クアックサルバーとかザ・マインドとかで有名な日本語の発音が怪しいボードゲームデザイナーことヴァルーシュだかウォルシュだかの協力ゲー。まだそのネタ引っ張るのかって言われ続けたい。
一言でいうと火山から逃げるゲームです。だが残念ながらポンペイ滅亡のようなバカゲーではない。別に残念でもないけど(どっちだよ!)。じわっと毎ターン襲ってくる溶岩流から逃れるために1ラウンド0歩~3歩歩いて、無事集落までたどり着けば勝ち。一人でも溶岩に飲まれたらorHPが減ってゼロになったらゲームオーバーです。
各マス目(カード)にはダイスの目が書かれており、衝立の裏でダイスコロコロして、ダイスの目を伝えずに「私ここに行きたい」「あそこに行きたい」「そっちは多分無理やで」などと伝えます。最終的に目が確定したらつい立てを開けて、両隣のプレイヤーとダイス目を比べ、宣言したプレイヤーが移動先に指定されたダイス目の数字を最も多く獲得していれば移動成功。同じor少なければ移動失敗。移動成功でも差が5未満だった場合差分によってダメージを受けます。(差分そのままではなく、また差が小さいほどダメージが大きい)なお、この両隣と数字を比較するというルールより、ダイス目を比べあうプレイヤー同士は同じマス目を目指して移動することができません。
協力ゲーにありがちな「口聞いちゃダメ!」的な窮屈はありませんが、ダイス目に関する発言は全部禁止。ふわっとしか状況を伝えられません。思うに、ヴァルーシュ/ウォルシュさんはべたなユーロゲーもがっつり作れるのですが、こういうふわっとしたある意味アジア的なファジーさ/アナログゲームのアナログたる所以をゲームに盛り込むのがうまいし、これが彼の強みであり新しさ、評価された点なんだろうなと感じます。ザ・マインドはちょっとやりすぎ感ありますけど(そして、あまり好きではない)。
このふんわりファジー路線が奉行問題をシステム的にクリアできているというのが私好みなのです。正直ゲームの楽しさってゲーム中の会話に結構依存してるところがあるので、しゃべれないとか、情報伝えられないゲームって結構しんどいんですよね。ふんわりとした情報プラス場の情報から、察して! みたいなところでそこそこ判断もできるし、すごく塩梅がうまいなーと思います。ユーロボードゲームらしいゲームでありつつもヴァル(略)的ふんわりさもしっかり生きています。ルールも難しくなく、初心者向け協力ゲーとしても優秀なのでは。
レベル1だったこともあり、ちょっと危なげなところもあったものの余裕でクリア。自分は出目が無茶苦茶良くてほとんどノーダメージでした。
アートワークもとても素晴らしく、エセジャパン好きな人にはたまらんと思います。なんかギリギリ日本っぽくないんすよね。でもすごい奇麗で好き。ただね……各プレイヤーにキャラカードがあるのですが、アートワークがブラッディ・インの人と同じで、見た目が完全にアレ。そもそも、火山の研究調査でなんで全員スーツを着ているのか訳がわからない。どう見ても反社です本当に有難う御座いました。ってかどう考えても富士山、お前らが噴火させたよな?