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【第四弾】国分寺のボードゲームカフェ「オンボード」に、開店の経緯と開店直後の様子、ボードゲームの魅力を聞いてきた取材協力:オンボード店長 渡部嘉章(よっしー)さん

【第四弾】国分寺のボードゲームカフェ「オンボード」に、開店の経緯と開店直後の様子、ボードゲームの魅力を聞いてきた
2017年9月4日
ボドゲーマキュレーター:まつなが

こんにちは、まつながです。夏休みは、連日たくさんのボドゲカフェが賑わいましたね。

ボドゲーマには、ボードゲームを遊べる場所をまとめたページがあります。2017年9月4日現在、開業準備中や閉店されたものも含めて、212店のボードゲームカフェ・スペースが登録されています。ちなみに東京のボードゲームカフェ68店、次に多いのは大阪のボードゲームカフェ31店、3番目は福岡のボードゲームカフェ神奈川のボードゲームカフェ12店です。

その中で、今回は国分寺オンボードの店長、渡部さんに話を伺いました。若くておしゃれで満開の笑顔が特徴の店長です。3Dプリンターの設定やドリンク飲み放題サービスなど、独自のサービスをされています。

渡部さんがなぜ開業にいたったのでしょうか。2017年7月8日に開店されてから約2カ月、状況はいかがでしょうか。

店長のボードゲーム歴

本日はよろしくお願いいたします!

よろしくお願いします。なんでも答えます!

渡部さんのボードゲームを知ったきっかけを教えてください。

最初にボードゲームを知ったのは、2年ほど前です。それまでも友人の家にドミニオンがあって、遊んだことはあったのですが、その友人が高円寺の水タバコ屋さんによく行っていて、自分も着いていっていました。そこの店主はボードゲームが好きで、店内にも置いてありました。ボードゲームが趣味です、というほどではなかったのですが、友人と店に行くと、友人が持ってきたボードゲームをやるようになっていきました。

なるほど。そこからはまっていったんですね。

その後自分も何か欲しいなと思って、立川のニューゲームズオーダー(※)さんに行き、そこから積極的に遊ぶようになりました。枯山水を見て、8000円もするボードゲームがあるんだ!って驚きました(笑) 当時ゴー・ストップや、ナゲッツをよく遊んでいたのを覚えています。

また、僕は武蔵野美術大学が出身で、AG+(※)というボードゲームのサークルに約1年所属していました。2017年の3月に武蔵野美術大学を卒業して、今年はいわゆる新卒です(笑)

ニューゲームズオーダー:立川にある、ボードゲームショップ。枯山水やペンギンパーティ、ファブフィブなどを出版されている。

Ag+:主に武蔵野美術大学の在学生、卒業生が在籍し、ボードゲームやTRPGを遊んだり作ったりするサークル。Ag+のアカウント

好きなボードゲームはなんですか?

特別好きなのはチャオチャオです。コミュニケーションが生まれるようなゲームや人となりが見え隠れするゲームが好きです。必ず嘘をつかないといけない状況がくる、というのは面白いなと思います。

店舗開業・運営内容 サマリー

開店費用知人からの融資のみ
立地国分寺駅から徒歩1分。大通りに面した、薬局や飲み屋などがある複合ビルの2階。
坪数約15坪
運営体制渡部さん1名。ロゴなどの美術面は、友人のデザイナーと。
主な収益源プレイスペース代のみ
飲食収益なし。ドリンク飲み放題(プレイ料金に含まれる)。飲食持ち込み自由。食事提供なし。
料金形態(平日)※学割あり
13時~18時: 1時間500円、フリータイム1500円, 18時~24時:30分350円、フリータイム2000円
平日フリータイム2500円
(休日)
12時~18時:フリータイム2000円, 18時~24時:フリータイム2000円
休日フリータイム3000円
ターゲット最寄りの大学生、ボードゲームに少し興味のあるライト層。
店舗サイトhttps://bodoge.hoobby.net/spaces/onboard

お店を始めた経緯

まつながボードゲームカフェをしようと思ったのはなぜですか?

もともと旅が好きで、学生時代中、旅ばっかりしていました。バイクに乗ったのをきっかけに、西日本一周したり、東南アジアを70日間放浪して、ヒッチハイクをしたりしていました。

いよいよ卒業ということになり、卒業制作をすることになりました。「自分の作品表現」に向き合わされた時に、打ち込んできた「旅」というテーマで何か作りたいと考えました。「自分はなぜ旅をするのか」を考えると、人とコミュニケーションしたいとか、自分の知らない見たことのない物と出会ったり、自分では考えたことのないようなことを考える人に会ってしゃべったり、そういうことをしたくて旅をしていたんだと気づきました。

まつながボードゲームではなく、旅に打ち込んだ大学生活だったんですね。

はい。そんな時期に、相変わらず水タバコ屋さんにボードゲームを持っていって店長と遊んでいたら、ボードゲームって珍しいものなので周りの人たちが興味をもってちらちら見てきたんですね。一緒にどうですか?と声をかけて遊んでみたら、初対面の人なのに、普通に話すよりも急激に仲良くなれたんです。

ボードゲームを通して、こんなにスムーズに人と打ち解けられるんだって感動しました。自分が旅でやりたかった、知らない人との深いコミュニケーションが、ボードゲームというツールさえあればできるって気づいて。そこで旅とボードゲームが繋がりました。

その後、卒業制作では作品表現としてボードゲームを作りました。本当は、卒業制作でボードゲームではなく「場所」を作りたかったんです。ただ資金もなかったですし、店舗でなくボードゲームを作りました。

ボムスクアッドという、コミュニケーションに主体を置いた2人用ボードゲーム。AG+のサークルで購入可能。

まつなが開業の資金はどうやって調達されたのですか?

ボードゲームを作っている中で知り合った人に、本当はボードゲーム屋やりたかったっていう話をしたら、たまたまその人が投資家で、じゃあ出資するよって話になりまして(笑)

店舗の開業資金は銀行からの融資とかはなく、投資家の方の融資だけで始めました。ありがたい話ですよね(笑) その融資がなければ、始めていませんでした(笑)

まつながシンデレラストーリーみたいですね。投資してくれる人を探していたんですか?

まったく探していたわけではありません(笑)

始めは投資の話じゃなかったんです。大学卒業する前に、将来お店開きたいならお店を任せるから勉強しなよって声をかけられたんです。その方が計画していたのは、美大生向けのアトリエ、貸し工房でした。僕はもともと好奇心旺盛でいろんなことやりたくなっちゃうんで、その話を聞いて、最初はアトリエを開店するために活動をしていました。ただ、進めていくうちに、ボードゲーム屋のほうが儲かるぜって思って、その人にプレゼンしました。そのときは、かなり怒られたんですが(笑) そこから徐々に徐々に投資してもらえる話が決まっていきました。

まつながプレゼンのために、事業計画を作りこんだりしましたか?

全然作っていません! いや、客単価とかはさすがにちらっと考えましたが、ないようなものです(笑)

お店の立地やキャラクター、特徴

まつなが国分寺にお店を作った理由は何ですか?

国分寺は、学生さんが多い土地です。国分寺には周りに大学が多く、武蔵野美術大学や学芸大学があります。自分も大学生のころからこの周りにいてなじみのある土地ですが、国分寺には遊ぶ場所があんまりなく、物足りなさを感じていました。こんなに人とコミュニケーションをとりたいと言っている自分でさえ、大学生活の4年間、他の大学の人と話す経験がほとんどありませんでした。アルバイトで知り合うことはありますが、飲み屋で隣の人と話すことってなかなかないじゃないですか。国分寺に、大学生同士だったり、大学生と社会人だったりの交流ができる場所を作りたかったんです。

まつながどういう条件でこの店舗を見つけましたか?

国分寺で家賃が20万以下、平米が15坪以上という条件で探していました。駅から徒歩1分の店舗ですが、探していたときは駅からは徒歩10分くらいで探していました。最終的にとても良い場所が見つかったなと思います。大通りの角の店舗ですが、路面店がいいとかもなく地下でも2階でも気にしていませんでした。

お店は薬局や居酒屋などもある店舗の2階。オンボードも負けずに存在感のあるイラスト。

まつなが内装作業はどのように進めましたか?

デザインも施工も自分でやりました。高校生のときにカナダに1年間留学した経験があるのですが、木工の単位をとっていて、木工作業に少し知識があったんですね。業者は挟まず、寸法を測るところから、自分でやりました。棚も自分で作ってもよかったんですが、ホームセンターの人と小一時間しゃべって、買ったほうが安いっていう結論になったので既製品を買っています(笑)

飲食をやりたいというのはなかったので、キッチンはありません。

まつなが隣に居酒屋がありますが、メリットはありますか?

居酒屋に行く人はオンボードの前を通るのですが、この居酒屋には大学生が良く来るので、集客にプラスになっています。オンボードはガラス張りになっていて、外からもよく見えます。ディスプレイには、可愛らしいボードゲームと、知っているものも並べたほうが親しみが出るだろうと思って、知名度の高いモノポリーを並べています。ただ、外からも中からもあまり見えすぎないように、柵も作りました。

中が見えるので興味がわき、雰囲気がわかるので気軽に入れる。チラシも貼っているため、持って帰ってお友達を誘うことも可能。

まつながオンボードという名前の由来はなんですか?

よくぞ聞いてくださいました!誰にも言っていないんです。

僕は、人と人をつなげるコミュニケーションツールとしてのボードゲームに魅力を感じていますボードゲームを通していろんな人が関わって、場として面白いものを作れる、そんな場所をこのお店で実現したいと思っています。

「人と人をつなげる」みたいなコンセプトとなる言葉で、かつボードゲームの店ということがきちんと伝わることが大事だと考え、最初の候補は「ボーディングタイム」でした。搭乗時間、飛行機に乗る時間です。飛行機にはいろんな人、老若男女、国籍も言語も違う人が同じ目的地にたどりつくために集まります。飛行機の中って面白いなって思いまして。同じように、いろんな人が集まって、ボードゲームというひとつのものでつながればいいなと思いました。

ただ、ボーディングタイムは長いので、もうちょっとシンプルな言葉はないかなーっと思ったときに、今の「オンボード」が見つかりました。

ボードゲーム上っていう意味のオン・ボードという意味や、乗船する、同じ船に乗る、搭乗する、一緒に作業するっていう意味もあるんですよ。ぴったりだなって思いまして。

また、誰にも気づかれないんですが、オンボードの店内は船のイメージなんですよ。店のフロアは入り口と奥の両端が木でできたデッキのようになっていて、中心に比べ高くなっているんですが、海賊船のイメージなんです。

まつながでは、壁の青は、海や空の色ですか?

いえ、写真映えするかなと思って、この色にしました(笑)

まつながお店のロゴ、壁にも描かれていて、とてもかわいいですね。渡部さんが書いたのですか?

自分が指示を出して、友人が作りました。

カードが「oar」、右手(左側)が「b」で左手(右側)が「d」に見えるようになっていて、合わせて「board」になっています。

イラストレーターさんへの依頼で条件として出したのは、「キャラクターであること」「ボードゲーム屋であることが一発でわかるロゴであること」です。

Twitterで動かしたりみたりとか、キャラクター展開をしていきたいのでキャラクターであることがひとつの条件でした。

お店のイメージキャラクター。Twitterでは、相席が可能なときなどGIFで動くところが見られる。とても可愛い。

まつながキャラクターということは、名前はありますか?

今は適当にオンボちゃんって呼んでいます。名前は募集中です!(笑)

まつながお店にたくさんボードゲームがありますが、もともとご自身で持っていたボードゲームで始めたんですか?

自分のものと、あったほうがいいだろうってものを買いそろえました。今も毎日のように追加しています。

お客さんが面白いよっていって教えてくれたゲームを買うこともあります。この間はダンジョン・ロールという、宝箱に入ったボードゲームを教えてもらって、とても楽しかったんです。ダイスゲームが好きと聞いたのですが、ダイスゲームってどんなのがあるのかわからず、聞いて教えてもらいました。そのお客さんが来ると、今日はダンジョンロールはしないの?とつい聞いてしまいます(笑)

まつなが料金プランはどうやって考えましたか?

まず、休日と平日で料金を分けていて、平日にのみ学割があります。平日と休日でお客さんの層を変えるためです。

オンボードには誰しもがつながるっていうコンセプトはありますが、自分がこの場を提供する責任上、演出やデザインをこちらからしていかないと、面白い空間は作れないと思っています。曜日やお客さんの年齢層などをみながら、空間をある程度コントロールする必要があると思っています。

基本は、平日は学生がメインでのびのび遊んでいただき、休日は社会人が落ち着いた雰囲気で遊んでもらえればと思っています。社会人でも学生さんがいる雰囲気が好きな方は平日に来ていただければと思います。

まつなが料金には飲み放題が含まれています。飲み物が減りすぎて困ることはないですか?

確かに減るときはけっこう減るんですが、減っちゃってもいいやって思って始めたので、問題はありません。

まつながお店の強みはなんですか?

僕のお店は1軒目のお店でありたいと思います。間口が広くて、ボードゲームにちょっと興味を持ち始めて遊んでみたいですっていう方に、ボードゲームを始める最適な状況を作れることが強みです。

ボードゲームにあまり詳しくない人は、もし何千種類と置いてあるのを見たら、何を選んでいいかわからないと思うんです。僕はあまりボードゲームに詳しいわけではなく、お客さんの気持ちに近いので、ちょっと興味持ち始めて遊びたいですっていう方に1軒目のお店として来ていただきたいなと思います。その後ボードゲームが好きになって、重たいゲームやりたいってなったら、別のがっつりしたボードゲームカフェに行っていただければいいかなって思います。

店の中央に置かれている棚。奥には天井まであるような大きなサイズの棚が2つあり、約200個のボードゲームが常備されている。

開店してからの感想

まつなが7月8日にオープンして約2カ月ですね。計画に比べて、お客さんの数などはどうですか?

計画通りどころか、計画以上に多く客様がいらっしゃって、世の中的にもボードゲームははやっているんだなっていうのが感想です。大学生をターゲットにしているのですが、大学生にきちんと受けたっていうのはありがたいです。

ライト層向けとはいえ、もうちょっとゲーマーが来てもらえるのかなーと思ったら、思った以上にライト層のお客さんがほとんどでした。

ただ、うちは、休日のほうがお客さんの数が少ないんです。平日はむしろ、学生街なので学生さんにぶわっと団体で来ていただけています。売上的には客単価が低いので人数の割に売り上げが少ないかなってときはありますが、人数は平日のほうが多いんです。逆にまだ休日にお客さんが少ないので、周りのゲームカフェさんが休日に「満席です」ってツイートしているのを、指くわえて見ています(笑)

まつなが計画通りにいかずに困っていることはありますか?

うーん……。あまりないですね。壁がコンクリートなので思ったより音が響いちゃうくらいです(笑)

店の中央部分を、デッキから撮った写真。コンクリートに塗られた青があざやか。

まつながTRPGのイベントをされているのは、TRPGが好きだからですか?

いえ。AG+のサークルメンバーにキーパーができる人がいて、TRPG関連でもお店で何かできたらなーって思ってやってみました。イベントをすることで、また違った層のお客さんに来てもらえたりするので、やってみない?ってお願いしてやっている感じです。

まつなが3Dプリンターを置いたのはなぜですか?

自分は美大の出身なので、やはり、同人のボードゲームなどのものを作る人を応援したいっていう思いがあって、設置しました。

同人に限らず、誰かがボードゲームを作ってくれないとお店にもおけないですし、成り立たない仕事です。ボードゲームを作る文化に対して、何かお店として協力できることがあればいいな、と思っています。

自分も卒業制作では大学生活の思いを詰め込んだボードゲームを作ったので、今はその経験をもとに、学生でもものを作りたいっていう人にアドバイスできたらいいな、と思っています。

僕自身も使えるように、使える人を探して勉強中です。今は自由に使ってくださいっていう感じで設置しています。

まつながボードゲームは着々と増えていますが、基本的にインストしていただけるんですか?

ほとんどできます!

インストは、ボードゲームとはまた違う、ひとつの遊びだと思います。インストのやりかたによってゲームの印象って変わりますし、ゲームそのものを変えてしまうくらいの力があると思っています。

自分がインストできるゲームでも、お客さんにインストしてもらうこともあります。インストしたお客さんは、自分がインストしたゲームで相席した人が盛り上がってくれたっていう面白さを味わうことができますし、インストを受けた人も、相席した人にインストしてもらったっていう楽しさを味わえると思うんです。

まつながまだ少し先ですが、1周年のときにはどうなっていたいですか?

お客さんがお客さんを呼んでくるような店にしたいです。身内感っていうと嫌ですが、ある程度の内輪感みたいなものは必要だと思っています。いつ来てもあの人がいるから遊べる、いつ来ても誰かいるから安心して行ける、そういう状況になれば嬉しいなと思います。今は、自分が相席を進めたいという思いがあるので、ちょっと迷惑かなと思いつつも、いっちゃえーって2人のカップルに無理やり別のグループをくっつけたりしますが、自分が相席を勧めなくても、当たり前のように相席が広がっていくようなお店にしたいです。

お客さんが相席目的に来て、お客さん同士がお互い声を掛け合って自然と相席になるような感じになればいいなと思います。普段やっているゲームでも、違う人とやると、そういうプレイがあったのかとか、またゲームの顔が変わると思うんですよね。

高い場所に窓があり、日差しが差し込んでいる。手前のイスがないのは、取材時にお客さんが相席のために移動されていたため。

まつながお店を開いてみて、素直な感想としては、どうですか?

本当に楽しいよの一言です。世の中の人に、知ってほしいんです。知らない人と仲良くなる、仲いいって思っていたあの子の意外な一面を見る、コミュニケーションを取る、人と遊ぶ。どれもこんなに楽しいんだっていうことに、気づいてほしいんです。気づかせてくれる魅力がボードゲームにはあります。ボードゲームに限らず、もっと遊んでほしいと思います。いろんな人と遊んでほしいんです。

旅行のときに、トランプを持っていく位の感覚で、当たり前のように全員が1個ずつボードゲームを持ってくるようなことになれば嬉しいなと思います。

ボードゲーム業界

まつながボードゲーム業界全体を盛り上げたいだとか、業界を意識することはありますか?

ボードゲーム自体に関しては、周りのお店に任せて、特に僕がどうこうっていう思いはないです(笑) まだそんな業界に入ったというような事は言えない立場ですし、周りのボードゲームカフェさんのオーナーさんは、ボードゲーム会をずっと主催されていたり、すごい人ばかりなので、自分はそんな、一緒の枠に入ったなんて言えません。

ただ、まだまだボードゲームは世間一般に知られていないので、より多くの人に知ってもらいたいという気持ちはあります。

ボードゲームはマイナーな趣味というか、オタクっぽさがついて回ると思うのですが、あなたが知らないだけでこんなに面白いものがあるんだよーってもっといろんな人に伝えていきたいです。

まつなが周りのカフェとお客さんを取り合うような図は見えていませんか?

いえ、まだ人口的にも、そういう段階ではないと思います。それに、みんなボードゲーム好きで初めてらっしゃるので、みんなボードゲーム好きが増えてほしいという思いがあるじゃないですか。その思いが全員持って、ボードゲーム好きを増やすっていう努力をすれば、今の枠の中で戦うことはないと思います。

ボードゲームを知らない人が世の中にいて、知りさえすれば、ボードゲーム好きはこれからも増えると思っています。

周りの方から見ると、敵に思われたりするのかなーって心配していたんですけど、他のお店の方が来てくださって丁寧に対応してくださったりもして、問題なさそうです。僕はもちろん敵対心も何も持っていないですし、敵対なんかされちゃったら泣いちゃうなーって……(笑)

これからボードゲームカフェを始める人へ

まつなが友人がボードゲームカフェやりたい!って言ったら応援しますか?

本当にその友人を思ってアドバイスするなら、「好きですか?」と聞きます。

好きなら、できます。好きじゃないと、続かないのかなって。自分がここまで楽しくやれているのは、人としゃべったりするのがもともと好きだったからで、それが実現できているからです。

まとめ

以上、オンボード店長渡部さんでした。お話を伺いにお店に行ったのは平日の午後だったのですが、多くの大学生がにぎやかに遊んでいて、とても活気のある店内でした。テーブル間の距離が広く、のびのび遊べるのもオンボードの良さですね。音楽もさりげなくかかっているので、休日にじっくりボードゲームを遊ぶときに、無音が気になることもなさそうです。さすが美大卒ということで、棚などのさりげないデザインもとってもおしゃれです。

ボードゲームが趣味なので始めたというわけではなく、ボードゲームがコミュニケーションツールとして優秀、という切り口でできたボードゲームカフェなので、オンボードでは今までとまた違ったボードゲームの体験ができそうです。ぜひふらっと気軽にオンボードに遊びに行ってみてください。言うまでもないですが、相席歓迎、おひとり様歓迎です。

また、いろんな人とコミュニケーションをするのが好きだという渡部さん。制作サイドの人をサポートしたいという思いもあり(3Dプリンターをぽんっと入れちゃえるくらい)、新しいことをどんどん発信していきたいという気概もある方なので、何かお話を持っていってみるのもいかがでしょうか。

話を聞いていてとても新鮮だったのですが、今はいろんな大学にボードゲームのサークルがあるんですね。また、水タバコ屋さんの話も出ましたが、ボードゲーム専門店でなくても人が集まる場や量販店などにボードゲームがおいてあり、ボードゲームに出会う機会が多くなっています。

ボードゲームに出会う人が増えると、中には渡部さんのようにボードゲームの世界にいらっしゃる人が出てきて、またさらにボードゲームの世界が広がるって、連鎖反応が起こるんですね。旅のような刺激的な趣味をもともと持っていた人でも、お店を開いてしまうくらい、ボードゲームは人をひきつける力があるようです。

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