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  • 2~4人
  • 60~90分
  • 12歳~
  • 2022年~
(2.5)

テラノヴァ

メーカー:テンデイズゲームズ

1営業日以内に発送可能
日本語ルール付き/日本語版
人気ゲーム「テラミスティカ」の流れを汲む新作

プレイヤーは、それぞれがユニークな特性を持った種族を受け持ち、テラミスティカの世界での勢力拡大競争を制することを目指します。

ゲームのメインとなるシステムは、陣取りです。
ボード上の土地マスに自分の建物を建てることでその土地を得て、ラウンドごとの得点条件を中心に、得点獲得を目指します。
プレイヤーが受け持つ、それぞれの種族は適正のある地形が決められており、効率よく土地を獲得していくためには適正のない土地を適正のある土地に変化させる必要があるなど、ボード上、どのように勢力を拡大していくかの見極めは、重要なものになります。
また、各種族は、建てた建物をアップグレードすることで、固有の能力を用いることができるようになるため、より効率的な発展のためには、自分の種族がどのように立ち回ればいいのか、それも十分に考える必要があるでしょう。
また、手を進めるために必要となるリソースのひとつである「パワー」は、パワーを蓄えるまでは使用することができず、そのマネージメントは「テラミスティカ」同様に、ゲームのカギとなるでしょう。

「テラミスティカ」にあった要素からいくつかをばっさりとカットし、陣取りに特化した新しい「テラミスティカ」と言える内容になっています。
要素が少ない分、遊びやすく、展開もテンポがいいため、「テラミスティカ」入門編としてうってつけであると同時に「重すぎない本格的戦略ゲーム」としても魅力的です。
その一方で、「陣取り特化型テラミスティカ」としての魅力も兼ね備えており、「テラミスティカ」をやり込んだプレイヤー同士では、より熱い陣取り合戦が楽しめるものになっています。

「テラミスティカ」の面白さに気軽に触れられる一作として、また、ひと味違う「テラミスティカ」を楽しめる一作として、広くオススメできる一作です。

世界観/フレーバー/アートワーク

システム/メカニクス/ジャンル

レビュー 7件

レビュー
1884名が参考
1年以上前

《名作テラミスティカの魅力を中量級にギュッと詰め込んだ意欲作!》

大好きなテラミスティカが遊びやすくなって新登場したとのことで、早速いろいろと遊んでみたのでレビューしたい。なお、私の「テラミスティカ愛」が溢れ出て思わず長文レビューとなってしまったので、興味あるところだけでも読んでもらえると嬉しい(笑)。

《目次》

【テラノヴァについて】
【ゲーム概要】

<テラミスティカとの違い>
【基本のリソースはお金だけ、駒の種類も減って分かりやすい!】
【マップは縮小、地形も5種類になり、教団トラックは廃止】
【離脱手番順選択ルールも標準装備】

<実際のプレイ感>
【高1、小4息子と3人プレイ】
【テラミスティカ初心者のゲーマーと2人対戦】

<テラノヴァの魅力>
【ヤマアラシのジレンマが凄い!】
【パワーサイクルが面白い】
【一つの世界を作り上げる楽しさ】
【テラミスティカとは違った面白さ】

<良いところ>
<良くないところ>
<説明書&対象>

【感想】


【テラノヴァについて】

テラミスティカ」は2012年に発表された世界的に有名な戦略ゲームで、2013年のドイツ年間ゲーム大賞推薦リスト、同年ドイツゲーム賞1位など数々の受賞歴を誇る名作だ。発売から10年経過した今でも根強い人気を誇っており、私も大好きな重量級ゲームの一つである。

その「テラミスティカ」が中量級に遊びやすくリメイクされた作品が「テラノヴァ」だ。デザイナーは新人のアンドレアス・ファウル(Andreas Faul)氏に代わっているが、開発自体はテラミスティカの発売元Feuerland Spieleが行っており、イメージを壊さないリメイクになっている。日本語版はテンデイズゲームズから出版。


【ゲーム概要】

プレイヤーはファンタジー世界の1種族を担当し、勢力拡大を目指す。
ゲームは5ラウンドで構成され、1ラウンドは3フェイズからなる。

  • フェイズ1:収入フェイズ
  • フェイズ2:アクションフェイズ
  • フェイズ3:ラウンド終了フェイズ

収入フェイズでは、お金とパワーを得ることができ、その資源を使ってアクションを行っていく。
アクションは以下の7つ。

  • 地形の変換と建設
  • 建物の改良
  • 船舶値の上昇
  • 橋の建設
  • パワーアクション
  • 種族固有の特別アクション
  • パス

基本的な流れとしては、各種族は固有の地形にしか建物を建設できないため、まずコストを払って隣接する地形を固有の地形に変換する。そしてさらにコストを支払って交易所宮殿を建設し領土を広げていく陣取りゲームである。

勝利点は、各ラウンド毎のボーナスゲーム終了時の領土の広さで得ることができ、5ラウンド終了時に最も勝利点の高いプレイヤーの勝利となる。


<テラミスティカとの違い>

【基本のリソースはお金だけ、駒の種類も減って分かりやすい!】

テラノヴァの理解を簡単にしてくれている要素の一つとして、リソースがお金だけになったことがある。テラミスティカでは労働者駒があったのだが、さっぱりと無くなっている。つまり建設や改良を行うときに考えることはお金だけで良いので、初心者には非常に分かりやすくなったと感じられる。

また建物も、交易所宮殿(右、左)と3種類になったので覚えやすい。神殿や聖域がなくなったことで、建物の改良ルートもシンプルで分かりやすくなり、初めて遊んだプレイヤーが非常に理解しやすいようになっていることに好感が持てた。

また他プレイヤーが建設や改良を行った時に得られるパワーは、種類に関係なく建物1個につき1パワーに変更されているので注意して欲しい。


【マップは縮小、地形も5種類になり、教団トラックは廃止】

テラミスティカは、13x9マスのマップに76マスの陸地。
テラノヴァ(3〜4人用)は、10x9マスのマップに60マスの陸地。

最大プレイ人数が5人から4人になったことに合わせてマップも80%程度に縮小している。また地形の種類も7種類から5種類(湖、森林、荒野、砂漠、沼地)に減ったため、スコップも最大で2本しか必要なくなっている。

また最も大きな特徴として教団トラックが完全に廃止されており、これにより完全な陣取りゲームとして生まれ変わった。


【離脱手番順選択ルールも標準装備】

今作では、テラミスティカの炎と氷拡張から導入された「離脱手番順ボード」がオプションで選べるようになった。テラミスティカの基本ルールでは、前のラウンドで一番初めにパスしたプレイヤーがスタートプレイヤーとなり、時計回り順にプレイしていく。

しかし、これでは一番最後にパスしたプレイヤーが2番手でプレイすることもあり非常に不公平感を感じていたのだが、パスした順番が次のラウンドの手番順になることによって、より戦略的にパスを選択することが可能となっている。

特に今作では、4パワーで発動できる7金取得のアクションがより強く感じるため手番順は非常に重要な要素と思われる。標準でオプションルールを用意してくれたのは嬉しい配慮だ。


<実際のプレイ感>

実際にテラノヴァをプレイした感想を綴っていきたいと思う。

【高1、小4息子と3人プレイ】

次男ルイージ(高1)、三男レオン(小4)と3人プレイ。
ちなみに2人ともテラミスティカは未プレイである。

インストは30分。特にレオンがルールを理解できるか心配だったが、意外にもすんなり理解できた様子だった。ただ、橋と船舶の違いを説明するのには少し手こずった。セットアップはルールブックの初回推奨通りとし、家の配置もそのままとした。

種族は見た目で好きな種族を選んでもらい、ルイージは「ゴーレム(赤)」、レオンは「ウォーター・スプライト(青)」、私は余った「サン・ウォーシッパー(黄)」となった。ゲーム終了後に気付いたが、「ゴーレム」は毎ラウンド終了時に交易所の数だけ勝利点を得ることができる能力なので少し難しく経験者向けだったかもしれない。やはり初心者には、簡単に家を建設できる「ウォーター・〜」か「サン・〜」がプレイしやすいだろう。

しかし2人とも思った以上に上手にプレイしており、地形を変換して家を建て、交易所へ改良して宮殿を建設、町の作成まで難なくこなしていた。教団トラックがなくシンプルな陣取りになっているため見通しが良いのかもしれない。

途中、「船舶での到達範囲内」と「橋による隣接」を勘違いしていた、と騒ぎだしたのでやり直したりもしたが、5ラウンドはあっという間に終わり、80分で決着がついた。ゲーム中は常に和気藹々としたファミリーゲームの雰囲気で楽しくプレイできた。

ゲームの感想を聞いたら、1位のレオンは満面の笑みで10点満点。負けたルイージは非常に悔しがっていたが、それでも9点という高評価をくれた。夏休みの宿題がなければ「もう1戦!」と言いたげな表情なのが印象的だった(笑)


【テラミスティカ初心者のゲーマーと2人対戦】

次に中量級なら問題なくプレイするテラミスティカ初心者ゲーマーOTC氏と2人対戦をしてみた。前回のこともあるので、「船舶での到達範囲内」と「橋による隣接」については細く説明を行った。やはりテラミスティカ初心者には、領土の数え方と町の建設が少し難しいのだと感じたが、今回はしっかりと理解してもらえたようだ。

OTC氏は「フェアリー」、私は「レプラコーン」を選択。
この2人対戦は前回のプレイとは全くプレイ感が異なっていた。

とにかく非常にシビアだ。初期配置の家は2つずつなので、展開としては各場所で町を建設してから繋げて、最終的には大きな領土にしていきたい。これはもう明白な目標なので、相手の狙いはかなりはっきりと分かる。そしてお互いのリソース(お金、パワー)も完全公開情報のため、リソース獲得を優先するのか先手番を獲得するためにパスするのか、といった駆け引きが非常に熱い!もはや将棋のようだと感じた。

ルールブック推奨のセットアップだと中央の領土をどちらが制するかで勝敗が決まると言って過言ではない。それほど非常に厳しい戦いで、今回は一日の長で私が中央の領土を制圧して3つ目の町を建設し9勝利点を獲得。そのおかげで64対54で勝っているが、1手番の差でどうなっていたか分からない非常に緊迫した面白い勝負ができた。

またルールブックには2人用選択ルールとして、より戦略的な「計画者選択ルール」と運用素の大きい「幸運な金鉱掘り選択ルール」が用意されているので、機会があればぜひ試してみたい。


<テラノヴァの魅力>

テラミスティカと共通する魅力と、異なった魅力があると思う。

【ヤマアラシのジレンマが凄い!】

テラミスティカの最大の魅力でもあったのだが、「交易所を建設するとき、他プレイヤーの建造物と隣接している場合はコストが安くなる」というルールが非常に効いている。テラノヴァの目標はゲーム終了時に最大領土を確保することなので、できるだけ多くの建造物を建設していきたい。

しかし、家だけでは駒が足りず拡大する意味でも交易所や宮殿を建設したくなるのだが、そのコストが変わってくる。つまり周りに他プレイヤーの建造物がない場合は10金と高額なのだが、隣接している場合は7金とずいぶん安くなる。たった3金だがこの差は非常に大きく、自然と改良を行う際はできるだけ他プレイヤーと隣接したくなる。また隣接していると、他プレイヤーが建設や改良を行った時にパワーを得られるメリットもある。

だが、隣接していると建設できる領土も限られてくるので広がっていくには不自由だ。この他プレイヤーと隣接したいけど、離れたい。」という矛盾した願望がテラノヴァでは常に頭を悩ませてくる。これは「ヤマアラシのジレンマ」と呼ばれる人間同士が互いに仲良くなろうと心の距離を近づけるほど、互いに傷付けあって一定距離以上は近付けない心理と非常によく似ている。(参考:日本経営心理士協会「ヤマアラシのジレンマ」

つまり、テラノヴァは人間の根源的な心理に基づいたルールを擁しており、それ故にテーマに没頭し夢中になってしまうのではないだろうか。これはテラミスティカも同様の魅力を備えているのだがテラノヴァでも健在であり、簡単なルールと短いプレイ時間でそれを満喫できることこそがテラノヴァの最大の魅力だと感じる。


【パワーサイクルが面白い】

テラミスティカユニバース独特のリソースとして「パワー」がある。これはあまり他のゲームでは見られない循環するリソースで、レベルが三段階ありレベル3まで上げると独自のパワーアクションを行うことができる。このパワーアクションは非常に強力であるため、パワーを上手く利用することが勝利には欠かせない。

このパワーは貴重なリソースなのだが、各ラウンドの収入フェイズで得られるほか、隣接したプレイヤーが建設や改良を行った時にも得ることができるので、やはり他プレイヤーと隣接したくなる。だけど離れたいジレンマもある。

そう考えると、このパワーサイクルは、テラミスティカユニバースだからこそ成立している奇跡のシステムなのかもしれない。


【一つの世界を作り上げる楽しさ】

また他のレビューでも述べたことがあるが、とにかく最終盤面が美しい。およそ90分のゲームプレイ中に置かれた駒の一つ一つに意味があり、そこにはプレイヤーの意図をはっきりと感じることが出来る。複雑な思惑が交錯して出来上がった盤面には、このセッションでしか得られることの出来なかったであろう空気感があり、「あの時、ここに建設していれば・・・」などと悔しさを滲ませて感想戦を行うのもまた楽しい。やはりメインボードの美しいボードゲームは最高なのである。


【テラミスティカとは違った面白さ】

上記3つはテラミスティカ(TM)と共通した魅力だと思うが、テラノヴァ(TN)には独自の違った面白さもあると思う。

まず両者の一番大きな違いはやはり教団トラックの有無であり、TNでは教団トラックが無くなって戦術の幅は明らかに狭まった。TMでは種族によっては不得手な領土争いには参加せず、教団トラックを占有して勝利を目指すことが戦術の一つとして確かにあったのだが、それがTNでは出来なくなり否応もなく陣取りを行うしかなくなった。

これによりTMよりも制限されたプレイ感に感じられ、これまでTMを楽しんできた熟練者にとって、TNは窮屈で物足りないものと感じるかもしれないが、ちょっと待って欲しい。この厳しい陣取りによる1マス、1手番の差が勝敗を分けるギリギリの戦いこそがテラノヴァの目指したところであり、大きな魅力でもあるのだ。

またリソースとして労働者が無くなったのも非常に大きい。これによりお金の管理が非常に重要となったのだが同時に見通しは良くなりダウンタイムも短くなった。サクサクと進むプレイ感はとても気持ちが良く、3人プレイが80分で終わることはTMではかなりの熟練者同士でないと難しいと思う。種族を変えて、もう1戦!」と思わず言ってしまう手軽さは本当に素晴らしい。


<良いところ>

  • 教団トラックの排除、コストはお金のみになり見通しがよく、初心者でもプレイしやすい
  • テラミスティカの魅力はそのままに、駆け引きの強い陣取りが面白い!
  • 悩みどころはしっかりとありながら、ダウンタイムが短くなりゲーム展開がスピーディになった。

<気になるところ>

  • シンプルすぎて、テラミスティカ熟練者には物足りない。
  • 直接攻撃はないものの、妨害要素があるので気になる人はいると思う。

<説明書&対象>

説明書:12ページ。インスト:30分
プレイ時間:80分(3人プレイ)、60分(2人プレイ)
BGG weight: 2.91(2023/9/7現在)、中量級

おすすめの対象として、「これまでテラミスティカに興味はあったものの、重ゲーであるため躊躇していたボードゲーマー」には、ぜひともプレイして欲しい。きっと見た目よりもシンプルなルールに驚くとともに、その面白さに魅了されてしまうだろう。

また、誤解を恐れずに言えば「メディナ(Medina)」や「タルバ(Taliuva)」にプレイ感が似ていると思うので、中量級のオールドユーロゲームを好むプレイヤーも気にいるのではないだろうか。

逆に、妨害要素の少ない現代的なボードゲームしか遊んでいないプレイヤーは、意外にシビアで激しい陣取り要素に面食らうかもしれない。そういうプレイヤーは、まず2人プレイで広々とマップを使うところから始めると妨害要素が少なくなり気持ちよくプレイできるだろう。3人プレイでもけっこう狭く感じた。

問題は、私も含め「テラミスティカ大好きおじさん」だ。おそらく削除された様々な要素が物足りなく感じられて満足感を得られにくいと想像するが、もし日常的にテラミスティカを遊ぶ環境(仲間、時間、場所)があるならテラミスティカで十分だと思うし、次に来るであろう「テラミスティカ:革新の時代」を待てば良い。しかしそういう環境がない場合は、遊ぶ機会を増やす意味でテラノヴァは非常に意味があると思うし、意外と本家よりも厳しい陣取りゲームも楽しいので試してみて欲しいと思う。


【感想】

まず結論から述べると、テラノヴァは素晴らしい!
この壮大なテラミスティカワールドを、たったの60〜90分のプレイ時間で体験できるのは驚異的と言えるほどだ。そういう意味で非常に価値の高い素晴らしい作品だと断言したい。

ただ正直に言うと、テラミスティカ大好きおじさんとしては、テラノヴァは物足りない。教団トラックがないのは不満だし、神殿や聖域がなくなり恩恵タイルによる拡大要素がないのも不満だし、ここぞという時にパワー削除による勝負をかけることができなくなったのも不満だし・・・まあ、不満だらけだ。

種族の特性を活かして、今回は陣取りで勝利点を目指すのか、はたまた教団トラックを伸ばして勝利点を稼ぎに行くのか、その戦術に思考を巡らしながら建造物を建てて収入を伸ばして拡大していくのがテラミスティカの醍醐味ではないのか、そんなふうにも思う。

だが、それもこれもテラミスティカをプレイした時にのみ得られる醍醐味であり、そもそも卓が立たなければ意味がない。実際、3年前に私が購入したテラミスティカは現在までに2回稼働しただけで、あとの十数回は全てBGAによるターンベースのプレイとなっている。

現実のボドゲ会でテラミスティカの卓を立てるのは、なかなか難しい。その理由は、「インスト時間が長い」「プレイ時間が長い」ことなどもあるが、「習熟に時間がかかる」ことも大きな理由だと考えている。初心者が熟練者に勝つことは非常に難しいゲームなのだ。

もっとテラミスティカを遊びたい!

そんな思いをずっと抱えたまま、時間だけが過ぎていった。そこに現れたのが、テラノヴァだ!
テラノヴァは非常に気楽に出せる。夏休みの宿題に追われている息子たちを誘うこともできた(笑)これなら日常的なボドゲ会でもスッと出すことがきっとできる。

そしてゲーム自体も非常に面白い相手を妨害しないプレイを心がければファミリーゲームとして和やかに楽しめるし、ゲーマー同士なら要衝の攻防が非常に熱いシビアな陣取りゲームにもなる。

このテラノヴァなら幅広い層のプレイヤーと楽しむことが出来るはずだ。そしていつか広大なテラミスティカユニバースを皆で楽しむ世界を夢想してしまうのである。

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Sato39
Sato39
レビュー
1255名が参考
約2年前

「テラミスティカの簡易Ver」 と箱裏に書かれているのですが、ぶっちゃけ、「宗教なんて捨てて(盤面の奪い合いで)かかってこい!」というテラミスティカです。


「テラミスティカ」というゲームの説明は、テラミスティカのレヴューページを見て頂くとして。

 

各プレイヤーが5ラウンド(6ラウンドではありません)終了時の累計点数を競うゲームです。

各ラウンドは、「収入」「アクション」「ラウンド終了処理」の3フェイズから成り立っており、「アクション」フェイズでは、以下の7種の行動のどれか1つを選ぶと次プレイヤーに手番が回りますが、「離脱」しない限りは次の手番が回ってきて、再びアクションを選択できるようになります。

・土地改良 と住宅の建設:4金を支払うことで家を建てることが出来ますが、5つの種族は、それぞれ住める生息環境が違いますので、土地改良の費用として6金 or 12金を追加で支払う必要があります。

・建造物の改良:住宅は交易所に、交易所は宮殿に建て替えすることが出来ます。

・船舶の改良:河川ヘクスを越えて支配領域を拡大する為に、船舶値を上げます。

・橋の建設:10金で橋をかけることで、河川ヘクスを越えて支配領域を拡大することが出来ます。船舶値を上げて繋げる「間接隣接」ではなく、地続きの「直接隣接 」となる為、川を挟んで「町」を形成するには必須です。

・パワーアクション:パワーを使って、6つの特典の1つを得ます。各ラウンド、各特典は1名しか使えない早い者勝ちです。

・特別アクション:宮殿やラウンドボーナスタイルなどからもたらされる特殊能力を使います。

・離脱:このラウンドのアクションを終了します。

このほか、フリーアクションとして、パワーを1金に変換することが出来ます。


「テラミスティカ」を知ってる人向けに言うと、「宗教関係、何もなし。教団ボードも、恩恵タイルも、司祭も神殿・聖域もなし(代わりに、個人ボードに砦が2つある)、得点タイルはあるけどラウンド終了時の教団ボーナスもない。もちろん、聖域の『町が3エリアで作れる』という軽減効果もないし、宗教系種族なんて存在しない 」「労働者駒もなし。リソースは全てお金」「トレイⅡのパワー駒の放棄によるパワー駒移動もカット」と、なっています。

 

「それ、面白いの? テラミスティカをやってればいいんじゃ」と問われると、ガイアプロジェクトや「商人たち」をプレイしている私から見ても、面白いのです。

というのも、盤面の支配領域の奪い合いが苛烈になっています。

まず、土地の種類が5種類しかありません。5種類しかないのですから、4人プレイはもちろん、3人プレイの時点で、他プレイヤーの生息タイルを土地改良しなくてはならなくなる、というのが分かると思います。

けれど、相変わらず、他プレイヤーの行動次第ではパワーが貰えますので、他プレイヤーの支配領域に寄り添うことが求められます。(そうです、「テラミスティカ」と違い、 教団ボードがないのですから、教団ボードからのパワー収入はなくなり、他プレイヤーへの依存性は上がっています) 

そして、得点タイルはが定める各ラウンドごとの推奨行動は健在で、その推奨行動に従わないと得点が入りません。(そうです、恩恵タイルがないのですから、得点タイルへの依存性は上がっています)


ですが、ルール以上に、私は細かいバランス調整でプレイアビリティが上がっているように感じます。

土地改良の6金というのが絶妙で、比較的、選択肢として選びやすいと感じます。(「テラミスティカ」で労働者3駒での土地改良は最終手段ぐらいの選択肢でしたが)

ゲーム開始時に全種族がトレイⅢにパワー4つを持っており、シャベルのパワーアクションが使いやすくなってます。あいにく、2番手でシャベルが取れなくても、7金のパワーアクションを取れば、手番損にはなってもリソース的にはシャベルより得になります。

マップが狭すぎず、広すぎず、これも絶妙です。

 

なにより、「得点タイルの推奨行動に沿って行動するのか、しないのか?」「宮殿を立てるのは今か、次のターンか?」「町はどこに、どのタイミングで建てるのか? それで貰うボーナスリソースはどれにするのか?」「ゲーム終了時のエリア間接隣接ボーナスを取りに行くのか、いかないのか?」「根本的に金が足りないが、何に使うのか?」と、悩むところは「テラミスティカ」と同じです。

「テラミスティカって、ルールが独特で、遊びやすくなったガイアプロジェクトはルールが増えてるし、このゲームで、テラミスティカのプレイヤーを増やせるんじゃ? イラストも、少し柔らかくなったし」と思って購入しましたが、そんなこと、どうでもよくなるぐらい、このゲーム自体を面白く感じてます。

「テラミスティカの入門編」という位置づけに間違いはないのですが、このゲームだけでも完成しており、マップヴァリエーションや新種族が入った拡張セットが出たら追加入手するだろう、という印象を受けています。


なお、私は英語版を入手しましたが、ルールブックは平易な英語ですし、更に「テラミスティカ」のルールをご存じの方なら、ルールの細かい違いに気を付けてルールブックを読めば、英語が壁になることはないと思います。

また、相変わらず、ルールブック以外には言語依存性はありません。言語の壁は極めて低いと思います。 

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Sigma Siuma
Sigma Siuma
レビュー
1101名が参考
1年以上前

このゲーム購入時にテラミスティカをプレイしたことはありませんでした。興味はありましたが自分の場合、ボードゲームを遊ぶのは小学生の息子とがほとんどなので、流石に重すぎて無理だなと思ってました。

本作テラノヴァはテラミスティカの簡易版ということで、BGGで重さを調べたところテラミスティカ3.97に対して、テラノヴァ2.88。重さ2.64のレスアルカナを息子は遊べているので、まあ何とかなるレベルと思って購入しました。

実際に何回か遊びました。結論から言うと小学校高学年でも楽しく遊べるゲームでした。ゲームの流れの骨組みの部分は非常にシンプルで「 収入亅→「アクション亅→「次ラウンド準備亅を5ラウンド繰り返し、勝利点が最も多い人が勝ちです。メインは「アクション亅の部分で手番順に複数のアクションの中から1つを実施し次の人へ。やることがなくなった人からバス。全員がパスしたら「次ラウンド準備亅。「アクション」の種類は色々とありますが、土地に建物を建ててアップグレードするのが基本的な目的となります。

このゲームの特徴は「1.固有能力を持った種族亅「2.ラウンドごとに異なる勝利点の獲条条件があり、指定されたアクションを行うことで勝利点を得る」「3.パスした時に次ラウンド自分のみ有効なボーナスが記されたタイルを得る」この3点ですかね。セットアップでは「2」と「3」がランダムで決められ、その後に任意の「1」を選びます。

セットアップの組み合わせを見て固有能力が活かせる種族を考えて選択し、ラウンドごとのアクションの計画を立てる。ゲームが始まったら建築とエリア争いをしながら、適切なアクションとボーナスタイルで勝利点を得る。じっくり考えながら進める系のゲームです。セットアップと相手の種族次第で毎回違う展開になるのでリプレイ性もあります。

最終ラウンド!アレが引けるか!引けた!勝利点ドバドバドバー!大逆転!ドヤ!みたいな展開はないので、その辺は好みが分かれるところだと思います。セットアップからジワジワと計画を積み上げて、相手の手番を見ながら軌道修正しジワジワと勝利点を積み重ね、盤面に自分のエリアをジワジワ広げ、ラウンドがジワジワと進み、終わるべくして終わり最もジワジワ進んだ人が勝つジワジワなゲームです。

なのでジワジワ勝利点を伸ばせなかったプレイヤーが「 最終ラウンドを俺がプレイする意味ありますか?」みたいに明らかに逆転不可能な展開になっちゃうこともあります。

テラミスティカ経験者の方からすると、物足りなさがあるゲームかもしれませんが、中量級がメインでテラミスティカをプレイしたことのない自分からすると充分に満足できるゲームでした。


余談ですが、このゲームで何回か遊んだあと、テラミスティカをやっぱりやってみたくて、アプリで買って遊んでみました。要素は増えているけど、ゲームシステムの骨組みのところはやはり同じなんだなと感じました。実物のテラミスティカを欲しくなったんですが、現在はプレミアム価格でしか買えない状況のようです。派生作品の「テラミスティカ革新の時代」は売ってるんですが、BGGでの重さはテラミスティカよりも更に重く4.25で価格は¥14,520。流石に重さ4超えたのを小学生がプレイするのは無理じゃね?そんなん買って積んだら嫁さんに怒られると思いつつ、これもいつか遊びたいと思った時にプレミアム価格になってしまうならいっそ今ポチッと。。。買って嫁さんのいないうちに届いたそいつをそっと自分の衣装ケースの底に沈めました。いつかきっと遊ぶんだ。

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仙人
グレン
グレン
レビュー
1076名が参考
1年以上前

日本語版を購入したのでレビューします。

テラノヴァは、名作テラミスティカの簡易版になります。

言いたいことをほぼ言ってくれている素晴らしいレビューが既にあるので、個人的な感想を中心に。


前提として、私はテラミスティカが苦手です。テラミスティカに限らず、運要素がない重量級ゲームはプレイするだけで精神的に疲れますし、敗因を運に転嫁できないのは性格に合わないです。

ただ、テラミスティカのボード上の相互作用や非対称の楽しさ、リプレイ性は非常に魅力的で、さすがの名作だと思っています。

そんな私にとってテラノヴァはまさに「丁度良い」です。

テラミスティカの様々な要素を削ぎ落として重さもプレイ時間も大幅減量し、中量級に生まれ変わったテラノヴァは、手軽にテラミスティカのエッセンスを楽しめるゲームとしてかなりプレイしやすい印象でした。このくらいの軽さだと気楽に遊べて好きですね。


コンポーネントは質が高いです。もともと木駒を並べて街を作っていくボードは素敵で満足感が高かったですが、キャラクターイラストもかなり今風に可愛らしくなっています。テラミスティカの絵が少し癖が強かったので、そこは個人的に結構加点です。

↑ボード5枚の表裏で10種族。全体的に可愛らしくなってます。

また、大きな差として少人数、特に2人戦のバランスは相当向上したと思います。ボードが狭くなった上、2人戦用のバリアントルールが整備されており、かなり良いです。反対に5人プレイは不可になったので、グループによって差別化できると思います。

↓2人戦の様子。特定のタイミングで使わなかった色の家が出現します。


ただ、要素を削ぎ落としまくった影響で戦略の幅はめちゃくちゃ減ってます。ボード上の駆け引き以外の戦い方がなくなったので、各種族のプレイ感差が少なくなり、リプレイ性は大きく損なわれています。ヘクスは113マス→90マス(川込み)に縮小し、種族は7属性14種族から5属性10種族に減少。しかも10種族中5種族は初心者向けでさらに個性が乏しいです。テラミスティカやガイアプロジェクトが大好きな人にとっては物足りないでしょう。

しかも、簡単になったとはいえ中量級としては複雑な部類で、テラミスティカを知らない人にゼロからインストすると中々のボリュームになります。決して軽いゲームではありません。

そういう意味で、プレイ層(テラノヴァを60~70点くらいで楽しめる層)は広くても、ストライク層(テラノヴァを100点と感じる層)は結構狭い印象です。


【まとめ】

基本はテラミスティカなので、ゲームとしては間違いなく面白いです。あとは「既にテラミスティカを所有している人、これから挑戦したい人がわざわざテラノヴァを買うのか」だと思います。

私はテラミスティカを所有していますが、テラノヴァを買って良かったと思っています。テラミスティカが重すぎるグループの時に、少人数で遊ぶ時に、テラミスティカより出番が多そうだと感じています。

もしかしてテラノヴァをやり込めば、テラミスティカへの苦手意識が克服できるかもしれませんね。

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ハナ
ハナ
レビュー
762名が参考
1年以上前

コンパクトなテラミスティカ。種族数や地形数が減り、宗教もなくなり盤面も小さくなった「簡易版」ではありますが、このゲームならではの良さがあると感じましたのでご紹介。主に本家との違いなんかをざっくり書きたいと思います。


本家との比較

①地形数
本家7種類に対して今回は5種類。前は最大3スコップ必要になっていましたが、今回はスコップ2つで改良可能。ということは土地の奪い合い・妨害が容易ということで、街づくりのタイミング・長距離接続狙いがより熾烈になります。


②種族数
地形と合わせて10種類(種族シート5枚×両面)。アートワークも本家と比べてだいぶマイルドなタッチになり、とっつきやすくなったのかな。固有能力も当然それぞれあります。


③宗教関係+労働者の廃止
宗教トラックがなくなり、建物も神殿と聖域がなくなりました。
リソースも司祭と労働者がなくなり、「コイン」「パワー」の2つに。


★木コマ・トークン類の違い比較

TM・TNそれぞれ並べて比較してみました。

まずは木コマ。神殿・聖域・司祭・労働者のコマがTNにはありません。
砦はありますが、形状が少し変わってますね。宗教関係がなくなった代わりに砦は2つ建てられます。家8交易所4は変わらず。

パワー駒はTNが気持ち大きいです。

タイル・トークン類。
宗教タイルがなくなったほか、2コインがなくなり、ラウンド得点計算タイルの形状が変わりました。
あとはデザインは違うけど大体同じサイズ。(町タイルは5色に色分け)


④ラウンド数
本家6ラウンドに対して5ラウンドとちょっとコンパクトになってます。



⑤メインボード(エリア数)

地形が7→5に減ったことを受け、ボードそのものが少し小さく、全体エリア数も減っています。
色味もTMは淡く、TNはくっきりした色合いになっています。
なお、TNのボードは両面仕様で、2-4人用と、2人プレイ選択ルール採用時のものになっています。

大きなところは大体こんな感じでしょうか。


感 想

種族固有能力を生かした入植競争は健在。宗教関係がなくなったことでトラック・神殿や聖域からの恩恵、ボーナスタイルの項目が減っていることもあり、何をするにもお金がものを言う感じにシフト。やることが絞られてわかりやすくなったというか、よりタイトなゲームになったというか。
町を作るにも宗教施設がなくなった分、砦2・交易所4・家8をうまく割り振る必要があるので、最終形を見越したプレイングが必要なんでしょうね。(そんな上手くないのでそこまで考えが回りません)
前述のとおり如何にラウンド得点やボーナスタイルを活用してお金を集めて建てまくれるかにかかっているので、本家よりも融通が利かない(ミスったら巻き返しができなさそうな)印象を受けました。

ボードが小さくなって宗教トラックがなくなったことで、日本の住宅事情的には良い感じにコンパクトになりました。うちは多くても2人(極稀に3人)プレイなので、このサイズ感は好きです。
個人的にはこれで公式のソロオートマさえあれば言うことなかったです。(本家でオートマソロボックス出したんだからデフォでつけて欲しかった…)

本家に慣れている人は「本家でいいや」って言われるかもしれませんが、別ゲーとして考えていいんじゃないかな。
2人プレイメインの方はもちろんですが、以前本家をやって合わなかったという人も試してみてほしいところです。


非公式ソロ(BGG)

本家のオートマソロボックスが機能するらしいのですが具体の方法はまだ議論されていないようで、私も試せていませんが、1つスコアアタック的なものがフォーラム内にありました。
ざっと説明すると、
・2人セットアップでボードやコマ類は1人分。
・ラウンド得点タイル上にコインを2個置き、疑似的な対戦相手コマとする。
・恩恵タイルは5つ。選ばなかった4つに毎ラウンド1コインを置く。(ので全種使うと5ラウンド目は5コイン)
・毎ラウンド、ラウンド得点タイル上の2コインを相手のエリアに置くか重ねる(3コインまで乗せて改良を表す)。
 ※どこに置くか、重ねるかは任意。これを隣接として改良軽減可。
・接続ボーナスは相手が12個繋いでいるとして計算
・3コイン=1点変換
・スコアに応じたランク付け。

といった感じ。
疑似対戦相手の動きがこちらの任意なので、このあたりがダイス等でこちらの意思が入らないようになるとなお楽しそう。種族の特性や立ち回りを確認するのにもいいと思います。詳細はBGGフォーラムをご確認ください。

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