発売になったころはかなり話題になったものでうすが、さすがに今ではあまり取り上げられることも少なくなってきました。
とはいえ、エリアマジョリティと、今で言うエンジンビルド的な要素を併せ持つというのは他には余り見られない特徴であり、現在でも新鮮なプレイ感であることは間違いありません。
カードの効果などはアイコンで示されていますが、ややわかりずらい部分もあり、言語依存はやや高めとも言えます。日本語版も発売されてはいますが、現在ではやや入手困難なのが残念なところです。ただ、一度アイコンの意味をしっかり理解してしまえば、他言語版でも問題なくプレイできるとは思います。
メカニクスとしては、ハンドマネージメントとエリアマジョリティによるリソース管理があり、そこにカードの積み重ねによるエンジンビルドが載っている、当時としてはかなり目新しいシステムで完成度も高く感じられたものです。
かなり個人的な意見となってしまいますが、全体的にじめっとした雰囲気が強いゲームです。
終盤でカードのコンボが発動するところ以外は、爽快感が感じられないのです。
序盤、中盤はリソースのやりくりが結構厳しく、また、終盤は、勝利条件を満たすまでゲームが終了しないため、やや収束性が悪い一面があります。
特に、自分の勝ちは望めない盤面において、上位プレイヤーがぐるぐる点数の稼ぎ合いをする、なんていう唾棄したくなるような状況に陥ることもあり得ます。
収束性については、例えば一定数のターンでゲームを終了するようなハウスルールを作ってしまえば、解決します。ただシステムとしては、いつゲームの終了フラグを達成するかも駆け引きの一つとなっているともいえるため、痛し痒しといったところでしょうか。
ウイングスパンなどが出てきた今ではもっと注目されても良い作品と思えますが、独特のプレイ感覚と重厚さ(ルール自体それほど複雑ではないですが)は、やや人を選びそうです。
逆に、はまってしまった人にとっては長く楽しめるゲームといえるでしょう。