インフェルノは、特定の色か数字を順番に出し続けて、出せなくなった、あるいは出したくない人がそれまでに出たカードを全て引き取って失点となる、失点回避カードゲームです。
最初に決まった数の手札を渡され、一番最初にカードを出すスタートプレイヤーを決めます。
スタートプレイヤーは、手札から任意のカードを一枚出します。
そこから手番順に、今出したカードと「同じ色」か「同じ数字」のカードを、他のプレイヤーにも分かるように目の前に置きます。
カードは5色で数字は1〜5。
ポイントは、「最初に出た色と数字だけを参照する」ことです。新しく出たカードの色と数字は関係ありません。
もちろん、最初に出したプレイヤーに手番が戻って来れば、同じように最初に自分で決めた色か数字を出さなければならないので、自爆しないよう注意も必要です。
どこかで出せなくなるか、出さないことを選んだプレイヤー(可否の宣言の必要はない)が、それまでに出たカードを全て引き取ります。
引き取ったカードは一枚につき1失点となりますが、赤いカードだけは書かれた数字がそのまま失点となってしまいます。
出せるカードには限界があるので、プレイヤーは大きな失点となる赤いカードをいかに引き取らないよう手札を管理するか、が最大の注意点になってきます。
赤カードをいかに回避するか。あるいは、手札の赤カードをどう相手に押し付けるか。お互いの手札を読み合いながら、決定的な勝負に打って出る感覚などはとても刺激的で、なかなかクセになる味わいです。
誰かの手札が無くなるまでラウンドを行い、人数分のラウンドを行ったらゲーム終了です。失点が一番少ない人が勝者となります。
本作のいい所は、手札の良し悪しがそれ程重要ではなく、相手の手を読んで行うプレイングに重点があるところだと思います。
「次の手番で自分は出せなくなるので、カードを上乗せされる前に引き取っておこう」とか、「もうあの数字は出せないはずだから赤を出して勝負をかけよう」など、読みで大きな失点を回避する心理戦の部分に面白さがあって、かなり大人向けの上質なゲームだなという印象を受けます。
パーティーゲームっぽい装いですが、実際は本格的な駆け引きがメインなので、遊ぶ人は心理戦慣れしている方がより楽しめるかと思います。
コンポーネントはカードのみですが、失点の管理に一人あたり50点くらい記録できる紙やチップがあった方がいいです。
カードは赤だけ刺激的な絵柄が描かれていて、出た時に「ヤバいぞ」と視覚的に分かりやすくなっているのが特徴ですね。
あんまり刺激的なので子供と遊ぶのには向かないですが、そもそも子供が勝てるゲーム性ではないので、その辺は問題ないかなと思っています。子供と遊ぶのに適切なカードゲームも山ほどあるので、選択に困ることは無いはずです。
クニツィアのライトなカードゲームとしては、非常に分かりやすくかつ、プレイングの結果も出やすい大人のゲームだと思います。
とても知的なゲームなので、腕に覚えのあるプレイヤーが集まったら、是非とも遊んでみて下さい。