個人的評価は9/10
ウヴェ先生の名作『パッチワーク』のリメイク。とはいえ、単純なデザイン変更だけではなくルール等も一部変わっている。ファミリー向けとなったことで、見事にスリム化されている。
以下、前作は『パッチワーク』を、今作は『ツメコミ引越サンター』を示す。
◆前作との比較
①アートワーク
テーマがパッチワークから引越に変わったことで下記のように変更されている。
・キルトタイル→荷物タイル
・キルトボード→トラックボード
・ボタン→お金
・ポーンコマ→トラックコマ
また、時間ボードも引越の道中をイメージした物となっている。
②ボードサイズ、タイル数
・ボードサイズ:9×9マス→7×7マス
・タイル数:33枚→23枚
前作はタイルは1種類だったが、今作はルールの一部変更に伴い、黄色タイル15枚(大きめ)、青色タイル8枚(小さめ)の2種類に区別されている。
なお、スペシャルタイル(1マス分のタイル)数は共に5枚と変わらず。
③ルール
基本的なゲームの進行(タイルの取り方、時間ボードの進め方など)は前作同様。
・タイル準備:
時間ボードの周囲に『全タイル』を並べる
→時間ボードの周囲に『全黄色タイル』を並べる
・タイル追加:
タイルが無くなってきても特に何もなく続行
→黄色タイルが残り5枚になった時点で、トラックコマの後ろへ全青色タイルを追加で並べて続行
・ボーナスタイル:
7×7マスを先に埋めたプレイヤーはボーナスタイルを獲得
→ボーナスタイル廃止
◆良かった点
①スリム化
ファミリー向けにスリム化されたことで、短い時間でパッとできるようになった。(30分→15〜20分)
②ゲーム性
前作は基本的に逆転が難しいゲームの為、大差が付くと消化試合的な感じで間延びしていた。今作もルールのベースは変わっていないので基本的には同じはずだが、調整されているのか大差が付く前にゲームが終わることが多い。
また、タイル準備が2段階となったことで、ゲームが前後半に別れて戦略性が増したと思う。最後まで全埋めできるかどうかも読みにくくなり、これも逆転劇に一役買っている。
③プレイ感
1ゲームのプレイ感は『え?もう終わり?』と物足りなさを感じるくらい短い。ただし、だからといって全埋めもちゃんとできるし、できた時の気持ち良さは相変わらず。
また、スリム化による1ゲームの時短と、この1プレイの物足りなさが相まって『もう一回やろう!!』とリプレイ性を高めていると思う。
◆イマイチだった点
・ボーナスタイル
ボードが小さくなったので難しいかもしれないが、何かしら欲しかったかな。
・ボード
トラックボードの扉部とタイヤ部は、可愛らしいんだけど、いつか破れそう…。ファミリー向けとのことだが、子供とプレイすることを想定しているなら尚更。
ルールのマイナーチェンジにより、ある意味別物のゲームになっている。個人的には断然今作の方が良い。前作を持ってない人は勿論買いだと思うが、両方持ってても良いかと思う。