入江で繰り広げられる3日間の売上バトル。それがマーチャンツコーブ。
特徴は非対称ゲームの極地と言って過言では無いメカニクス。作った商品を顧客に売って金を稼ぐ骨子は共通だが、商品の作成方法は全員異なるメカニクスで行う。何を言ってるか分からんと思うのでコンポーネントの写真をいくつか撮ったので簡単な説明を。
タイムトラベラーな商人。絶えず入れ替わるタイルから商品を生産する。メカニクスはタイムプレイスメント。時間を止める助手とタイルを入れ替える博士を上手く使って効率良く商品を稼ぐ。
錬金術師な商人。見た目通りポーションエクスプロージョンのようなリソースマネジメントを行う。色を合わせて商品を作る。オールマイティの黒は使い過ぎるとペナルティだ。
占い師な商人。紙ペンゲームで商品を作る。皿に占い道具を投げ込んだ結果に応じてアクションするので運の要素が凄まじい。
他にもダイスプレースメント、人生ゲームなど様々なメカニクスのキャラが存在する。
次は全員共通のコアルールについて触れる。まずはメインボードの画像を。
デカい割に情報量の少ないメインボード。商品の売買を行う桟橋、ラウンドの管理を行うタイムトラック、ボーナス用の派閥エリア、スタッフを雇う街角エリアの4つしか要素はない。
ベースルールはシンプル。袋ツモで需要を決めて、アクションフェイズに作った商品を決算で売るだけだ。
プレイヤー間のインタラクションはかなり少ない。
点数システムも単純で桟橋毎に決められたサイズでそこにいる顧客と同じ色の商品を顧客の人数✕金額で売って点を稼ぐ。ボーナスは色毎にあり、獲得したボーナスの色の派閥エリアにいる人数分の点数が入る。ゲーム中に手に入る堕落はゲーム終了時に勝利点をアイコン✕派閥エリアの荒くれ者の人数分減らしてくる。
ゲーム終了時のボーナスも雇ったスタッフのアイコンと堕落カードに書かれた各派閥アイコン✕派閥の人数というシンプルなもののみ。とにかくシンプルだ。
ゲーム的にはソロプレイ感が強いが、プレイ中は周りがやってることが分からなさ過ぎて笑えてくる。
最後に良いところ悪いところを。
良いところ
・インストが楽
意外かもしれないがインストは楽な部類。コアルールさえインストしてしまえば後はキャラ別ルールブックを読んでね、で完結する。個別ルールをインストする場合も1キャラ3分位で終わるのでトータル20分弱くらいでインスト可能。
・わちゃわちゃ感が楽しい
アクションフェイズはパッチワーク式で手番が回る。それぞれの宣言したアクションと動きを見ていると何してるのか分からないが商品は出来る事態が多発するのでわけ分からないのが逆に面白くて盛り上がる。
・メカニクスの入門になる
商人毎のルールはダイスプレースメント、紙ペン、リソースマネジメントなどの代表的なシステムの簡略版が多いためメカニクスの雰囲気を掴むのにも役立つ。それぞれの代表作をやればいいのでは無いかとは言わないでほしい。
悪い所
・キャラ感のバランス
大量のメカニクスを詰め込んでいる割にバランスは取れている方だが、それでも強弱はある。まあ、バランスにシビアな人種がやる作品ではないので問題はないと思われる。
ゲームとしては荒削りだが、ハチャメチャお祭りゲーとしては近年トップの面白さなのでぜひともプレーしてみて欲しい。みんなやることは違っていてもみんなで盛り上がることが出来る、それを認識させてくれる良作だ。