プレイヤーの目的は山の幸を求めて狩りに行き無事生還すること。ただ、実り多き山なので熊やサルなど、他の動物たちも山の幸を求めている。
プレイヤーは1ラウンド事に「あばあさん」(親)1名、残りが「猟師」(子)になる。全員がおばあさん役を2回やったら、ゲーム終了となり、その時点までに山の幸を売って獲得していた金額の多いプレイヤーの勝ちとなる。
猟師たちは1グループとなって山を散策していくが、分かれ道や途中下山などのタイミングを相談することができる。道中、熊に規定回数遭遇すると山狩り失敗となる。無事下山できれば獲得した山の幸を売り、お金を得ることができる。
おばあさんは山には登らないが、登山開始時に護衛役の犬を貸し付けたり、猟師たちの様子を伺って下山を促すことでプレイに介入できる。ここで重要なのが猟師たちが「途中下山」を選択した時で、それまでに猟師たちが獲得した山の幸を巡って、おばあさんとの価格交渉を成立させないと途中下山はできず、生か死の行軍を続けることになる。
登山時は猟師たちを心配して犬まで貸してくれるおばあさんが、途中下山の交渉になると途端に足下を見てくるという訳だ。この交渉が実に熱くて面白い。
コンポーネントも素晴らしい。
まずマップはB3サイズを二つ折りにしたもので、両面印刷によって山の表側と裏側をイメージした作りになっている。ゲームの難易度もマップのコースによって変化し、B4サイズの初級と中級、B3サイズの上級となっている。
道中で獲得できる「山の幸」を表すカードも牧歌的で美麗なイラストが満載である。全てのカードがイラスト違いになっており、山の幸や動物たちが活き活きと描かれている。
ゲームの難易度自体は優しいので、家族やボドゲ初心者にもお勧めできるし、日本の豊かな自然を紹介できる一品として海外の方にもお勧めしたい作品である。