二人プレイ時の感想を書きます。
4×4マスに区切られた個人ボードに色とりどりの資材キューブを置き、その組み合わせで建築物を建て、自分の町を発展させていくパズル感覚のゲームです。
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5色のキューブに色分けされた各資材は、ゲーム開始時にランダムで選ばれた7種類の建物カードの建設に使います。建物カードには建設に必要なキューブの「色の組み合わせ」と「配列」が記載されていて、完成すればそれを建てられるというルールがあり、プレイヤーはマスの目を見ながら理想の建物配置を目指し、キューブを置いていきます。
また各建物は、それぞれ他の建物と影響し合ったり、同じものを複数建てることで勝利点を得るものがあったりと、特性と組み合わせをよく理解してパズル的に建設位置を決めなければなりません。
建物カードは全員が共通のものを繰り返し使用するため、全員が同じ戦略になりそうな所を差別化するのが、「モニュメントカード」と呼ばれる特殊カードです。こちらは各プレイヤーが一枚を個別に持ち、一回だけ建てられる非公開の建築物で、ゲーム毎に大きな効果を及ぼすため、この一枚により個人の戦略がそれぞれ変化する仕組みになっています。
そしてパズル要素を更に難しくするのが「棟梁」と呼ばれる親プレイヤーの仕組みです。
順番に巡ってくる「棟梁」になった時、棟梁がその手番のキューブの色を決め、全員が同じ色を個人ボード上に配置しなければなりません。
従って自分の欲しい色のキューブが確実に手に入るのは棟梁になった時のみで、その他の手番では違った色のキューブを手渡されるため、計画通りにキューブの配置が出来なくなってしまいます。
4×4のマスは思ったより狭く、想定外のキューブをうまく他の建物の配列に使うなどして効果的に使えなければ、本来建てたかった建物に必要な配列が埋まってしまいます。
建物のないマスはマイナスの勝利点になってしまうので、つまり各プレイヤーは
・狭いマスを駆使してキューブを配置し、建設に必要な配列と空きマスを残さない条件をうまく満たせるか?
・モニュメントカードを含めた建物カード同士の効果をうまく組み合わせて、より多くの勝利点を引き出せるか?
・棟梁から渡された要らないキューブを、無駄や邪魔にならないよう機転を効かせた配置ができるか?
という大まかに3点のポイントに留意しながら、パズルを解いていかなければなりません。
これが相当に難しく悩ましいので、思っていたよりずっと歯応えのあるゲームでした。後半は建物が増えてくるので、どんどん狭くなるマスにキューブを配置しなければならず、思い通りにはいきません。素晴らしいジレンマです。
また7種類の建物カードのうち、6種類にはそれぞれ4枚の違う効果のカードが存在し、ゲーム毎に1枚ずつが選ばれます。つまり建物カードだけで4096通りの組み合わせがあります。これに15枚のモニュメントカードがランダムに一枚選ばれるため、61440通りのリプレイ性があります。
二人プレイ時だと相手が棟梁になったあとすぐ自分が棟梁になるので、欲しいキューブは比較的簡単に手に入ります。
三人以上と比べて難易度が下がるのが特徴と言えます。逆に上限の六人でやったらどれだけ恐ろしいことになるのか…一度はプレイしてみたいですね。
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コンポーネントは、写真にあるように全ての建物に可愛らしい色つきの木製建物コマが用意されています。
これがとにかく可愛くて、次第にカラフルなコマで満たされていく町を作っていくのは視覚的にも楽しいですし、完成した時のボードはつい写真に収めたくなります。
ただ個体差かも知れませんが、私の購入したものは若干塗料臭いのが残念な点でした。
可愛らしさが止まらない豊かな表情を持った木製コマたちと、不測の事態を呼び込む棟梁制のパズルゲームが特徴的な本作。
推奨年齢は14歳以上なだけあって、見た目よりずっと悩ましく、ゲーマー向けなハイレベルなパズルが楽しめる作りとなっております。