先日、日本語版が発売されたクルセイダーズ。一部の戦略マニアには人気のゲームなので、心待ちにしていた人もいたことでしょう。やはり初見の人と一緒に遊ぶことを考えたら、騎士団タイルは日本語がいいです。
クルセイダーズは、トラヤヌスというより、テラミスティカ系に近い印象です。
遊びやすい理由は何でしょうか。
一つ目は、クラマートラックつまりVPトラックがないこと。テンポがいいです。
二つ目は、マンカラというより、実質的には、ワーカーリムーブメントであること。
三つ目は、各種能力値トラックがなく、個人ボードの穴空け式のみであること
四つ目は、ラインコネクト的なエリア拡大ではないこと。
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↑ 個人ボード。左上が、個別能力(騎士団タイル)、その下がマンカラ部分、右上から下に、召集軍隊タイル、建物(城)、建物(教会)、建物(農場)、建物(銀行)。このトラック上に建物4×4、マンカラ部分にアクション駒を置き、ゲームスタート!
VPの取り方は4つ。
一つは戦闘(crusade)で第三勢力を倒すこと。敵の力と同じVP、3であれば3VP貰えます。
二つ目は、建物をメインボード上に配置することで、穴が空いた所のI、II、Ⅲ…つまり1VP、2VP、3VP…貰えます。
三つ目は、建物4つ全てパンチアウトした時の、第Ⅳ建物ボーナス。これは終了時ボーナスです。
四つ目は、マンカラ部分にある影響力アクション(influence)。そのウェッジ上にあるアクション駒の数の分VPを貰います。
戦闘をするのにも建物を建てるにも、マンカラのそれぞれのウェッジ上にあるアクション駒の数が、そのまま攻撃力やコストを表します。例えば建築アクション(build)に駒が3つあればレベル1(コスト3)の城、教会、農場、銀行のどれかが配置できます。そしてIレベルなので1VP貰います。例えば銀行を建てた場合は、穴が空いて建築アクションパワーが+1になるので、次回からどの建物でも買いやすくなります。
軍隊タイルをひっくり返すのは、召集アクション(muster)。ひっくり返すたびに、戦闘力が+1増えます。
戦闘は、丸い敵トークンが置いてあるエリアに入って、アクション駒などの総数が第三勢力の点数より多ければ勝ったことになります。第三勢力は3種類いて、プロイセン人、スラヴ人は初期戦闘力3で、倒すたびに1ずつ強くなっていきます。もう一つのサラセン人は戦闘力は永久に6ですが、倒すとVPの代わりにタダで建物や軍隊を作れます。
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↑ 特にサラセン人(このマークは軍隊無料)には、このように複数の騎士団が取りに来る。当然、手番が最初のプレイヤーがサラセン人と戦闘できる。戦闘に負けは無いのだが、サラセン人に対しては戦闘力が計6以上なければ戦闘できない。勝った暁には、この場所に建物が建てられるが、それは次回のアクションとなるので、相手プレイヤーに先に建てられてしまう可能性が高い
手番に二つのアクションができればいいのに…、と思う時は、マンカラのアクションをせずに、ウェッジの「改良」をすることができます。
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↑ 改良のオススメは、移動アクション(travel)の改良。移動&戦闘、移動&建築にしておけば、他プレイヤーが闘おうとあるいは建てようとしているエリアに後から入り(移動)、戦闘や建築をすることができる。ただし、両方同時に可能なアクション駒の数を溜めておく必要がある。
有力な戦略としては、戦闘特化戦略があります。これは、倒した相手の戦闘力が大きくなっていくのを見越して、大きいVPを取っていく戦略です。プロイセン人とスラヴ人は最大10VPまで上がるので、この2種を狙います。ただしそれには、できれば軍隊のレベルⅤまで召集する必要があり、そのためには、召集力を上げる農場の建設も必要になります。
もう一つは、城戦略です。これは、城4つのパンチアウト及び第Ⅳ建物ボーナスを狙います。城の第Ⅳ建物ボーナスは、第三勢力3種1組につき4VPというもの。これを3セット分狙います(12VP)。もちろん、ある程度闘います。ただ、戦闘特化戦略と違うのは、サラセン人も相手にできるということ。教会や農場の第Ⅳ建物ボーナスは6〜8VP止まりなので、建物をガンガン建てていくのなら、潜在的に大量VPが狙える城か銀行のパンチアウトを狙いたいところです。
また、隠れた戦略として、影響力戦略も強いです。単純に、溜まった影響力アクションをすれば、中終盤は1回で10VP弱は稼げることもあるので、インフルエンスもバカにできません。盲点となりますが、これも戦略の一つとして組み込みたいです。
残念なのは、他プレイヤーとの、場所や敵の取り合いがそれほど無いので、ソロプレイ感が強く感じられることです。終始、自分のマンカラのベストな移動ばかり考えるからです。
それでも、騎士団の個別能力が10種類もあり、バランスもよく、運要素も無く、知的ゲームが楽しめます。とにかく優れている点は、敷居が高くなく、気軽に戦略ゲームが遊べることです。