4人目の移動ともなってしまえば、アクションマーカーをまとめて4個も消費してしまうのです。ゲーム開始時点で、プレイヤーは最もVPの低い葡萄しか栽培できないバイショ・コルゴにしか葡萄畑を保有しておらず、残り2ヶ所のサブリージョンで葡萄畑を購入(=アクションマーカーを使用するだけで、ゲームにおいてお金の要素はありません)すれば、使用可能なアクションマーカーを4個から6個にまで増やすことができます。しかし、ラベロ船を戻すのが大変なので、畑の購入は1ヶ所だけとし、安価なルビーポート(ゲームではトゥニーポートも製造可能)で回転率を上げようとすれば、まず敗北するでしょう。ルビーの最上級品である‘ヴィンテージ’はカード入手のアクションが必要で、一度に1樽分しかできませんが、トゥニーの最上級品である‘コリェイタ’であれば、葡萄の栽培に力を入れる(=シマ・コルゴで5種類の葡萄を栽培し、その中の一つは古木にする)ことで、収穫時に必ず実行されるダイス判定の段階で、一度に2樽も完成する可能性があるのです。つまり、ワインを慌てて売ったところで、単にVPへ換算されるだけなのですから、全7ラウンドと言う実際にプレイすれば時間の無さに気付かされるゲームの中で、それでも長期的な視野で上質なワインを生産するのが必勝法になると言う酒造テーマのゲームでは最も重たい部類に入るでしょう。家庭にあるワインと言えば、赤玉ポートワイン(=1973年に赤玉スイートワインへと名称変更)しか知らなかったような世代の古参ゲーマーにこそ遊んで欲しい佳作です。
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chaco
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