名作ドラフトゲー2つの街の物語と名作建築ゲーのノイシュヴァンシュタイン城を足して割らずに出してきた作品。今度は街じゃなくて城を建築するぞ。
一発ネタかと思いきや中身は2つの街の物語(以下BTC)をブラッシュアップした傑作。
ゲームの流れは2ラウンド制に変更して1ラウンドに使うタイルが9枚になったBTCで伝わると思う。配置するタイル枚数は元と同じく16枚である。勝利点はいつも通り2つの城から低い方が自分の持ち点になる。
では、ノイシュヴァンシュタイン城要素はイラストとテーマ以外のどこにあるかというと、部屋の種類、ボーナスカード、完成ボーナスは配置枚数ボーナスに変更、このあたりが受け継がれている。やってみると分かるけどもシステム的にはほとんど別物になっている。
しかし、ノイシュヴァンシュタイン城のフリーダムな城作りという大前提は本家よりも大きく進化した。
BTCは4×4の区画内で街を作り、ノイシュヴァンシュタイン城では地上1階地下1階のパケ絵詐欺な城を作る。
それに対して2つの城の物語は廊下と地下室は地下へ、それ以外は地上に配置するくらいしか制約が無く自由な城が作れる。
例として上の写真だと地上3階地下5階で大量に庭園がある城になっている。こんな自由な城が作れるのも今作の魅力だ。
最後に良い点と悪い点を挙げてみる。
良い点
・優秀なコンポーネント
今作はBTCとは違いタイルケースが付いている。なんとそれに収納するだけでゲームのセットアップも完了するのだ。
左がメインケース、右が特殊タイルケースだ。写真だと分かりにくいがメインにはプレイヤー人数毎に取る場所が明記されている。
よって片付ける前にタイルをシャッフルする事で次回すぐに楽しむことが出来る。
・イラストがキレイ
BTCもノイシュヴァンシュタイン城もイラストがキレイだったが今作は更にイラストが良くなっている。イラストもメインの部屋タイルは全て異なっているため見ていて飽きないレベル。
個人的なお気に入りタイル、豚小屋(仮)。
・勝ち筋の多さ
BTCの特徴である勝ち筋の多さは健在でどの戦法を取ってもある程度の点数を稼げる。ノイシュヴァンシュタイン城から視点で見ると家事室完成からのボーナスカードゲーではなくなった。というよりも各ボーナスはゲーム中最大で2回しか獲得できないため特化戦術は愚策のシステムになっている。
悪い点
・タイルがペラくて小さい
タイルが一般的なタイルゲーの3分2くらいの厚さ。あとちっちゃい。
小さいのがけっこう問題で上の豚小屋タイルを見てもらうと分かるけども、
BTCと違いタイル毎に
◇名前
◇部屋の種類(左上)
◇壁掛け飾りの種類(右上※豚小屋は無し)
◇得点手段
以上の4要素が小さい字で詰め込まれていてけっこう見にくい。
しかし、タイルの大きさを大きくするとタイル多分日本で遊べないサイズのゲームになってしまうのでいたしかゆしな話である。
・点数計算が面倒臭い
とても楽しいプレイ感に対してラストの点数計算はかなり面倒。各部屋の種類の各部屋毎に得点方法が違う上に参照する場所が違うため手間がかかる。慣れてないと相当てまどってしまう。ノイシュヴァンシュタイン城のダメな点まで持ってこなくて良かったのに…。
以上、総合的にはオススメ出来る作品。ホントに点計算以外はなんとでもなるので是非とも遊んで欲しい。
まだ日本語版は出ていないが、日本語ルールはストーンメイヤーの公式サイトに公開されているし、言語依存も一部のボーナスカードのみなので先に米尼なりで買ってしまうのも全然アリだ。