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メーカー:テンデイズゲームズ
2008年にドイツでほぼ個人出版の規模で発売され、一部に熱狂的なファンを生んだ「フォーラムロマナムの商人」が日本仕様版としてリメイクされました。
プレイヤーは、一商人となり、古代ローマでさまざまな商品を売買し、市場価値を高め、その資産を利用することで得点を購入し、いち早く12点を獲得することを目指します。
ゲームは、手番プレイヤーの選択によって選ばれた商品カードの組を競りで得て、そのカードを自分の場に出し、市場価値をコントロールしていくことで進んでいきます。
「フォーラムロマナムの商人」で、もっとも特徴的なのが、市場価値が完全にプレイヤーの思惑とそのプレイングだけで形成されるというところです。
市場における商品ごとの価値は、ゲーム全体で場に出されているその商品カードの枚数と等しいものになります。
すなわち、枚数が多く出ているものの価値は高く、少ないものの価値は低くなるのです。
「フォーラムロマナムの商人」では、競りや得点カードの購入で「お金」が使われることはありません。(そもそも内容物に含まれていません)
自分の手元に出している商品カードを用いて、その価値でやりとりがなされるのです。
支払いに用いられた商品カードは、場から無くなるため、商品価値が大きく下落することになります。
より効率よくその価値を活用するためには、すべてのプレイヤーがどのような思惑でカードを出しているのか、商品カードを出すタイミングや支払いに使うタイミングなど、その読みと見極めが重要となるのです。
加えて、手元に出せるカードは5枚までという制限があります。自分だけでは価値を上げるのは限界があるでしょう。時には他のプレイヤーと同調し、価値を高めていくことも求められるでしょう。
価値の低いうちにカードを出し、価値が上がったところで支払いに用い、他のプレイヤーの手元の価値を下げる―「フォーラムロマナムの商品」で一番基本的なこの点は、言葉にすると簡単ですが、それがとても難しいことは言うまでもありません。
手元に出す商品カードのうち、3枚は伏せて出せるというのも大きなポイントです。
伏せられた商品カードは、市場価値に影響は及ぼしませんが、支払いには通常のカードと同様に用いることができます。
表向きのカードで市場をコントロールするか、裏向きのカードでひっそりと他人の思惑に乗るか。もちろん、表向きのカードと同じ商品を裏向きのカードと合わせて出来るだけ多く出すことで、より大きな利益を狙うこともできます。
毎手番ごとに自動で商品をもたらす「産地カード」による展開の広がりも用意されています。
4人専用であることと、ほぼプレイヤー間の思惑だけで成立しているような内容だけに、遊ぶ人を選ぶところはありますが、「カードゲーム」と一言では言い表せないほどの存在感を持つ一作として、だれもが体験する価値は十分の一作です。
丁寧に描かれた雰囲気のあるアートワークも魅力です。