ルールはシンプルなのに奥が深い。かなり面白いです。
面白いと思ったところ
1つ目
シンプルなくせに悩ましいところ。極論すると本作は、各プレーヤーがダイスを12個選ぶ、それだけです。ですが、その選択が悩ましい。なぜか。
ダイスを選択するたびに以下の3つのことが決まるからです。
1.カード購入コスト(ダイスの出目がコストになる)
2.購入する順番(ダイス目が大きい人から購入できる)
3.次回の収入の種類(ダイスの色によって、お金、軍事力、勝利点、巡礼者の歩数のどれをゲットできるか決まる)
なので、非常に悩ましい...「あのカードどうしても欲しい、だから最初に購入できるように大きい出目のダイスが欲しい...でも、お金はそんなに払いたくない」とか「次の収入は勝利点が欲しいから緑のダイスを取りたい、でも出目が低いからあのカードが取れないかも...」などなど。
2つ目
運要素が極めて低いところ。「テラフォーミングマーズ」や「アグリコラ」などのゲームは、膨大な数のカードがありますが、1ゲームに登場するカードはそのうちごく一部。ですが、本作は1ゲームにすべてのカードが登場します。
なので「あのカード引ければ勝ったのに!」みたいなことがありません。「あのカードはまだ出てきてない、次に出てきたら買えるようにしておきたいので、収入はお金をもらえるように黄色のダイスを取ろう!」とか「●●のカードを取られたか...次に〇〇のカードを取られたらまずいから、阻止するために...」みたいに考える要素が多くなります。
もちろん巡礼者マップのタイルの配置運やダイスの出目などの運要素はありますが、全プレーヤー共通なので、これで勝敗が決することはなく、むしろ戦略性が増すような気がします。
このように書くと「なんだ、毎回同じカードか。リプレイ性に欠けるのでは?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。カードの登場するラウンドが異なり、配置される場所も異なるため、毎回違った展開が楽しめます。言い換えると毎回違った戦略が必要となります。
3つ目
ゲーム性の特殊さゆえに忘れ去られがちですが、本作のテーマは、大航海時代のポルトガル・コインブラで有力者となって名声を得る、というものです。このテーマをゲーム中にしっかりと肌で感じることができる点、これが3つ目の面白いところです。
当時、学問の都市であったコインブラで学者と友好関係を保ちつつ、国土回復運動レコキスタ後のキリスト教の布教や、列強に遅れを取らぬよう軍事力の強化、そして何よりスペインに負けじと行った航海事業などなど、実際の歴史を感じさせるようなゲーム展開に胸躍ります。