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3すくみの突き刺すギミックが新しい!知名度ゼロで180個売れた「three」の良さをとことん考えてみた

3すくみの突き刺すギミックが新しい!知名度ゼロで180個売れた「three」の良さをとことん考えてみた
2021年12月20日
ボドゲーマ運営事務局:まつなが

3すくみを突き刺す図だけで表した、心理戦カードゲームの「three(スリー)」。事前情報なくゲームマーケット2021秋で発売され、1日目は完売し両日計180個の売上で話題に!突き刺すギミックや数字の秘密など、threeの面白さをじっくり紹介します!(PR)

シンプルな白地に3色で"3", "three"と書かれた箱......。このおしゃれな小箱がゲームマーケット2021秋で初日完売となり話題になっています。

threeのシンプルでスタイリッシュなカードとパッケージ。

threeは2人で遊ぶ心理戦カードゲームです。3色×1~3の計9枚のカードをふたりとも持っています。ランダムで3枚を手札とするのですが、隠して手に持つのではなく、お互い公開した状態にします。

向かい合わせで山札から3枚ずつ手札が公開されている様子。私の手札は青3赤1黄1

お互い相手の手札と自分の手札をよく見て、3枚のうち1枚を選びます。2ともカードを選んだら、同時に公開して勝敗の確認です。

私が青3、相手が黄1を選んだ様子。私のが伸びて相手に刺さっているので私が3点を獲得。

色が3すくみの関係になっており、自分の色が伸びて相手のカードに刺さった絵柄になっていたら勝ち点を得ます

  1. カードの色が異なる場合、色が刺さった方が勝ち点(3すくみ)
  2. カードの色が同じ場合、数の小さい方が勝ち点(1>2>3)
  3. カードの色も数字も同じ場合、引き分け

ルールは以上。勝ち点はカードの数字であり、先に3点を取ったプレイヤーの勝利です。


ルールはこれ以上ととてもシンプルながら、とても白熱したゲームになりました。

1回目は最初の図の通り、青3を出した私の1発勝利!相手はが2枚あることから私が赤対策で黄1を出してくると思ったとのこと。私の黄1に勝てる相手のカードはなく、同色同数字の引き分けを狙ったところ、私の3が刺さった様子です。気持ちいい!

2回目は、1回で勝負が決まった初回と異なり、長期戦となりました。これが最初の3枚のカードです。

相手も自分もが2枚なのですが、お互い残りのの強さを考えてみると……?

こちらにのカードがないので、青1が相手にとっては負けることのない最強カードです。こっちも青1を出せば引き分けですが、青1を狙われて赤1を出されればこちらは簡単に負けてしまいます…。では赤1を見越して黃3で勝負をしてみますか?でも相手はこちらの黃3を見越して青1ではなく青2で勝ち点を伸ばしてくるかもしれません。ではやっぱり青1を出しますか?

さあ、あなたなら何を出しますか?

ちなみに私は迷いに迷って結局青1を出したところ赤1に刺されてしまいました。

その後3回、4回、5回…と複数回遊ぶうちに、相手がいつ勝負してくるかわかってきて一段と深い読み合いとなり、理解が深まりつつも毎回違う展開を楽しむことができました。


思考を邪魔しないこのデザイン、どこか不思議だなと思ったら、3すくみなのに色が刺さるというカードデザインだけで強さを表現していて視覚だけで直感的に捉えることができるんですね。

カードの裏面に赤が青、青が黄色、黄色が赤を突き刺す図が描かれていて、3すくみを表している。

3すくみを取り入れているゲームでは、じゃんけんの手のマークや、火・水・雷のようなモチーフがよく描かれています。モチーフがあると、「水は火より強いから…」と頭で意味を解釈して強弱関係を考える必要が出てくるのですが、この図があれば強弱を思い出すステップを飛ばして思考できるのでクリアに考えることができます。

なるほど新しいなあと関心していたら、どうやらthreeの「3すくみをノンモチーフで実現するカードデザイン」は特許出願中(2021年12月現在)とのこと!ボードゲームから生まれた発明の今後が気になります。

人によってモチーフのイメージが違って混乱してしまうことも防げますし、3すくみの代表である「じゃんけん」の固定されたイメージからも離れられますね。

3すくみはボードゲームに頻出するメカニクスですので、この発明がこれからのボードゲームを変えるのかもしれません……!


「同じ色なら数字が小さいカードが勝ち」かつ「数字が勝ち点」という1つの数字に2つの意味があることも心理戦を熱くします。

黄1黃2。この場合黃1が勝ち点1となるが、もし黃2は勝てたら勝ち点2となる。

1回の勝負で取れる最大の勝ち点は3点であり、3点取ると勝ちなので、1回目でいきなり勝負がつくこともあるのです。同じ色は出さないだろうと見越して3で大きく勝負してみたり、1を繰り返して残り1点だったのに相手に一気に逆転されたり、どの状況でも「ここはこのカードしかないでしょ!」といった決まった展開がなく、3択の中でじっくり考え込むことができます。短い時間でも濃厚な心理戦が楽しめるようになっていました。


いつもゲームマーケット前はTwitter等のSNSで新作情報を集めてるのですが、このthreeはゲームマーケット前には存在を知りませんでした。聞いてみたところ、SNSはフォロワー0人でゲームマーケット当日に臨み、初日は完売、土日両日で180個を売り切ったとのこと。初参加のサークルのため、もちろん固定ファンがまだいない状態からの、この数字です。

設営後のブースの様子。threeの白が基調。

待っていても誰にも見てもらえないとして、ゲームマーケットでブース前を歩く人に向けてひたすら訴求していったようです。突き刺すギミックからすぐに面白さが伝わるルールと、ゲーマーだけでなく誰からも好まれるデザインの証明と言えるかもしれません。


もうひとつこのthreeには面白いところがあって、なんと日本語/英語のルールだけでなく、テキストが全く描かれていない図だけのルールがついているのです!

threeの突き刺す図だけで伝わる3すくみや極限まで削ぎ落としたルールだからこそできる、どんな言語や年齢の方でも楽しめることを、この図だけのルールが示しているのかもしれません。


threeは現在、ボドゲーマで絶賛発売中です!

また、threeを手掛けたボードゲームデザインチーム"Hot Dog"の公式サイトはこちらとなります。threeの今後の動きなど、ぜひこちらで最新情報を確認してください。

突き刺すギミックの発明が楽しい、threeのご紹介でした!