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  • 3人~6人
  • 180分~200分
  • 14歳~
  • 2011年~

七王国の玉座:第2版KSさんのレビュー

415名
4名
0
3年弱前

ルールの和訳を作成しました。BGGにて公開しています。

原作を知らなくても楽しめる優れたウォーゲーム

世界的な人気を誇る小説およびドラマシリーズ、ゲーム・オブ・スローンズを原作としたウォーゲーム。

最近のボードゲームではあまり見ない「さぁ皆さんで戦争をしてください!」といった内容で、最大6人が各家を受け持ち、ウェスタロス大陸の覇権をかけて争います。

原作ありきのゲームというのは、得てして内容がいまいちなこともあると思うのですが、このゲームは原作を知らずとも十二分に楽しめるほど作り込まれています。

勝利条件

誰かが規定数以上の城塞を確保したら、そのプレイヤーの勝利です。または規定数のターン終了時、最も多くの城塞を支配していたプレイヤーが勝利します。

基本的なゲームの流れ ー秘密プロットによる裏切りの応酬ー

マップ上の自分の部隊に対し、全員同時に「指令チップ」を裏向きに置いていきます。チップの表には、進軍や徴税、支援に妨害といった、その部隊の行動を示すアイコンが記されています。全員が置き終わったら、一斉にオープン。この「同時プロット」「同時公開」のシステムのおかげで、
「お前このターン支援してくれるって言ったのになんで攻め込んでくるんだ!裏切りやがったな!」
といった、原作さながらの権謀術数が繰り広げられます。
いわば処理を現代的にアレンジしたディプロマシーといったプレイ感です。

魅力的なキャラクターたち

他のプレイヤーのコマがいる領地に部隊が侵入したら、戦闘が始まります。コマの戦力が多ければ勝つ、という単純なルールですが、ここで登場するのが原作のキャラクターたち。
各プレイヤーは、サーセイやロブスタークといった各家のキャラクターを、カードとして持っています。戦闘時、このカードをお互いにせーので出し合います。
策略に長けたティリオンは、相手のカードを見てから別のカードを出せたり、圧倒的なパワーを持つマウンテンは戦力を大きく増加させ、勝利に貢献します。こうした多彩な能力を持つキャラクターたちが、戦闘の行方を占うのです。

迫る野人

ゲーム・オブ・スローンズの重要な要素に、「壁」の存在があります。これもゲームの中に再現されており、緊張感を高めています。
毎ターンめくられる、ゲームの進行を示すカードに「野人の襲撃」が記されていた場合、壁の外からの攻撃が起こります。これに対処するため、各家はナイツウォッチへの支援を行います。
ナイツウォッチへの支援は、豊かな領土を獲得することで得られる「パワー」を、各プレイヤーが入札することで表現されています。
このとき、入札されたパワーの総額が襲撃規模より大きければ、野人の撃退に成功し、入札額がもっとも大きいプレイヤーは「最大貢献者」としての恩恵を受けられます。
しかし、総額が襲撃規模より小さかった場合、ナイツウォッチが対処しきれなかったとみなされ、全員が不利益を被るうえ、最少額しか入札しなかったプレイヤーは、更に厳しいダメージを追うことになるのです。

軍の衝突だけでない、宮廷での影響力をめぐる戦い

本ゲームには
・鉄の玉座トラック
・ヴァリリア鋼剣トラック
・使い鴉トラック

の3つのトラックが用意されており、各家がそのトラック上で何位に位置するのかも、重要な要素となっています。

鉄の玉座トラックで1位にいるプレイヤーは、ゲーム内で発生する様々なタイブレイクを決定する権利を得られます。つまり、前述のナイツウォッチへの支援で、同額を入札したプレイヤーがいても、どちらが上なのか、意のままに決定できます。

ヴァリリア鋼剣トラックは、その順位がそのまま戦闘でのタイブレイク判定に用いられます。また、このトラックで1位のプレイヤーは、ヴァリリア鋼剣トークンを受け取れ、それを戦闘での戦力として加算でます。

使い鴉トラックで上位にいるプレイヤーは、特殊な指令チップを使用することができます。これにより、より強力な進軍計画を練ることができるのです。

これらのトラックの順位を決定するにも、パワーの入札を行います。各トラックでの順位を重視するあまり、ここでパワーを使いすぎてしまうと、野人の襲撃に対処できず、手痛い被害を被ることになりかねません。

総評

原作の世界観を見事に再現した、骨太の戦略ゲームです。
交渉が白熱すると1プレイあたりの時間はかなり長くなってしまう上に、ゲームの魅力を最大限引き出すには、できれば最大人数の6人でプレイするとよいと思います。
また、原作を知らずとも楽しめるものの、各キャラクターの能力や壁の存在意義など、原作を知っていたほうが楽しめることは間違いありません。
上記のように、交渉を含む長時間のゲームに耐えられて、かつ原作を知っているプレイヤーを6人集める、という のはかなり高いハードルではありますが、原作を知らなくても、またプレイ人数が6人に満たなくても楽しいゲームですので、所謂ウォーマルチに抵抗がなければ、ぜひ試していただきたい作品です。
言わずもがな、ゲーム・オブ・スローンズファンには文句なしにおすすめできます

なお、デナーリス率いるターガリエン家をドラゴンに乗せて暴れまわらせるには、拡張版のMother of Dragonsが必要です。こちらはナローシーの向こう側がマップとして追加され、最大8人までで遊べるようになります。

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