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台湾のボードゲームイベント「月光卓遊節」参加レポ

台湾のボードゲームイベント「月光卓遊節」参加レポ
2019年07月02日
ボドゲーマキュレーター:まつなが

台湾でボードゲームの展示・販売イベント、月光卓遊節”ムーンライトボードゲームフェスティバル”が開催された。台湾の出版社をメインに、日本、中国、韓国などアジア諸国から出展がある、国際的なイベントとなっている。主催者や日本からの出展者のインタビューとイベントの雰囲気をお伝えします。

こんにちは、ボドゲーマキュレーターのまつながです。

2019年5月はゲームマーケット春が大盛り上がりで開催されましたね。ボドゲーマは初めてゲームマーケットにブースを出展しました。

ところで、ゲームマーケットには台湾からもいくつかブースが出ていることをご存知ですか?台湾はボードゲーム専門店も多く、ボードゲームがとても盛んな国なのです。

そんな台湾で、2018年からボードゲームイベント月光卓遊節が開催されています!

公式サイトはこちら: https://www.moonlightboardgamefestival.tw/


なぜ月光?といいますと、この2日間開催のイベントでは、なんと土曜日の夜、オールナイトで遊ぶことができるのです!遊ぶ場所はブースがある1階から、ひとつあがった2階の会議室。

 土曜日の昼間にボードゲームを買い、夜にみんなで遊び、面白いボードゲームを見つけたら日曜日の昼間にそのボードゲームを買うことができます。

まつながは、月光卓遊節の初回2018年と今年2019年、2年連続でイベントに参加しました。本記事では、第二回となる今回の雰囲気や、日本人出展者の声、交通アクセス情報等をお伝えします。

来年2020年にも開催が予定されています。興味が湧いた方はぜひ来年の参加を、ご検討ください!

月光卓遊節とは?

日程

今年2019年は6月29日(土)~6/30(日)に開催されました。10時~18時です。

場所

会場がある場所は、台湾の高雄(たかお / カオション)です。
成田空港→高雄空港→塩埕埔駅→会場といったルートでアクセスすることができます。

日本から現地までの移動について

①飛行機で日本→台湾へ

成田空港から直行便の飛行機に乗り、高雄空港へ。
約4時間で到着し、日本と台湾の時差は1時間です。

②電車で空港→最寄駅へ

高雄空港から電車で塩埕埔(えんていほ)駅へ。
1度乗り換えがあり、約30分で到着します。

③徒歩で移動

塩埕埔(えんていほ)駅から徒歩で会場の高雄国際会議センターへ。
Google Mapを見て移動すれば約5分で迷うことなく到着するでしょう。

開催場所の「高雄国際会議センター」


入場方法

入場料は、なんと土日込みで200台湾ドル、つまり約700円(2019/7/3現在、1ニュー台湾ドル は3.46円)

事前にオンラインでチケットを買い、当日はQRコードでチケットを発行することもできますし、当日会場のカウンターで買うこともできます。入場口はそれほど混み合わないので、当日でも問題ありません。

イベント初日(土曜)朝の入場の様子。混み合っている時間帯で30人ほど。


会場の様子をご紹介

2019年は68ブースあり、だいたいのブースでは試遊卓1,2つと、販売カウンターがありました。会場は通路が広くて歩きやすく、試遊も活発に動いていました。

日本語で案内をしてくれるブースは無いこともありませんが、基本は中国語・台湾華語もしくはは英語で会話をすることになります。ゲームマーケットにも出展している企業のボードゲームには、日本語訳がついている場合もあります。

瘋狂島(Maddish Island Games)

巫15師(Wizard x Wizard)というボードゲームでは、様々な魔女が登場します。ウィザードのコスプレをしているブーススタッフの方もいました。

尖端桌遊(Sharp Point Board Game)

日本のゲームのローカライズ版も多く目にしました。今夜不回家(今日も帰れない)などが展示されていました。

帝企鹅桌游(Emperor Penguin Games)

帝企鹅桌游は、中国の会社です。ブースではちょうど老子敬服が遊ばれていました。

UBO&SABURAK

韓国からの出展です。Ten Cats(Jushimatsu)も展示されていました。

機本玩意有限公司

キッズゲームを販売していました。お母さん達3名がボードゲームのインストを受けている姿は、日本でもあまり見かけることがなく、とても印象的でした。

Kanga Games

たくさんのこどもたちが試遊をしていました。会場には家族連れや学生のような若い方がとても多く来場していました。

玩聚設計(Play With Us Design)

立ったまま試遊ができるようになっていました。小箱をさくっと遊べるのがいいですね。

戰鎚世界(Warhammer)

ペイントができる卓が用意され、シタデルカラーが販売されていました。

南部TRPG聯合

TRPGが実際に遊ばれていました。日本のゲームマーケットのような、リプレイ集やダイス等の関連グッズを取り扱っているようなブースはなかったように思います。

電力世界(ELECTROPOLIS)

經濟部能源局(Bureau of Energy)、つまり台湾の政府機関からの出展とのことです。エネルギー問題に関するボードゲームとのこと。国がボードゲームを出すとは、、すごくないですか?

展示内容やイベント

会場の入り口ホールにはなんと、ボードゲームの自動販売機がありました!しかも、自販機右側の画面では、遊び方動画が流れていてとても親切。莫仔桌遊(Mozigames)蟲蟲拍拍など、700円程度で気軽に買えるボードゲームが10種類ほど並んでいました。

こんな尖ったイベントが

超☆宇宙残忍 糞GAME交換大会 ~あなたにとってのクソゲーは私にとっての宝物~

・・・!

カウンターではゲームの受付が行われ、様々なゲームが集まっていました。

※本記事を編集してる若狭からコメントがありました

クソゲー(という奥が深い文化)は日本固有のものだと思っていました。

クソゲーとは:
システム上の欠陥や完成度が著しく低い部分のあるゲームを指す。敢えて楽しむことができる人にとっては、面白いクソゲーや良いクソゲーがあり、むしろ関心を持つべき対象のクソゲーとして扱われることもある。
ゲームとしては面白くないが、クソゲーとしては面白いという、絶妙なバランス感が求められる。


日本ではどちらかというと「面白くない」よりも「自分は好きではない」といういわゆるNOT FOR MEの表現に留められがちです。メーカーやデザイナーも当然集うイベント会場で、クソゲーと言い切ってしまう部分には、カルチャーの違いを感じますね。

謎解きイベント

2日目の日曜日は謎解きが開催され、謎解き中のステッカーを貼っている人をよく見かけました。

出版社とゲームデザイナーの出会いの場

2日目には、ボードゲームデザイナーによる自作ボードゲームのアピールの場が設定されていました。

台湾ではボードゲームデザイナーが自ら印刷し販売することはせず出版社に自作ボードゲームをアピールし、出版社が出版をします。事前にデザイナーが卓を予約し、当日出版社が卓に足を運ぶ方式とのことです。

抽選会は大盛り上がり!

イベント終盤の抽選会では、ステージ前に多くの来場者が集まっていました。

日本からの出展者にインタビュー

今年は日本からすごろくや、itten、リトルフューチャー、Saashi & Saashi(ブースID順)の計4団体が出展していました。全ブースにお話を伺いに行きました!

すごろくや

すごろくやは前回に続き2回目の出展です。かたろーぐすずめ雀の試遊だけでなく、すごろくや取り扱いボードゲームの展示も行っていました。

すごろくや代表 丸田さんにお話を伺いました!

去年に引き続き2回目の出展ですね!出展する目的はなんですか?

大きく2つあって、ひとつは台湾の方々との関係性の強化です。台湾の出版社の、様々な挑戦をして新しく面白いボードゲームを生み出すところをとても評価しています。もうひとつは、台湾での販路拡大です。自分たちが作っているボードゲームは台湾にも受け入れられるだろうと思っています。

台湾の来場者の方の反応はいかがですか?

すごくいいですね。ノリのいい人がとても多く、日本だと関西に近いような、「楽しくやろうよ」という感じを出す人が多いですね。

日本と台湾でウケるゲームは違いますか?

かたろーぐすずめ雀の試遊を見ている限りだと、それほど違わないと思いますね。かたろーぐはすごく受けがいいです。ただ、異性の魅力について話すサンプルのカタログについて、中国語を話すスタッフから「質問をしようとすると人の内面に踏み込みすぎるから質問がしづらい。」という反応がありました。文化的な違いがあるのかもしれません。

また、台湾ではこういったイベントやショップに、ファミリーで来て買って帰るところをよく見ます。日本ではそういった広い層の方が知らないボードゲームをお店で選んで買っていくことが少ないので、課題だと思っています。

かたろーぐやすずめ雀は中国語版のタイトルがついているのですね。

はい、台湾の方に、中国語タイトルの案を見せて違和感がないか確認してからつけました。現地の言葉が大事だと思います。

ありがとうございました。8月のすごろくや祭も、月光卓遊節と同じで2回目ですね。楽しみにしています。


itten

ittenも前回に続き2回目の出展です。代表作のTokyo Highwayやゲームマーケット2019春に発表されたMOON BASEが主に試遊されていました。

itten代表の島本さんにお話を伺いました!

去年に引き続き2回目の出展ですね!出展する目的はなんですか?

ひとつはittenのゲームを台湾の人たちに認知していただくこと、もうひとつは観光ですね(笑)。世界中でボードゲーマーの人口が増えていると聞いていて、台湾も例外じゃないと思っています。台湾の出版社の方とも仲良くしていて、楽しく交友しています。

台湾の方、みなさんとても親切にしてくださいますよね。

そうですね。台湾の方はゲームマーケットにも頻繁に出展してくださってますし、ヨーロッパなどの海外に行くことと比較すると、ずいぶんと気軽に行くことができます。

台湾の来場者の方の反応はいかがですか?

とても一生懸命に遊んでくれますね。中国のイベントにも共通することですが、試遊してくれた来場者の方が、次に試遊に訪れた方にルールを説明してくれるんです。日本では見かけないなって思います。

ittenは大日方さんが英語を担当されていますが、中国語も話すのですか?

いえ、でも勉強中のようで、急に話しだしたのでびっくりしました。彼は語学全般に興味やセンスがあるのだと思います。台湾で出会う方は何カ国後も話せる方が多くて、尊敬します。

台湾の方は本当に語学堪能ですよね……。お時間いただきありがとうございました!


Saashi & Saashi

Saashi & Saashiさんは今回の月光卓遊節には初めての出展でした。台湾では大玩卓遊(BigFun)から販売されている、コーヒー豆を焙煎をする1人用ゲーム コーヒーロースターのデザイナーとして、ステージでのトークショーとサイン会も開催されました。

トークショーでは、コーヒーロースターエレベータ前でだけでなく、インタビュー書籍 『創造的な習慣 ~アナログゲームデザイナーはいかにしてクリエイトするのか』についても話があがりました。積極的にSaashiさんの話を聞き入る方が多く、質疑応答もたくさんの手があがっていました。

ブースにはSaashiさんのサインを求める方が頻繁に訪れ、賑わっていました。

Saashi & Saashi代表のSaashiさんからお話を伺いました!

たくさんの方にサインをされていますね!

BigFunから数年前に台湾でコーヒーロースターを出してもらったので、少し知ってもらってるんじゃないかなと思います。

月光卓遊節に初めての出展ですね!出展したきっかけはなんですか?

BigFunさんに誘っていただいたので、出てみようかなと思って来てみました。台湾に来るのも初めてです。

月光卓遊節は、たとえば日本のゲームマーケットと雰囲気が違いますか?

全然違いますね。ゲームマーケットだと午前中にゲームが大好きな人が一気に来て、徐々にカジュアル層に変わっていきます。月光卓遊節では午後になってもボードゲームが大好きな人がいます。理由を聞いてみたところ、どうやら早起きをしたくないとのことでした(笑)。ゆっくり起きてご飯を食べてから来ているとのことです。夕方に買って帰るところも日本と全然違いますね。

台湾の来場者の方の反応はどうですか?

盛り上がり方は日本よりダイナミックですが、大きな違いはなく楽しんでもらえています。若い人だけではなく、老若男女いろんな方がいらっしゃいます。普段からボードゲームに親しみを持って遊んでらっしゃる雰囲気がありますね。

なるほど、ありがとうございました!


リトルフューチャー

リトルフューチャーも前回に続き2回目の出展です。ゲームマーケット2019春新作のオーク(ORC)の試遊が行われていました。

リトルフューチャー代表のエミさんからお話を伺いました!

去年に引き続き2回目の出展ですね!出展する目的はなんですか?

タピオカを飲みに来ました(笑)。台湾がもともと好きで、何かと理由をつけて来ているんですよ。年に7回くらい来たりしますね。

台湾の来場者の方の反応はどうですか?

試遊にはたくさん入ってくれて、オークを「面白い」、「サイコー!」って言って遊んでくれています。ただ、僕はゲームマーケットのような売れ行きを期待して出展すると、がっかりしてしまうかもしれませんね。月光卓遊節は夕方や2日目の日曜のほうが売れる現象があるのもゲームマーケットとの違いです。

イベントごとに違いがあるのですね。

そうですね。あと台湾には1月に開催される台北ゲームショウがあります。台北ゲームショウにも出展しましたが、そちらはゲームマーケットについで来場者の購買意欲が高い印象でした。

現地のスタッフの方がいるのですね。

はい、去年東京サイドキックを遊んでとても気に入ってくれた方なんです。去年、スタッフのように後から来る人に東京サイドキックのルール説明をしてくれていたので、今年もお願いしました。

すごい!お時間いただき、ありがとうございました。

月光卓遊節の主催者にインタビュー!

月光卓遊節の運営は台湾の出版社Moaideas Gamesです。当日の案内など様々なサポートをしてくださったMoaideas Gamesのアフォンさんにお話を伺いました。Moaideas Gamesはゲームマーケット春にミステリーRPG 約束の場所へを販売されていました。

お時間いただきありがとうございます。月光卓遊節はMoaideas Gamesが主催ですよね。その中でもアフォンさんは何をご担当されていますか?

イベント本部の幹部と日本の方の案内を担当しています。

イベント月光卓遊節を開催しようと思ったきっかけ、理由はなんですか?

台湾にはもともとゲーマーのためのイベントがなかったので、ボードゲームを遊べる、体験できる場を単純に開きたくて開きました。

オールナイトで遊べることが月光卓遊節のひとつの特徴だと思います。なぜオールナイトで開催しようと思ったのですか?

イベントが日中だけだと時間が足りないからです。ブースがたくさんあって、来場者の方が回り切るには時間が足りません。オールナイトで遊べる場所があると、買ったボードゲームを楽しめて、人にも紹介することができます。真夜中の12時には200人以上が会場に残っていて、夜の2時でも約130人がボードゲームを遊んでいました。(注:本インタビューは日曜日に行いました)。

日本のゲームマーケットとはコンセプトが異なるのですね。

ゲームマーケットの来場者は、開会してすぐ目当てのサークルの新作を買い、買い物が終わったら家に帰るか、買ったボードゲームを遊ぶために別の場所に移動します。月光卓遊節のコンセプトは、会場でみんながラクに遊べる、体験できることです。もちろん目当てのボードゲームがある来場者はいますが、目当てのボードゲームを買ってもらうことは、イベントのメインの目的ではありません。

今回は日本から4ブース出ていますね。

はい。去年2018年も海外から日本や香港、中国の出展がありました。今年2019年はさらに韓国とシンガポールの出展が増えました。最終的には月光卓遊節をアジア圏内のボードゲーム出版者の交流の場にしたいです。

来年2020年はどこの国の出展を増やしたいと思いますか?

タイやベトナムもボードゲームが流行っていると聞いたので、そういった東南アジアの方面の出展が増えたら嬉しいなと思います。

来年のイベント詳細は決まっているのでしょうか。

まだ決まっていませんが、6月に開催する予定です。詳細の発表は12月前後になると思います。イベントというのは長く運営できるのが大事で、一度開催してぱーっと終わったらあまり意味がありません。長く開催できる方法を探しています。

月光卓遊節にブース出展するメリットはなんでしょうか。

海外のイベントの中では、エッセンシュピールなどに比べて来やすい場所だと思います。また、月光卓遊節の目標のひとつは、海外、特に欧米の出版社の人にも視察に来てもらうことで、ボードゲームの商業的な場のハブになることです。そうなれば、出展していただくことで、商業的な話にも繋げることができます。

なるほど!いろいろと日本からの出展や来場者をサポートしていただき、本当にありがとうございました。

以上、台湾のボードゲームイベント 月光卓遊節の参加レポでした!ぜひ来年も日本からたくさん来場しましょう!


おまけ

会場の最寄り駅から4駅10分ほどの文化中心駅には、Punch Boardgame Storeというボードゲームカフェ&ショップがあります。

もっとたくさんのボードゲームを見たい!という方は、ぜひ訪れてみてください。こちらの写真のボードゲームは全て販売用で、試遊用はまた別にあります。

以上、高雄のボードゲーム情報でした!