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スタッフブログ

奈良県橿原市
ゆっくり流れる時間の中で

いつも朝は11時に起きる。

朝が遅い、というより、朝が始まる頃に目を覚ます感じだ。スマホのアラームで強制的に起こされる。。自然に起きるなんてのは自分には到底無理な話だ。ぼんやりとした頭でまずはお風呂に向かう。朝風呂は、一日の始まりの儀式みたいなものだ。温まりながら、髭を剃る。体の中の眠気をそっと溶かして、剥がしていく感覚だ。


お風呂を出たら、さっと準備を整える。服を着替えて、身支度を終えたら、紙タバコを一本くゆらせる。煙をゆっくりと吐き出しながら、ぼんやりと今日のことを考える時間が好きだ。まだ始まってもいない一日に、小さな期待と大きな怠け心が入り混じる。


そして、原付にまたがり、約三十分かけてボードゲームスペースのdottoまで向かう。風を切って走るその時間は、頭の中が空っぽになれる貴重な瞬間だ。団地や商店街の景色がぼんやりと流れていく。


店に着くと、まずはシャッターを三つガラガラと開ける。店が息を吹き返すような、その金属音が好きだ。

中に入り、ノートパソコンを立ち上げる。TwitterやInstagramなどのSNSに、今日の営業情報やオススメのボードゲームを投稿していく。ちょっとした宣伝だけれど、その投稿がきっかけでお客さんが来てくれることもあるから、大事な仕事だ。


投稿がひと段落すると、iPhoneを取り出し、アイビスペイントでSNS用の1ページのエッセイ漫画を描くのが日課だ。

その日あったことや感じたことを、小さなコマに詰め込んでいく。これは、描くというより「自分の気持ちを整理する」時間なのかもしれない。まるでサウナの後に水を飲むみたいに、欠かせないルーティンになっている。


漫画を描き終えると、ようやく「本格的な暇」が始まる。

とはいえ、お客さんが来たところで、やることは少ない。接客とルールの説明、それからお会計くらいだ。だから、お客さんがいてもいなくても、だいたいは暇なのだ。


暇な時間はノートパソコンで映画を流す。セリフが多すぎず、映像が静かに流れていく映画が好きだ。映画の世界と、窓の外の現実を行き来しながら、ゆるりと時間が過ぎていく。


窓の外には人が通る。誰かが看板をじっと見てくれると、心の中で「入ってきて」と願う。でも、なかなか入ってはくれない。知らない店に入るのは、誰だって勇気がいる。そんな冒険心を持って入ってきてくれるお客さんは、だいたい話しやすくて気が合う。


夕方が近づくと、そろそろ店を閉めるか迷い始める。営業時間は23時までだけど、立地も良くないし、あまりに暇だと来る可能性は低い。オーナーからは「16時を過ぎて暇なら閉めていい」と言われているけれど、淡い期待でほんの少しだけ粘る。


閉めようと決める判断材料は、通りを歩く人の数と、長時間座って痛くなった自分のケツの具合だ。

「あーもう、今日は無理だな」と思ったら、店の電気を消し、シャッターを三つ勢いよく閉める。

原付にまたがり、痛いケツを気にしながら家路につく。


家に帰ると、急いでご飯を済ませ、布団に潜り込む。

スマホでYouTubeを眺めながら、「眠いな〜」と思いつつも、まだ夜はこれからだとちょっとワクワクしている。店でも家でも、だいたいこんなふうにゆったりと時間を過ごしている。


こうして何も起きない一日が、静かに積み重なっていく。

それが、いまの自分にとっては、わりと悪くない。

たまご
ボードゲームスペースdotto
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